あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

「勉強習慣がつくれない人」がわかってない、たった一つのコツ

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キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備校や専門学校に頼らず一人で勉強するのはうまくいかないものです。いわゆる「独学」が難しいといわれる理由は――人間の意志がそもそも弱いからです。ただし、人間の意志は弱いという事実を受け入れることで、独学の成功率を高めることができます。この本には、忙しい社会人でも実践できる、独学を成功させるためのノウハウが満載です!
この連載をまとめ、加筆・改稿したビジネス書『意志の力に頼らないすごい独学術』(石動龍)が、アルファポリスより好評発売中です。

自分自身としっかり向き合う

かつて、『ドリルを売るには穴を売れ』(青春出版社)という書籍がベストセラーになりました。マーケティングの本質についてわかりやすく解説した入門書で、学んだことのない人にとっては有用な知識が詰まっています。とてもおすすめの本です。
本のエッセンスを少しだけ紹介すると、「ドリルを保有したいと思って買う客はいない。顧客の求めている価値はドリルによって掘れる穴である」ということです。つまり、ビジネスにおいては、消費者の真の目的を理解し、それに沿った戦略を立案することが重要ということになります。

本連載の冒頭で、「目的を明確にし、欲求を具体的にする」ことが努力を続けるポイントだと書きました。
少し考えてみてください。この記事を読んでいるあなたは、何か目的があって、資格試験なのか、TOEICなのか、何かにチャレンジをしたいと思っているはずです。
それは、そもそも何のためなのでしょうか。

資格試験への挑戦はつらく長いものです。遊びたい、サボりたい、休みたいという欲求を抑え、うるしを塗るように、日々の努力を積み重ねる必要があります。具体的な欲求を動機に変えて努力しようとしても、そもそもの欲求が自分の心に沿ったものでなければ、大きく力が出ることは期待できません。
「人生を変えたい」などのあいまいな目標や、「世の中をよくしたい」というふわふわしたきれいごとでは、自分自身を強く律することは難しいです。
それが誰にでもできるならば、ダイエットや習い事も簡単に続けられるはずです。
努力するときは、自分自身と向き合い、なぜ自分がそれを求めるかについて、よく考えましょう。

かつて私は、公認会計士試験に3か月ほどで挫折しました。そしてその後、嫌な環境から逃れるために火がつき、無事合格を果たしました。
同じ人間であっても、目標が具体的であればあるほど、大きな力が出ます。
「夢」という言葉はどこかに実現しないようなニュアンスを含むように思いますが、具体的な目標は実現させるためのものに他なりません。
人間は誰しも意志が弱いものですから、自分を動かすエンジンにするために、人生観を欲求に落としこみ、具体的な欲求として表現できるようにしましょう。

「変えたいこと/変えられること」を精査する

それでは、改めて自分自身の目の前にニンジンをぶら下げる方法について考えてみましょう。

大変な試験に挑もうとするからには、あなたはこれまでの人生を変えたいと思っているはずです。私のように、年収や人間関係などで困らないようにしたいかもしれません。
欲求を具体的にするには、合格後の自分を具体的にイメージすることが大切です。目標を達成したあとの姿が明確になれば、努力する意味をより強く見出せるようになるからです。
そのためにまず大切なことは、情報収集です。集めるべき情報は大きく分けて、

① 現時点で変えたいと思っていること
② 合格後に変えられること

の2種類です。そして、現時点で変えたいことについては、自分の心と向き合い、本当に望むことに沿うようにしましょう。
もちろん、人生の最終的なゴールを定める必要はありません。環境が変わっていくに従って、自分が望むものも変わっていくはずです。
あくまで、挑戦すると決めた時点において、望ましい人生に沿う目標を具体化しましょう。目標を具体化するには、達成できた際に獲得できるメリットと、解消できる問題点を羅列する方法がおすすめです。

たとえば、公認会計士試験に合格すれば、ほぼ確実に大手事務所に就職することができます。順調にキャリアアップできれば、いずれ年収が1000万円を超える可能性は高いでしょう。合格すると、多くの経済的不安は解消できます。
ところが、同じ公認会計士試験であっても、かつては合格しても就職できない期間がありました。合格者を政策的に増加させた時期があり、監査法人の定期採用で全員を吸収できなかったため、合格しても実務経験が積めないという地獄のような数年間がありました。

公認会計士は実務経験が最終的な資格登録の要件になっています。また、合格後には補修所に通学し、「修了考査」と呼ばれるテストにパスする必要があります。監査法人への就職ができれば、実務経験や補修所への通学は問題になりませんが、就職がかなわなければ、経験を積めないだけでなく、補修所の学費も自己負担になります。
就職氷河期の合格者は試験後も大変な思いをしたので、情報収集を欠かさず、現時点での合格のメリットを正確に把握しましょう。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

意志の力に頼らないすごい独学術

石動龍 /
キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備...
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