「すぐに気にしてしまう人」精神科医が教える対策

女性、朝
飲み会などの後に、「なんであんなこと言っちゃっただろう」など後になって気になることはありませんか(写真:Ushico/PIXTA)
「周囲の人の何気ないひと言をいつまでも気に病んでしまう」「「みんなと別れた後に『なんであんなこと言っちゃったんだろう……』と後悔する」……そんな経験はありませんか?ツイッターで絶大な支持を得る精神科医のTomyさんは、自身も「気にしい」だと言います。そんな Tomyさんも実践しているストレスを取り除く方法を、同氏著『精神科医Tomyの気にしない力』からご紹介します。

「気になること」を棚卸しする

「気になること」があると、頭の中がそれで支配されてしまい、パニック状態のように感じることはありませんか? でも実際は問題が次々に起きているわけではないはず。

いざ「気になる」に直面したときは、冷静になって整理し、「気になること」の箱からどんどん物を捨てていって、箱自体を小さくすることが大事です。具体的には次のような方法があるので、ぜひトライしてみてください。

ステップ1 「気になること」を全部書き出す

困ったことがあったら書き出す作業をしているというTomyさん。これには問題の整理はもちろん、頭の中のことを紙にアウトプットすることで、「ずっとそのことを考えずに済む」効果もあるそうです。いま頭の中を占めているいや~な「気になること」を筆頭に、実は気がかりなこと、寝る前にふっと思い出しては憂鬱になる心配ごとなど、思いついた順にどんどんリストアップしてください。

ステップ2 「どうにもできないこと」をリストから外す

次に、リストアップした「気になることリスト」をしげしげと眺め、仕分けしていきます。気になるあれこれを冷静な目で見てみると「自分ではどうしようもできないこと」「今すぐ解決することは難しいこと」が含まれているのではないでしょうか? こういうものはリストから外してしまいます。これは自分の範疇の外にあること、と認識してて手放すのです。

ステップ3 「気になること」に優先順位をつける

ステップ2の作業をして、リストが少しすっきりしました。次に、残っている「気になることリスト」の中から早く解決したいと思う「気になる度」の高い順番に並べていきます。

ここでもまた、「これ、気になると思っていたけれど○○のことに比べたら大したことないかも」といった発見があるのではないでしょうか。この作業をしていると自ずとパニック状態だった頭の中が冷静になってきているはずです。

ステップ4 どう対策すればいいか考える

「気になることリスト」が整理されたところで、いよいよどんなふうに対策すればいいか考えていきましょう。ここまで来れば頭の中もだいぶクールダウンしているはず。「こうすればいいかも」「よくよく考えればこういう手もあるかも」というアイデアが出てくるかもしれません。ここでは優先順位は問いません。「抜ける根っこから抜く」ことがポイントです。

リストから気になることが減っていく爽快感

ステップ5 対策ができたことをリストから外す

いよいよ最終段階です! 対策を考えられたものは解決できたも同然。「気になることリスト」から外してしまいましょう。この5ステップを繰り返していくと、気になることが新たに出てきても対策も考えやすくなり、どんどんリストから外していくことができるようになります。リストから気になることがどんどん減っていく、これは本当に気分爽快です。

精神科医Tomyの気にしない力~たいていの心配は的外れよ (だいわ文庫 461-1-B)
『精神科医Tomyの気にしない力~たいていの心配は的外れよ (だいわ文庫 461-1-B)』(大和書房)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

気になることの恐ろしさは、不安になったり事態の確認に走ったりしているうちにも確実に時間が過ぎていってしまうということ。本来なら家族や友人、恋人と楽しく過ごせる時間や大好きな趣味に没頭できる貴重な時間が不愉快な気分に覆われてしまうという由々しき事態なのです。

「気にしないでいること」は人生を楽しむために本質的に必要なこと。5ステップを活用して、ぜひ「気にしない」マイスターになりましょう!