――木澤投手がマクガフ投手と熱心に話している場面も、しばしば見られました。外国人選手だけでなく、日本人の若いピッチャーにも多大な影響を与えましたね。
髙津 彼はもちろんアメリカの選手ですけれども、すごく日本の野球を理解し、勉強しようとしてくれた選手でした。それに、自分の立ち居振る舞いを若手が見ているということも、きちんと理解しての行動であったり、チームメイトとのコミュニケーションであったりというところに繋がっていました。僕が一番素晴らしいと思っていたのは、そういったことも含めた人間性です。人としての魅力をもっとも評価していました。みんなが、スコットがいなくなったことに対して「ショックだ、残念だ」と思っているんじゃないかな? そのぐらいフレンドリーで気安く会話のできる、本当にいい仲間だったと思います。
――新聞紙上では石山泰稚選手や清水昇選手が「新クローザー候補か?」と報じられていますが、まだ白紙状態ですか? それとも、すでに構想はあるのですか?
髙津 もちろん白紙ですね。正直、何にも考えていないです。今後、沖縄キャンプを経て適性を見るというか、新たな勝利の方程式を考えていくという感じですね。結果を見て、いろいろなものを決めていかなければいけないので。ある程度の想定、想像はこれからしていくんでしょうけれども、すべては競争の社会、世界なので、それに勝った人がいろいろなポジションを務めていくものだと思っています。
――そうしたことを踏まえてですけれども、2022年シーズンの総括をお願いしたいのですが、収穫、そして反省点、課題みたいなものをそれぞれ伺いたいのですが。
髙津 収穫か……。選手はみんなよく頑張ったかなと。31人の一軍枠に入る難しさの中で、とくに壮真であったり、長岡であったり、木澤であったりというところが入り込めた。そういう若い選手たちはチームにとって、非常に大きな存在でした。うまくいかないこともたくさんあったんですけれども、それよりもほぼフルで一軍に帯同して経験できたというのは大きな収穫でした。チームとしての収穫は、最後負けてしまったんですけども、徹底マークにあいながらリーグチャンピオンになれたことですね。去年も勝ちましたけど、去年勝つよりももしかして価値がある、と言ったらあれですけれども、難しかったことを成し遂げたのは素晴らしいシーズンだったのかなと思います。