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フィールというエネルギーが満ちた世界、5年以前の記憶がない青年は、いつも不安に駆られている。このもやもやした感情の正体は?
獣人の少女、リュカと共に禁忌とされる感情を利用した魔法で失われた記憶を追い求める。そのうちに判明する真実に青年が守るものとは。
文字数 3,077
最終更新日 2023.07.28
登録日 2023.07.28
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僕は怖いのだ、聞いたこと感じたことがどこか他人事のようなものにしか思えないことは逃げなのだろう。少し行動した結果が変わるきっかけ、目標に近づくことはできたかもしれないのに、最初の一歩はとてつもなく重いものだった。
僕の人生は平凡だった、家族思いの両親に仲の良い兄弟がいた。平凡どころか裕福な家庭だったのだろう。しかし、僕はそんな家庭において感じたものは僕という存在の何もなさだ。家族という味方は常にいた。しかし居心地の悪さを感じるのは自分が嫌いでどうしよもなかったからだ。
僕はゆがんだ希望を持っていた。どうしようもなく自分が嫌いなのに、何かを成し遂げられるのではないかとありもしない希望にすがって未来の自分に期待ばかりする僕は変化を起こすことはなかった。
そんな中途半端な自分が、何もない自分を外に出すのが怖くなるのは普通ではないだろうか。
そんな僕の物語
文字数 2,005
最終更新日 2023.07.26
登録日 2023.07.26
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