2021年ついにセ・リーグ制覇、日本一を成し遂げた髙津ヤクルト。その悲願の裏には「絶対、大丈夫!」の言葉が物語る、髙津臣吾監督の卓越したチームマネジメント力があった。
王者として迎える2022年シーズン、髙津監督はどのように戦い、どのようにチームを進化させていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、髙津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――2022年シーズンもペナントレースと同時進行で、監督の折々の思い、考えていることを伺っていくこととなりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
髙津 今年もこの連載を通じて、僕の本音だったり、感情であったりをお伝え出来たらなと思っています。今年もよろしくお願いします。
――さて、本日からいよいよペナントレースがスタートします。昨年に引き続き、開幕戦のマウンドを小川泰弘投手に託すことになりました。昨年までとは違って、今年はなかなか開幕投手を発表しませんでした。これはどういう狙いがあったのですか?
髙津 ちょっと演出した部分もあります(笑)。別にすぐに発表しても面白いとは思うんですけど、「言わない面白さもあるんじゃないのかな?」と考えました。別に発表しなくてはいけない決まりがあるわけじゃないし、いろいろな意味があって公表はしませんでした。
――マスコミには発表していなくても、選手たちには事前に伝えていたことと思います。
髙津 もちろん伝えていました。オープン戦が残り数試合になった時点ではすでに4月中旬の試合までローテーションを決めていましたし、小川にも他の投手にも伝えてあります。
――開幕マウンドを小川投手に託した理由、決め手は何でしょうか?
髙津 小川に決めた理由は、もちろん1つや2つではないです。10個や20個でもない。本当にたくさんの理由があります。現時点では具体的には話せないけど、いろいろなことを想定して、今と先を見据えた上での決定となりました。もちろん、小川には万全の信頼を期して、開幕のマウンドに立ってもらいます。
――以前、お話を聞いたときには「開幕戦は143分の1ではない、特別な試合だ」とおっしゃっていました。その思いは今年も変わりませんか?
髙津 変わらないですね。開幕戦の高揚感、緊張感というのは、言葉にするのは難しいけど独特のものがあるんです。僕らは当事者で現場の人間だけれど、ファンの方にも同じ高揚感を持って、開幕を迎えてほしいと思っています。