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恋愛 連載中 短編
ふと、考える。 世の中の一体どれだけの人間が、他人との繋がりを強く感じているだろうか、と。 挨拶を交わす、食事をとる、テレビを見る。 同じ空間にいるだけでもいい。 当たり前に流れる時間、毎日のように行う習慣を、誰かと共有している人が一体どれだけいるのだろうか。 母親、父親、姉、兄、妹、弟、家族と呼ばれるもの。 親友、友人、知人、仲間と呼ばれるもの。 夫、妻、愛人、恋人と呼ばれるもの。 相手の空間に自分がいて、自分の空間に相手がいる、という奇跡。 そんな世の中に溢れている奇跡が、自分には訪れてない。 ふと足を止めて冷静になると、それがわかる。 家族はいる、友人はいる、恋人はいる。 「いる」、ただそれだけで、それ以上でもそれ以下でもない。 繋がっているように見えて、私は誰とも繋がっていない。 そう考えるのは、自己中心的かつ逃避的と非難されるだろう。 しかし、それは紛れもなく事実であり、変えることのできないものだと思っていた。 あの日、彼女の目の奥に宿る炎を見るまでは。
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文字数 3,015 最終更新日 2019.10.07 登録日 2019.10.07
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