――そういう意味では、川端選手が最初の打席で初球を見事にライト前に弾き返した瞬間は、監督としても「してやったり」と思いだったのでは?
髙津 いや、「してやったり」というよりは、「ホッとした」というのが正直なところですね。あとは素直に嬉しかった。いかにも彼らしいヒットだったし、その後の打席はヒットは出なかったけれど、「スタメンで起用した甲斐があったな」と思いました。なんとなく去年のことを思い出しましたね。
――どんなことを思い出したのですか?
髙津 去年、川端の代打をアンパイアに告げるとき、僕は内心で「川端はこのピッチャーをどうやって打つのかな?」と思っていました。すると彼は初球のストライクゾーンであれば積極的にバットを振っていき、いとも簡単にヒットにする。去年、何度も経験したあの場面を思い出しました。
――交流戦までの44試合で印象に残っている試合、転機となった試合はありますか?
髙津 うーん、何だろうな? ちょっと最近のゲームになるけど、阪神戦でサヨナラ勝ちした試合ですかね。
――5月17日、神宮球場での阪神タイガース戦ですね。0対1でリードを許して、なかなか点数が取れないまま9回裏に突入したものの、青木選手の同点打、オスナ選手のサヨナラ犠飛で見事な逆転勝利を飾りました。
髙津 相手は岩崎(優)投手でしたので、「このままアッサリと負けてしまうのか、それとも何とか追いついて延長戦に持ち込めるのか」と考えていたら、それ以上のサヨナラ勝利という結果になった。チームの粘り強さを感じたし、翌日以降のモチベーションにも大きく影響した試合でした。……でも、まだ残り100試合近くあるから、それほど強く印象に残っているわけではないですけどね(笑)。
――監督にとっては、交流戦に突入した現在でも、まだ「シーズン序盤」という感覚なんですか?
髙津 序盤ですね。今から、いろいろなことが起こるんだろうなと思っています。もちろん、勝敗に関しては勝てば嬉しいし、負ければ悔しいけど、まだまだこれからですから。
――現在、交流戦の真っ最中です。どんな意識で、これからの試合に臨まれますか?
髙津 やっぱり、セ・リーグとパ・リーグを比べられることが多いので、「パ・リーグには負けたくない」という思いは強いです。個人的には「佐々木朗希くんを生で見たい」とか、注目している選手はいますけど、「パ・リーグ相手にしっかりと勝ちたい」という思いの方が強いですね。
――やはり、セ・リーグの一員として、パ・リーグに対する反骨心は強いものですか?
髙津 もちろん、反骨心はありますよ。ただ、これまで交流戦にしても、近年の日本シリーズにしても圧倒的にパ・リーグの方が成績を残している時期が続いていました。去年の交流戦はセ・リーグが勝ち越したし、日本シリーズは我々が勝利した。今年も、パ・リーグに負けない交流戦にしたいと思っています。応燕よろしくお願いします!