私たちは本来、能力のなさや自信のなさを取り繕う必要などありません。
「できない」ことを堂々と受け入れることは、いまの自分を認める強さです。この強さが、人生を前に進めるエネルギーになります。
ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は一日に最大でおよそ3万5千回の決断をしているそうです。
加えて、心理学者のジョナサン・レバブ氏が行った「決断疲れ」の調査では、午前中から一日の終わりに向かって衝動的な決断が多くなり、決断の先送りも増えることがわかったのです。
肉体的な疲れと違って、決断疲れは、自覚しにくいということも明らかになっています。
決断疲れに無自覚でいると、玄関を出てから会社までいつもと同じ道を通り、コンビニに入れば昨日と同じような飲み物、食べ物を手にしてしまうのではないでしょうか。
決して日々のルーティンに限ったことではありません。
万能な自分になろうとしては、なれないと嘆くのも同じこと。
人はなぜか、そうしてダメな自分をわざわざ味わっていることがあります。無意識のうちに過去と同じ生き方を繰り返してしまうのです。
「私のせいかも?」と不安になり、反射的に何かをしそうになったら、次からは試しに「自分は何もしない」を選択してみてはいかがでしょう?
なぜならそれが、いまの自分に「変えられるもの」のひとつだからです。
万能ではない自分という「変えられないもの」を受け入れ、「変えられるもの」に手をつけられた自分は、ちょっと誇らしく感じられるはずです。
続けていれば、周囲の態度や反応も少しずつ変わってくると思います。
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