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専門学校で技能を磨くか、それとも大学へ進学し学問を修めるか。 高校二年の春休みを悩みながら過ごす少年――筧亮(かけい りょう)は、未だに自分の進路を決められないでいた。 やりたいこともない、学びたいこともない……異世界に行けたら、こんなこと悩まなくて済むのに。 半ば本気で現実を諦め始めた彼の妄想は、しかし考えていたのとは違う形で実現することになる。 「私は全てが欲しい。この世の全てが。だから人間……貴様は私の僕になれ」 異世界「勇者」召喚ならぬ、異世界「眷属」召喚により世界を超えた亮は思った。 その台詞、もっと色香漂う大人の女性が言えば格好がついたのに、と。 「傲慢不遜」まさにこの言葉がぴったりな程態度の大きい、金髪幼女――の様な形をした魔王ニコラは、無い胸を張って亮を見下す。 その瞬間、亮の進路は決定してしまった……魔王の僕という形で。 時には泣き、時には吐く、また時には悶え苦しむ亮の、異世界攻略は如何に。 ――父上、母上 お元気ですか。 私は今、異世界を蹂躙すべく、魔王様にこき使われております。 ですが、ご心配なく。私は今日も元気です。
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文字数 4,256 最終更新日 2016.08.20 登録日 2016.08.17
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