8
件
♪ソコへ行くには、ココから出ようと思うほんの少しの勇気と、信じる気持ちがあればいい♪
真珠(ましろ)は繰り返す入院生活の中で気が狂いそうになっていた。
「空色カーテン」だけが鮮やかな色を映す病室の中で日々妄想にふけっていると、ある日その向こうからフランスかぶれのカエル紳士ルイ・マッシュ・ギャレットⅡ世が現れる。
シルクハットに燕尾服を着込んで貴族ぶった独特の喋り方をする彼の好物はジェリービーンズ。マイペースな彼になかば連れ去られるようにエルセトラの空泳ぐ旅が始まる。
■目次
◇プロローグ
空泳ぐ白クジラ
◇一章
空色カーテン
ルイ・マッシュ・ギャレットII世現る
移動式リゾートに乗って
ポッポ―! 飛び出し注意
マザーのリンゴに舌鼓
◇二章
パット先生の地図
三角岬とお化けの森
灯台守りの伝説
煌きアゲハと秘伝の粉
お食事をご用意
◇三章
白クジラの群れを追って
運び屋スパイキー
辺境の偏狭? ポツンと一軒
カッコウ時計に再会
女王の森
真珠は諦めろ
キスとドーナツ
ご無事で何より♪
◇四章(1)
スノーディアを目指して
水の町 ブルネラ
旅の終わり?
実況中継に失敗!
マザー不在の森
ポカの実禁止! 今は……
◇四章(2)
追いかけっこ
クッキーの宝石箱
大切な客人への視線
羽を洗えばよろしいか♪
アマルのメモ書き
◇四章(3)
ノランの提案
涙は甘いメープルシナモン
フランクゼリー
◇四章(4)
パール
チクタク不在宅
大きな白クジラと小さな白クジラ
ニレの木の下で
◇四章(5)
町の英雄
やめて! やめて! やめて!
鏡像 表の恐怖
恐怖の共鳴
真珠の半身
ボクノ、ゼリー
勇気ある人よ
◇四章(6)
賛同と敵意
オレンジの熱
ならば! 最後まで私についてこい!
◇四章(7)
終わりと始まり
マッシュの背中
サヨナラ
◇エピローグ
文字数 110,102
最終更新日 2024.09.24
登録日 2024.08.31
《第17回ファンタジー小説大賞応募作》
忘却の都ノア――カノンの民が二度と帰り着かなかったという伝説の都。
ノアはその伝説から名をとった縮れた黒髪の少女だ。ノアがタテガミと森で過ごしていると、背中に大きなネジのついたロボットが空からふってきた。五〇〇前に地質調査のため歩いていた彼は、やがて停止し長い年月とともに空へと絡め取られていた。
ノアの家系は代々冒険家だ。父も長老である祖父も、ノアの都を探し求め世界中歩いた。ロボットは忘却の都ノアを知っていて、カノンの民の祖先が生きていると言う。しかもたった十二日ほど歩いた距離に……。
彼をネジ式と命名しついていくことにしたふたりは、カニバルに幕屋を襲われ森の端で意識なく倒れていたモヒに出会う……。
《目次》
序 プロローグ
第一章 空からふってきたロボット
第二章 忘却の都〝ノア〟
第三章 カニバルの爪あと
第四章 初めての〝狩り〟
第五章 復讐の螺旋
第六章 同族喰い
第七章 ゆらゆらと、そしてまたゆらゆらと
第八章 エスペランサ博士の遺志
第九章 オメガの子守唄
エピローグ 青空へと続く螺旋
◇登場人物
ノア
タテガミ
ネジ式
モヒ
長老
アブニール
フトゥーロ
カニバル
マザーアマル
エスペランサ博士
オメガ
文字数 64,784
最終更新日 2024.09.19
登録日 2024.07.03
《第17回ファンタジー小説大賞応募作》
ケイト・クーパーは左頬に火傷痕のある十二歳の少女だ。母のジェシカ、飼い犬のチク・タクと共にフィラデルフィアのアパートで暮らしている。ある日見かけた車の衝突事故で、お気に入りのストロベリークリームサンドビスケットのキャラクター、フラミンゴの絵を描いているイラストレーターが死ぬところに遭遇する。
数日後、事故現場でみかけた黒いレインコートの男、ジムに会うが、『坊主の公園』や『イラストレーターの男について』知りたいと繰り返す彼に気味が悪くなり立ち去る。
病院からの電話で、隣に住むマギーと出かけていた母の重体を知らされたケイトがディランシー総合病院へ向かうと……。
文字数 115,599
最終更新日 2024.09.11
登録日 2024.07.03
平和な僕らの町で、ある日、イエローバスが衝突するという事故が起こった。ライオン公園で撮った覚えのない五人の写真を見つけた千斗たちは、意味ありげに逃げる白猫を追いかけて商店街まで行くと、不思議な空間に迷いこんでしまう。
■目次
第一章 動かない猫
第二章 ライオン公園のタイムカプセル
第三章 魚海町シーサイド商店街
第四章 黒野時計堂
第五章 短針マシュマロと消えた写真
第六章 スカーフェイスを追って
第七章 天川の行方不明事件
第八章 作戦開始!サイレンを挟み撃て!
第九章 『5…4…3…2…1…‼』
第十章 不法の器の代償
第十一章 ミチルのフラッシュ
第十二章 五人の写真
文字数 82,187
最終更新日 2024.05.26
登録日 2024.04.29
――その観覧車が彩りゆたかにライトアップされるころ、あたしの心は眠ったまま。迷って迷って……、そしてあたしは茜色の空をみつけた。
六年生になる茜(あかね)は、五歳で母を亡くし吃音となった。思い出の早口言葉を歌い今日もひとり図書室へ向かう。特別な目で見られ、友達なんていない――吃音を母への愛の証と捉える茜は治療にも前向きになれないでいた。
ある日『ハローワールド』という件名のメールがパソコンに届く。差出人は朱里(あかり)。件名は謎のままだが二人はすぐに仲良くなった。話すことへの抵抗、思いを伝える怖さ――友だちとの付き合い方に悩みながらも、「もし、あたしが朱里だったら……」と少しずつ自分を見つめなおし、悩みながらも朱里に対する信頼を深めていく。
『ハローワールド』の謎、朱里にたずねるハローワールドはいつだって同じ。『そこはここよりもずっと離れた場所で、ものすごく近くにある場所。行きたくても行けない場所で、いつの間にかたどり着いてる場所』
そんななか、茜は父の部屋で一冊の絵本を見つける……。
誰の心にも燈る光と影――今日も頑張っているあなたへ贈る、心温まるやさしいストーリー。
―――――《目次》――――――
◆第一部
一章 バイバイ、お母さん。ハロー、ハンデ。
二章 ハローワールドの住人
三章 吃音という証明
◆第二部
四章 最高の友だち
五章 うるさい! うるさい! うるさい!
六章 レインボー薬局
◆第三部
七章 はーい! せんせー。
八章 イフ・アカリ
九章 ハウマッチ 木、木、木……。
◆第四部
十章 未来永劫チクワ
十一章 あたしがやりました。
十二章 お父さんの恋人
◆第五部
十三章 アカネ・ゴー・ラウンド
十四章 # to the world...
◆エピローグ
epilogue...
♭
◆献辞
《第7回ライト文芸大賞奨励賞》
文字数 90,181
最終更新日 2024.05.23
登録日 2024.04.01
高校卒業と同時に山梨から東京へ出てきた朔良と未依は共に暮らしていたが、堅実に働く未依に比べ、朔良は日銭を稼ぐように暮らしていた。将来の目標も定まらないままの暮らしに、未依は不満を覚えている。
ある日、朔良は雑貨屋LoOpで未依への誕生日プレゼントにメビウスのデザインをした指輪を購入した。高額な品に未依は困惑したが、大切にしようとサイズ直しに店を訪れる。センスの良さに惹かれた未依が店をやりたいという朔良の夢を相談すると、オーナー波柴は起業セミナーへの参加を勧めた。
◇目次
プロローグ
一章 サトザクラ
二章 エドヒガン
三章 オオシマザクラ
四章 ソメイヨシノ
《第7回ライト文芸大賞奨励賞》
文字数 37,838
最終更新日 2024.04.01
登録日 2024.04.01
8
件