あやかし姫を娶った中尉殿は、西洋料理でおもてなし
文明開化を迎えた帝都の軍人・小坂源二郎中尉は、見合いの席にいた。帝国では、人とあやかしの世をつなぐための婚姻が行われている。病で命を落とした甥の代わりに駆り出された源二郎の見合い相手は、西洋料理食べたさに姉と役割を代わった、あやかし狐の末姫。あやかし姫は西洋料理を望むも、生真面目な源二郎は見たことも食べたこともない。なんとか望みを叶えようと帝都を奔走する源二郎だったが、不思議な事件に巻き込まれるようになり――?
あやかし猫の花嫁様
田舎の一軒家で一人暮らしをする大学生の茜。それなりに平穏な毎日を送っていたはずが……二十歳の誕生日、突然、全てのあやかし猫を統べる化け猫・常盤の妻になってしまう。しかも、一緒に暮らさないと命を狙われるというオプション付き!? どんなに甲斐性抜群のイケメンでも、そんな結婚絶対無理――と、早々に離婚を申し出た茜だけれど、何故かこの結婚、ちょっとやそっとじゃ解消できない呪いがかかっていて……。自由すぎる極甘夫と円満離婚を目指す、新妻奮闘記!
おいしいふたり暮らし
今日もかたよりご飯をいただきます
「あたしがちゃんとごはんを食べるよう『監視』して」。同棲している恋人の垣内頼子に頼まれ、会社員の真殿修は昼休みに、スマホで繋いだ家用モニターを起動する。恋人を監視するなんて、最初は束縛しているようで嫌だと抵抗していた修だが、夕食時の話題が広がったり、意外な価値観の違いに気付いたりと、改めて相手を信頼するきっかけにつながり、二人の仲は深まっていく。元料理人である修が日々の夕飯作りを担当していることもあり、頼子の食生活は徐々に改善され始めたが――
護堂先生と神様のごはん
亡き叔父の家に引っ越すことになった、新米中学教師の護堂夏也(ごどうなつや)。古民家で寂しい一人暮らしの始まり……と思いきや、その家には食いしん坊の神様が住み憑いていた。というわけで、夏也はその神様となしくずし的に不思議な共同生活を始める。神様は人間の食べ物が非常に好きで、家にいるときはいつも夏也と一緒に食事をする。そんな、一人よりも二人で食べる料理は、楽しくて美味しくて――。新米先生とはらぺこ神様のほっこりグルメ物語!
迦国あやかし後宮譚
妾腹の生まれのため義母から疎まれ、厳しい生活を強いられている莉珠。なんとかこの状況から抜け出したいと考えた彼女は、後宮の宮女になろうと決意をし、家を出る。だが宮女試験の場で、謎の美丈夫から「見つけた」と詰め寄られたかと思ったら、そのまま宮女を飛び越して、皇帝の妃に選ばれてしまった! わけもわからぬままに煌びやかな後宮で暮らすことになった莉珠。しかも後宮には妖たちが驚くほどたくさんいて……!?
嘘つきたちの晩酌
大学卒業を控え、就職や進学などそれぞれの道へと進む、優香、千恵美、征太、彰士。二年間シェアハウスで同居していた彼らは、四人で過ごす最後の夜に、思い出作りとして「秘密暴露会」を開くことにした。酒と肴を手に、誰にも言ったことのない秘密を明かすことで親交を深める――そんな会になるはずが、一人、また一人と暴露するにつれ、四人の複雑に絡み合った事情が浮き彫りになり……? 報われない思い、許されない願い、終わらない贖罪――それぞれの秘密を胸に、嘘つきたちの夜は静かに過ぎていく。
尾道 神様の隠れ家レストラン
~失くした思い出、料理で見つけます~
大学入学を控え、亡き祖母の暮らしていた尾道へ引っ越してきた野一色彩梅。ひょんなことから彼女は、とある神社の奥にあるレストランを訪れる。店主の神威はなんと神様の力を持ち、人やあやかしの探す思い出にまつわる料理を再現できるという。彼は彩梅が抱える『不幸体質』の正体を見抜き、ある料理を出す。それは、彩梅自身も忘れてしまっていた、祖母との思い出のメニューだった――。不思議な縁が織りなす、美味しい『探しもの』の物語。
晴明さんちの不憫な大家3
やたらとろくな目にあわない『不憫属性』の青年、吉祥真備。彼はドSな神“太常”によって無理やり、幽世にある“神”や“あやかし”の住む屋敷の管理人にさせられてしまった。真備自身は、特殊な力など何も持たない凡人である。しかしそれでも、幽世の屋敷の主ということで、あやかしたちから悩み事を相談されるようになった。助けを求められては無下にできない。真備は戸惑いながらも、悩み解決のために奔走する――
あの日、陽だまりの縁側で、母は笑ってさよならと言った
自由奔放で身勝手な母に嫌気が差し、田舎を飛び出してひとりで暮らしてきた綾乃。そんな綾乃の家に、ある日突然、母の珠貴が押しかけてきた。不本意ながら始まった数年ぶりの母娘生活は、綾乃の同僚若菜くんや、隣の家の不登校少女すずちゃんを巻き込んで、綾乃の望まない形で賑やかになっていく。相変わらず自分中心の母に、綾乃の苛立ちは募るばかり。けれどある時、母の抱える重大な秘密を知り、綾乃は言葉を失う――不器用な母と娘が織りなす、心震える再生の物語。
東京税関調査部、西洋あやかし担当はこちらです。
視えない子犬との暮らし方
ギリシャへ旅行に行ってからというもの、不運続きのアラサー女子・蛍。職も恋人も失い辛~い日々を送っていた彼女のもとに、ある日、税関職員を名乗る青年が現れる。彼曰く、蛍がツイていないのは旅行先であやかしが憑いたせいなのだとか……。まさかと思う蛍だったけれど、以来、彼女も自分に憑くケルベロスの子犬や、その他のあやかしが視えるように! それをきっかけに、蛍は税関のとある部署に再就職が決まる。それはなんと、海外からやってくるあやかし対応専門部署で!?
居酒屋ぼったくり おかわり!
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の番外編文庫化!
きよのお江戸料理日記
逢坂の油問屋の子として生まれた「きよ」は、とある事情から屋敷の奥でひっそりと暮らしていた。そんなある日、弟の清五郎が問題を起こし、逢坂にいられなくなってしまう。両親は清五郎を江戸にやることにしたが、きよも弟の世話係として共に行くことに。ふたりが向かう先は、父の知人が営む料理屋『千川』。そこで清五郎は配膳係として、きよは下働きとして働くことになったのだが、ひょんなことからきよが作った料理が店で出されることになり……。「居酒屋ぼったくり」著者の新境地、ここに開幕!
深川 花街たつみ屋のお料理番
深川の花街、大黒で行き倒れていた醜女。妓楼たつみ屋に住む絵師の歌に拾われた彼女は、「猿」と名付けられ、見世の料理番になる。 元々厨房を任されていた男に、髪結、化粧師、門番、遣手婆……この大黒にかかわる人々は皆、何かしらの事情を抱えている。もちろん、歌も。 そんな花街も、猿がやってきたことをきっかけに、少しずつ、しかし確かに変化していく――
神様の学校 弐
八百万ご指南いたします
ひょんなことから、神様のお手伝い役を祖父より受け継いだ高校生の翔平。手伝いの一環として、火を怖がる火の神の面倒を見たり、我儘な神に常識について教えたりしていた彼のもとに、今日も様々な厄介ごとが舞い込んでくる。かなりインドアな学問の神の暇つぶしに付き合うことになったかと思えば、神事の手助けをするため神域に出張したり……。その上、お手伝い役のことは秘密にせねばならない兄に、とある女神が急接近して――!?
妹尾写真館
帰らぬ人との最後の一枚、お撮りします
写真館を経営する祖父が亡くなり、地元へ戻ってきた妹尾つむぎ。彼女は、祖父に代わり店を切り盛りしている青年・天海咲耶から、とある秘密を知らされる。それは、この写真館では、わずか10分だけだが、もうこの世にはいない大切な人と会え、そして一緒に記念撮影ができるということ。そんな夢みたいな話が事実だと知ったつむぎは、天海とともに、訪れる人々のこの奇跡の再会を手伝うようになる――
居酒屋ぼったくり11
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、感動の文庫最終巻!
八月の魔女
八月一日結、十七歳。祖母から孫に引き継がれるという魔女の血を引く彼女は、高校卒業後の進路に悩んでいた。十八歳までに、祖母の跡を継ぎ魔女になるかどうかを決めなければならない。けれど、町から遠く離れた山間の村で、祖母のように暮らしていく覚悟ができないでいる。そうして答えの出ないまま、今年も、祖母の元で魔女修業をする季節がやってきた。ただ、訪れた祖母の家には、初めて見る居候の青年がいて――?
金沢あまやどり茶房
雨降る街で、会いたい人と不思議なひと時
石川県金沢市。雨がよく降るこの街で、ある噂が流れていた。雨の日にだけ現れる不思議な茶房があり、そこで雨宿りをすれば、会いたい人に会えるという。噂を耳にした男子高校生・陽元晴哉は、半信半疑で雨の茶屋街を歩き、その店――『あまやどり茶房』にたどり着く。店を営むのは、年齢不詳の美しい青年・アマヤと、幼い双子。晴哉が彼らに「離れ離れになった幼馴染み」に会わせて欲しいと頼むと、なんと、居所も知らないその少女が本当に現れて――。
今日から、契約家族はじめます
最愛の母を亡くし、天涯孤独の身となった高校生のひなこ。悲しみに暮れる中、出会ったのは、端整な顔立ちをした男性。生前、母は彼の家で通いのハウスキーパーをしていたというのだが、なんと彼は、ひなこに契約結婚を持ちかけてきて――訳アリ夫+連れ子四人と一緒に、今日から、契約家族はじめます! ひとつ屋根の下で綴られる、ハートフル・ストーリー!
君の小説が読みたい
君は一週間後に死ぬ――ある日、突然現れた茉莉花と名乗る女性は、僕にそう告げた。彼女は、僕の「死」をトリガーに、何百回とタイムリープを繰り返しているらしい。そこから逃れるには僕を救うしかない、と。その日を境に、犯人を捜すと言ってきかない彼女に振り回される騒がしい毎日が始まった。二人の容疑者。迫る、死の刻。そして、迎えた6日後――物語のラストには、僕の死と彼女の正体に関わる思いがけない秘密が待っていた――
居酒屋ぼったくり10
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の第10巻!
柊木さんちの絆ごはん
『受け継ぐものに贈ります』。柊木すみかが、そう書かれたレシピ帖を見つけたのは、大学入学を機に、亡き祖父母の家で一人暮らしを始めてすぐの頃。料理初心者の彼女だけれど、祖母が遺したレシピをもとにごはんを作るうちに、周囲には次第に、たくさんの人と笑顔が集まるようになって――。「ちらし寿司と団欒」、「笑顔になれるロール白菜」、「パイナップルきんとんの甘い罠」など、季節に寄り添う食事と日々の暮らしを綴った連作短編集。
みちのく銀山温泉 あやかしお宿の夏夜の思い出
銀山温泉の宿「花湯屋」で働く若女将の花野優香。「あやかし使い」の末裔として、あやかしのお客様が抱える悩みを解決すべく、奔走する毎日を過ごしている。ある日、彼女は地元の花火大会に行こうと、従業員兼神の使いである圭史郎を誘う。けれど彼は気乗りしないようで、おまけに少し様子がおかしい。そんな中、優香は偶然半世紀前のアルバムに、今と変わらぬ姿の圭史郎を見つける。どうやら彼には秘密があるようで――!? 心温まるお宿ファンタジー、待望のシリーズ第2弾!
晴明さんちの不憫な大家2
やたらとろくな目にあわない『不憫属性』の青年、吉祥真備(きちじょうまきび)。彼はドSな神“太常(たいじょう)”によって無理やり、幽世にある“神”や“あやかし”の住む屋敷の管理人にさせられてしまった。だが真備には、特殊能力や専門知識などない。どう管理人としてやっていけばいいのか戸惑いながらも、必死に自らの役目をこなしていく日々。そうした中で、真備の気持ちに変化が訪れる。「彼らのことをもっと知りたい」。そんな思いが強くなっていき――
鎌倉であやかしの使い走りやってます
父親の経営する人力車の会社でバイトをしている、大学生の真。二十歳の誕生日を境に、妖怪が見えるようになってしまった彼は「おつかいモノ」として、あやかしたちに様々な頼まれごとをされるようになる。曖昧で厄介な案件ばかりを押し付けてくる彼らに、真は振り回されっぱなし。何かと彼を心配し構ってくる先輩の風吹も、実は大天狗! 結局、今日も真はあやかしたちのために人力車を走らせる――
九つ憑き
あやかし狐に憑かれているんですけど
何かとツイていない大学生の加納九重は、アルバイトを探していたある日、ひょんなことから土屋霊能事務所を訪れる。そこで所長の土屋は、九重が不運なのは九尾の狐に憑かれているせいであり、憑かれた前世の記憶を思い出し、金さえ払えば自分が祓ってやると申し出た。九重は不審に思い断ろうとするものの、結局は事務所でアルバイトをすることに。次第に前世の記憶を取り戻す九重だったが、そこには九尾の狐との因縁が隠されていた――
あやかし蔵の管理人3
両親が海外で暮らす間、結月清人という作家の屋敷に居候することになった高校生の小日向蒼真。その屋敷にはあやかしの世界に繋がる蔵があり、妖怪が多数出入りしていた。妖怪との共同生活は、半年が経っても変わらず賑やか。河童の相撲大会、神様との月見……様々な行事に参加するうちに、新たな年を迎える。初詣から暫く後、蒼真は烏小天狗の修業に付き添って結月邸の裏山へ。しかし、そこで妖怪を暴走させる瘴気が発生。仲間の一人が理性を失い、蒼真を襲う――!
扉の向こうはあやかし飯屋
フリーペーパーのグルメ記事を担当している若菜。恋人にフラれた彼女は、夜道で泣いているところを見知らぬ男性に見られ、彼が営む料理店へと誘われる。細い路地を進んだ先にあったのは、なんとあやかしたちが通う不思議な飯屋だった! 最初は驚く若菜だったけれど、店主の古橋が作る料理はどれも絶品。常連のあやかしたちと食事を共にしたり、もふもふのスネコスリたちと触れ合ったりしているうちに、疲れた心が少しずつ癒されていき――?
神様の学校
八百万ご指南いたします
ある日、祖父母に連れていかれた神社で不思議な子供を目撃した高校生の翔平。その後、彼は祖父から自分の家は一代ごとに神様にお仕えする家系で、目撃した子供は神の一柱だと聞かされる。しかも、次の代である翔平に今日をもって代替わりするつもりなのだとか……。驚いて拒否する翔平だけれど、祖父も神様も聞いちゃくれず、まずは火の神である迦具土の教育係を無理やり任されることに。ところがこの迦具土、色々と問題だらけで――!?
谷中・幽霊料理人
お江戸の料理、作ります!
大学進学を機に、谷中でひとり暮らしをすることになった咲。ところが、叔父に紹介されたアパートには江戸時代の料理人の幽霊・惣佑が憑いていた!? 驚きはしたものの、彼の身の上に同情した咲は、幽霊と同居することに。一緒に(?)谷中に住む人たちとの交流を楽しむふたりだが、やがて彼らが抱える悩みを知るようになる。咲は惣佑に習った料理を通してその悩み事を解決していき――
猫神主人と犬神大戦争
猫神様や化け猫がキャストとして活躍する『ねこのふカフェ』は本日も絶賛営業中! そんなある日、カフェの表向きの経営者である鹿嶋家で、ボロボロの黒犬が保護される。犬が大嫌いな化け猫一同は猛反対するものの、結局、高級な餌などの交換条件に目が眩み、犬との同居を容認することに……。しかし、事件はそれだけには収まらない。犬神にカフェを襲撃されたり、得意先のパティシエ が行方不明になったりと、トラブルが立て込んで――!?
晴明さんちの不憫な大家
やたらとろくな目にあわない『不憫属性』の青年、吉祥真備(きちじょうまきび)。彼は亡き祖父から『一坪』の土地を引き継いだ。実は、この土地は幽世(かくりよ)へとつながる扉。その先には、かの天才陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)が遺した広大な寝殿造の屋敷と、数多くの〝神”と〝あやかし”が住んでいた。なりゆきのまま、真備はその屋敷の“大家”にもさせられてしまう。逃げようにもドSな神・太常(たいじょう)に逃げ道を塞がれてしまった彼は、渋々あやかしたちと関わっていくことになる――
みちのく銀山温泉 あやかしお宿の若女将になりました
祖父の実家である、銀山温泉の宿「花湯屋」で働くことになった、花野優香。大正ロマン溢れるその宿で待ち構えていたのは、なんと手のひらサイズの小鬼たち。驚く優香に衝撃の事実を告げたのは従業員兼、神の使いでもある圭史郎。彼いわく、ここは代々当主が、 あやかしをもてなしてきた宿らしい!? さらには「あやかし使い」末裔の若女将となることを頼まれて――訳ありのあやかしたちのために新米若女将が大奮闘! 心温まるお宿ファンタジー。
東海道品川宿あやめ屋
時は文久二年。旅籠「つばくろ屋」の跡取りとして生まれた高弥は、生家を出て力試しをしたいと考えていた。母である佐久の後押しもあり、伝手を頼りに東海道品川宿の旅籠で修業を積むことになったのだが、道中、請状を失くし、道にも迷ってしまう。そしてどうにか辿り着いた修業先の「あやめ屋」は、薄汚れた活気のない宿で――美味しい料理と真心尽くしのもてなしが、人の心を変えていく。さびれたお宿の立て直し奮闘記。