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幼なじみだった彼女と結婚して初めて二人で過ごした夜のこと。それは僕達の記念日となった。
一緒に暮らし始めた頃の、ちょっとしたすれ違いの日常。大学講師になったばかりの僕と、大学生になったばかりの彼女は、ピアノの師弟関係だった。喧嘩もしたことがない。この週末の出来事は、それは自然に起こったものなのか、どちらかが仕組んだものなのか。それぞれの出方にいちいち迷っていた新婚時代のちょっとした想い出。
文字数 20,000
最終更新日 2024.02.02
登録日 2022.01.21
ヴァイオリニストの母親と一緒に小さな頃からお稽古に励んできたマヤは、決められた結婚、決められた人生なんていやだと思っていた。
「ヴァイオリンの技術を高めることで人格を高める」方針の母親に、意味はわからなくともしぶしぶついていく。お友達との友情を育み、運命の人との出会いに発展する。思いもかけないところでヴァイオリンが役に立った。彼は、マヤのヴィブラートが美しいと言ってくれた。
努力が実を結ぶことの素晴らしさ、美しい音楽と、それを共有できる相手にめぐり会える幸せ。
文字数 90,318
最終更新日 2023.05.26
登録日 2022.01.21
恋なんてしたこともなかった。
本当は、親友のお相手のことが初めて会った時から素敵だと思っていた。でも、親友を優しく見つめる彼を応援するのは当然のこと。
彼は私にある人を紹介してくれた。その人は、開かない扉ばかりだった私の人生を変えてくれた。
文字数 96,500
最終更新日 2023.05.13
登録日 2022.04.23
ある夢の実現のためにコンクールでグランプリを獲得した、音楽大学ピアノ演奏科に在学中の僕と彼女の物語。
これは、君に伝えたくて残している。
僕の幼なじみで、生徒だった彼女の本心は長い間知らなかった。聞きたくても聞けない、伝えたくても伝えられなかった頃の想い出。友人にも内緒にしていたけれど、僕は、彼女が産まれた時から、ずっと彼女のことが好きだった。彼女に初めて歌った曲、聴かせた曲……。そして、成長した彼女はコンクールに出場し、望外の結果となる。
やがて僕達は、先生と生徒ではなく恋人としての関係を構築していく。彼女はおとなしくても人形ではない。家族や友人との関わりを通して、人間として音楽家として成長していく。芸術を追究する幸せと苦悩。今まで以上に、彼女と音楽に向き合っていく日々。
夢を叶えた僕は、彼女の夢を叶えることにした。彼女の夢は、僕の想像していないことだった。
文字数 398,915
最終更新日 2023.04.30
登録日 2022.01.14
accompanist
ヴァイオリンを弾く少年が、誰にも言えない初恋に悩み、音楽と共に成長していく。
両親のサポートと愛情を伴奏に例え、ピアノとヴァイオリン、アンサンブル、コンチェルトの響きと共に人生が展開する。
親は親らしく、子供は子供らしく。
親から子へと音楽を継いでいく物語。
conductor
ピアニストで音楽大学の講師をしている僕と、同じくピアニストの妻との間に産まれた息子は、ヴァイオリンが好きだった。
多くの男の子がそうであるように、息子は妻のことが好きで、殊更妻のピアノが好きだった。成長し、ヴァイオリニストを目指すかどうか、僕達は見守る側となった。早熟な息子に適した指導者をつけ、必要な技術は身につけさせた。
人間と関わり、様々な出来事の中で感じたことを生かし、人生の指揮者になり、自由に人生を描いてほしい。
doctor
愛着障害と絶望感がありながら、音楽に救われ、他人との関わりから自分を信じ、自分を治していくことができるようになる莉華の物語。
幼稚園から私立宝院学園。医師の父親と、自分に無関心な母親。少し歳の離れた姉と年子の弟がいて、姉はピアノ、莉華はヴァイオリンを習わされる。
ヴァイオリンの先生が主宰する団体の練習に初めて出かけた莉華は、そこで王子様に出会うが、それきりになる。
宝院学園中等部で人気の弦楽合奏部に入るも、人数は多いのに初心者ばかり。弾けもしない母親に厳しく稽古された莉華は出来すぎて目立ってしまう。
高等部のオーケストラ部では新たな出会いがあった。自分を大切にしてくれる人が現れたが、王子様の存在と、音楽の美しさは忘れられることができなかった。
莉華は心のどこかで王子様を支えるためにと医学部を目指すが、王子様は莉華を治してくれた。
文字数 130,818
最終更新日 2022.05.25
登録日 2022.02.08
オペラ歌手を目指してフランスに留学した松本徹と、松本の師匠の娘である、篠原ちえみの遠距離恋愛の三年間。
結婚の約束をしていても、側にいない相手と愛をあたため続ける難しさ、家族や友人のあたたかさに助けられながら相手を信じることへの希望につなげる物語。
『Partner』の第二部「捨てられたチワワがオペラ歌手を目指す物語」と対になる物語です。
文字数 32,236
最終更新日 2022.03.11
登録日 2022.03.05
毎日が楽しくてたまらないテノールバカと仲間たちの物語
テノール歌手として歩み始めた男と、伴奏をするピアニストの楽しい日々。
リサイタルに向けて音楽を創っていく過程、恋愛の曲を深めるために、音を追究したい。果たしてリサイタルは成功するが、つつがなくとはいかず、それもまた楽しい人生。
音楽を生業とする男達の、ある季節の楽しい物語。
捨てられたチワワがオペラ歌手を目指す物語
ピアニストを目指す高校3年生の僕は、悩んでいた。
ある日突然、バリトン歌手の師匠に出会い、声楽家を目指すことになった。ピアノも歌も同じ音楽だ。悩んでいた自分は、まるで捨てられたチワワだった。師匠の娘を好きになり、仲良くなり、プロポーズするまでの物語。
『Variation』と対になる物語です。
文字数 43,602
最終更新日 2022.03.05
登録日 2022.02.26
慎一は天才だった訳ではない。小さい頃から慎一がたゆまぬ努力をしてきたことを、健は知っている。彼の周りの素晴らしい人達のことも。学習者、指導者のほんの一部分ではあるが、妹を通じてその過程を見せてもらったことは、健にとって貴重な経験だった。「音」は単なる音ではなく、技術以上に伝わることも。想いのつまった音、感動をもらった音。
教えるということ、指導者の想い、教わる者のモチベーション、芸術の素晴らしさに触れ、健が教師を目指すきっかけになった物語。
全ての教育者に敬意をこめて。
自分を指導してくれた全ての師に感謝をこめて。
文字数 67,736
最終更新日 2022.02.05
登録日 2022.01.30
女子大四年の私は勉強がキライで、就職よりも卒業がやばかった。カフェで見つけた格好いい人に、勉強を教えてもらうことにした。何でも教えられるくらい頭がいいみたいで、私はすっごく好きになってしまった。でも、勉強しないといけないし、見とれちゃって勉強はちっともはかどらないし、そもそもわからないしって状態で、先生には相手にしてもらえないかも……でも、また教えてくれることになった。
短い夏休み、それから迎えた春は……。
文字数 10,024
最終更新日 2022.01.23
登録日 2022.01.22
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