思えば私が将来をお先真っ暗に感じていたころは、毎日「どうなれば」そこから抜け出せるかを考えていました。
その考えはいつも「いまの自分はダメだ」から始まっていて、「自分はダメじゃない」といった支えを自分の外側にある何かに求めていたのです。
成功やお金、持ち物など目に見える何かで自分を支えようとする心理は、当人が「自分の価値」を見いだせていない証拠でもあります。
自分が本来持っている価値を見ず、それを育てようともしないのならば、いつまでも「自分」は見つかりません。
どう在りたいかを選ぶ力が弱いと、人は「ああなりたい」「こうなりたい」と思った誰かを演じ続けてしまいます。自分ではなく誰かやその場のための選択ばかりを下し、いつしか「こんなはずではなかった」といった感覚に追われます。
そうしているうちに人は、毎日に疲労感やむなしさばかりを覚えるようになるのです。
あなたの日常にもし思い当たる不具合が出ているならば、それは自分のための「選択」と「責任」の選び直しの機会、情緒的成熟が促されるチャンスが訪れているのかもしれません。
自分のための「行動」を選択し、その「責任」を取っていくことは、結果その人の「在り方」を選ぶことにつながっていきます。
「どうなりたいか」は成功のベースで、「どう在りたいか」が成熟のベース。私たちはいままであまりにも「どうなりたいか」を探し、追い求めることに忙しすぎました。
でも本当は順番が逆です。「どう在りたいか」で生きられるようになると、むしろ人の成長力は飛躍的に上がって、目標にも早くたどり着けるようになるのです。
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