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己が過ちによって閉じられた、蓋。蓋によって閉じ込められた、恐怖。開けてはならぬ。開けてはならぬ。幾度念じても、この手は勝手に蓋へとのびていく。まるで、自分とは別の生き物のように。まるで、操られているように。蓋に封じられたものの恨みに誘われるように。
「わたしは、恐怖を欲している」抗いきれぬ衝動は声ならぬ声となって、今夜も甘く囁きかけてくる。
登録日 2015.08.15
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