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夢が種ならば、豊かな大地に植える必要があります。
そして、水と肥料をやって、日の光にあてて育てあげないことには、夢は現実という果実を実らせることができません。夢を抱いたら、その夢という種を大地に植えなければならないということです。
では、大地とは何でしょうか。
ビジネスプランを現実にするための大地とは何か、ということです。
それは「私たち自身」です。肉体を持ち、感情を持ち、思考し、行動し、現実を変容させることのできる私たち自身が、夢を育てる大地なのです。
新聞紙上で、画期的な新製品や新サービスが発表されたとき、こんなことを言う人がいます。
「この商品、俺も半年前に考えたんだよな。これは絶対必要だから、あったらいいなと思ったんだよ」
その人もその商品と同じアイデアを思いついたのでしょう。具体的なアイデアであれば、これも「夢」であり「種」です。
しかし、その「夢」を自分自身の大地に植えて育てなかったのです。新聞で発表した会社は、その「夢」をしっかりと自社で植えて育てたのです。
「夢」は具体的なものですが、それを植えて育てなければ、現実のものとはなりません。
私たちの顔も肉体も、思考も能力もすべて、これまで過ごしてきた時間がもたらした結果です。
そして、すべての現実とは過去の結果であり、過去の出来事が堆積されたものです。だから、私たちが「夢」を植える大地が、「自分自身」であるということは、私たちの過去の出来事や体験だということです。
現在の私たちの心身は、すべて過去の出来事や体験の結果です。肉体は、私たちが食べ、運動し、休息し、新陳代謝を繰り返してきた結果、現在のような形になっています。私たちの心も同じように、これまでの感情、思考、読書、見聞、体験によって現在の形をとっています。
未来を変えたいと思うならば、夢を描き、過去の結果である自分自身の大地に植えるのです。
そして土壌がどうなっているのか、どこに植えるといいのか、栄養素は何が足りていて何が足りないのか、などを調べることができればもっとよいですね。
それが、過去を知るということです。過去を知ることは、自分を知るということであり、それが「振り返る」ということです。
実際に「振り返り」をやってみたらどうなるのでしょうか。
一日の終わりに、その日にやってみたことを振り返るとします。これも一つの振り返りです。
さっそく今晩、今日やったことを振り返ってみましょう。そして、その中でも特に面白かったことはないかと探してみましょう。探してみると、忘れてしまいそうになった面白いことが見つかります。
振り返ってみて気づいたことがあったらメモを取ってみましょう。
おそらく、一日を振り返って、楽しかったことや面白かったことを思い出していくと、自然と気分が楽しくなっていると思います。
かつて在籍していた会社の最初の部署にいた先輩の話です。その方の営業成績は常にトップでした。社内外の人から慕われ、いつも同僚に身のまわりに起きた面白いエピソードを語っては、みんなを楽しい気分にしていました。
先輩は、日々の出来事の中から、いつも面白い話を見つけては人に語っていたのです。いつも話していることは、いつでも造作なく思い出すことができます。
そのため、どんな商談の場であっても、当意即妙に面白い話を披露していました。それが営業成績に反映されていたのは間違いありません。現在では、異業種に転職して大成功されています。
ちょっとした日々の振り返りの実践によって、仕事も生活も一変します。自分自身の気分が変わり、周囲を巻き込んで楽しい気分にすることもできます。