以前は普通に行えていた同僚との会話が、久しぶりにリアルで会ってみるとうまくいかないのは当然のこと。その原因は心理的距離にあります。
これまでオンラインで仕事をしてきた仲間・相手とは、知らず知らずのうちに心理的距離が遠のいています。
以前は、オフィスでのちょっとした声かけや、エレベーター前での何気ないやり取りのおかげで、微妙な関係が保たれ日々のコミュニケーションは円滑に回っていたわけです。
オンライン会議やチャットは効率的で便利な反面、ちょっとした雑談や、なんでもないやり取りは減る一方でした。つまり、ただ普通に仕事をしてるだけで、会社の仲間とはどんどん疎遠になっていたのです。
遠のいた心理的距離を回復するためには、なんでもない会話、ちょっとしたコミュニケーション、つまり「雑談」が効果的です。
そこで今日からすぐに実践できる雑談のコツをいくつか、効果を裏付ける科学的エビデンスと共に紹介します。
雑談とは「微妙な関係の相手と、少しだけ心理的距離を縮めるための、ちょっとした会話」のこと。そのためには、とにかく会話のラリーを続けることが効果的です。
あえて面白い話をする必要はありません。「一緒に話した」という事実が大事なのであって、内容はなんでもいいのです。
とはいえ、なんの話をしたらいいか迷う場合は「ビデオトーク」が有効。その名のとおり、目に入ったものをそのままビデオで映し出すように話題にしていきます。
机、時計、腕時計、相手の髪型、服装、書類、イス、メニュー......。そうすると、天気やニュースといったいわゆる「時事ネタ」を話すのに比べて、
といった効果が得られ、お互い、気まずさが減ります。結果的に「とりあえず数分間会話をした」という事実が残り、心理的距離が縮まります。とくにタクシーの車内では、車窓から見えるものを次々と話題にしていけば、会話のラリーは続きやすくなります。
ちなみに、自分が感じていることが、実際以上に相手に伝わってしまっていると考える傾向のことを「透明性の錯覚」と言います。会話が途切れて沈黙が訪れると「こちらのあせりがバレているのでは?」と、勝手に感じてしまうのもこの典型例です。
話の目的を先に伝えてしまう話し方も、緊張する相手と話すときには効果的です。