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退屈とは贅沢品だ──。
ロマンスファンタジー小説の名もなき端役、シルヴェスター・バーナードは前世の記憶を持ちながらも平凡な人生を送っていた。
『吸血公爵と春の花姫』と題されたこの世界の中で、自らに与えられた役割は実に簡単なものだった。
ヒーローのテオドアとヒロインのロゼッタが立つ舞台に関わらないこと。
そうすればあとは、身を焦がす一世一代の大ロマンスなどとは無縁の人生を穏やかに暮らしていける──そう思っていた。
「そのクソ不味い血でも多少は役に立つだろう」
有象無象らしく、退屈な人生のレールの上を走っているつもりだった。なのになぜ、いつの間に、俺は舞台に上がってしまったのだろうか。
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美形年下傲岸不遜攻め×平凡年上常識人受けです。年齢制限が入る話はタイトルに記載します。
文字数 25,939
最終更新日 2024.02.22
登録日 2024.02.11
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