栗原菱秀

眠れない夜の秘密の寝物語としてお読みくださいませ。 かえって眠れないかもしれませんが……。

1931年9月18日、ミュンヘンのアパートで若い女が死んだ。遺体の状況から自殺であることは明らかだった。しかし、彼女の素性によって、世間では不穏な噂が駆け巡っていた。 女の名は、アンゲリカ・ラウバル。近年台頭していたナチ党党首アドルフ・ヒトラーの姪だった。 ヒトラーとアンゲリカの関係は一部で様々な憶測を呼んでいたが、ヒトラーの側近の目には真実はどのように映っていたのだろうか。 ＊作品ではヒトラー及びナチス・ドイツを扱っていますが、彼らを擁護したり賞賛する意図はまったくありません。てか、どこをどう見たって無理でござんすよ。

藍原葉月は成績優秀で品行方正な生徒会長として、教師からも同級生からも信頼される女子高校生だった。だが、彼女の中には自分でも意識していないもう一人の自分がいて、とある出来事、そしてある男から罹ってきた電話によって、もう一人の自分の欲望が目覚めてしまう。

化学教師の中川は、知識は豊富で教師としては有能だったが、同僚とも交流せず、生徒からも変人と思われていた。そんな自分は学校という世界にそぐわないと、教師生活から足を洗おうと考えていた最中、生徒の飯野紬から告白される。紬は自分のことを嫌っていると思っていた郁は驚くが、自分の中の気持ちに気付き、二人は結ばれる。 それから郁と紬は、郁の「聖域」で密会をする日々で……。 『Boys Don't Cry』のスピンオフ作品です。

高校教師の鈴木凪南は生徒からも慕われ、充実した日々を送っていた。だが、彼女には絶対人に知られてはいけない秘密があった。それは、とある男子生徒への恋心。教師として一線を越えてはいけないと自分に言い聞かせ、彼を意識しないようにしていた凪南だったが、ある日の放課後、その生徒、北野伊織から告げられた悩みが、彼女の欲望を目覚めさせてしまう……。

サマセット侯爵であり政治家でもあるエドワードを叔父に持つジェレミー・タウンゼントは、公私を通して叔父夫婦を支える忠実な右腕だった。しかし、彼の心の中にはある思いが秘められていた。 決して知られてはいけない恋心、また絶対に実ることはないと思っていたはずのその気持ちだったが……。