「この人ポンコツだな」と思われる人の残念な習慣

仕事に追われるビジネスマン
そもそもの能力の差ではないとしたら?(写真:kouta/PIXTA)
同じ作業をお願いしても、すばやく正確に仕上げてくれる人もいれば、遅いうえにミスが多い人もいます。その差を、能力や要領の差だと思っていませんか? 実は、同じ人でもいくつかの習慣を見直すことで、脳の能力発揮の度合いが変わります。つまり、作業効率や正確性をコントロールすることができるのです。
『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の著者の1人、藤吉豊さんが、一生使えて結果につながる、脳の力の発揮法を解説します。

習慣が、能力の発揮度合いを決める

何でも正確かつ的確に対応でき、しかもスピーディな人もいれば、いつも締め切りギリギリでミスが目立つ人もいます。

「できる人は何でもできる」「そもそもの能力の差」などと思っている方も多いのではないでしょうか?

私たちは今回、100人以上の「学びの達人」たちが書いたベストセラーを精読し、頭が良い人、勉強で結果を出してきた人の勉強法について研究しました。その中で発見したこと。それは、学習能力や理解力の差やミスの量は、習慣を変えることでコントロールできるということです。

ここでは、日々の勉強や仕事で、自身の能力を十分に発揮していくために大切なポイントを、3つの切り口から紹介していきます。

机の上、パソコン画面が散らかっている

仕事中、いくつものウィンドーが開きっぱなしになっていませんか? メールを書きながら途中で調べものをして、別のウィンドーで統計の表を作って……など、いくつもの物事を同時進行でしていないでしょうか?

あるいは勉強中、英語の勉強をしながら数学のテキストが気になっていたり、机の上に出ているスマホが気になったりしていませんか?

勉強法のベストセラーには、「目の前のひとつのことに集中すること」の重要性が書かれていました。マルチタスク(同時に複数の作業や処理をすること)はしないこと。それだけでやる気や集中力、効率が格段に上がります。

なぜマルチタスクはだめなのでしょうか。それは、脳科学の知見から、「人間の脳はひとつのことしか処理できない」ことがわかっているからです。

複数の作業を同時に行おうとすると、集中力も落ちます。自動車運転中の「ながらスマホ」が禁止されているのも、スマホに気を取られていると、前方の安全確認がおろそかになるからです。

目の前にやるべきことが複数あるときには、優先順位をつけて、優先順位の高いものから、順番にやっていきます。そのためには、机の上やパソコンの画面上を整理して「そのときやること」だけが目に入る状態にしておくことも効果的です。

つい夜更かししがち

忙しいとき、つい削りたくなるのが睡眠時間です。あるいは帰宅後にだらだらと過ごしていて、いつの間にか夜が更けていたという経験がある人も少なくないでしょう。

勉強法の達人たちは、「睡眠は脳のパフォーマンスに影響を与える」「睡眠時間を削ってはいけない」「夜はしっかり寝る」など、睡眠時間を十分に確保することの重要性について言及しています。

なぜ、脳の働きに関して、睡眠時間の確保が必要なのか。それは、睡眠に次のようなメリットがあるからです。

★睡眠のおもなメリット★
・記憶が定着する。
・記憶が整理される。
・物事の理解が深まる。

起きている間の記憶が整理されたり定着したりするのは、寝ている間です。睡眠が不足すると頭の中が整理されていない状態が続き、脳のパフォーマンスは下がります。夜はしっかり眠る。そのほうが、脳にとっては良いのです。

では、脳の力を高めるには、どのくらい眠るのがいいでしょうか? 睡眠時間の目安を示している本を精査すると、一般的に大人は「7~8時間」と書かれていました。