理乃碧王

理乃碧王

バロンの称号を持つもの也。
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ライト文芸 連載中 長編
「願いなんて、叶わない」 明るいながらも心に鍵をかけた少女・星里奈。 大切な人を失った痛みの中で、彼女を支えていたのはプロ野球チーム『東京ヒーローズ』だった。 ある春の日、シーズン開幕戦。 観戦に訪れた球場で、彼女は神と名乗る奇妙な青年・神翔琉と出会う。 神は自らをこう名乗った。 「神様だよ」 と――。 冗談のようでいて、なぜか忘れられない重みを持ったその言葉。 それを境に、星里奈の目に映る野球はただのスポーツではなくなっていく。 選手の所作、響く打球音、マウンドに立つ者の沈黙。 そこには、形にならない想いと祈りが確かにあった。 グラウンドの片隅でマスコット『グービル』を演じていた元選手・伊能寿志。 その弟であり、孤独を背負う現役エース・伊能次郎。 交わることなくすれ違い続けてきた兄弟の想いが、一つの季節の終わりに向かって交差していく。 その姿を見つめながら、星里奈もまた問い直す。 祈りとは何か。 信じるとはどういうことか。 誰かのために、何かを信じ続ける強さを持てるのか。 そして、星里奈がずっと避け続けていたその場所――。 祈ることをやめてしまった神社で再び祈る。 イラスト:DELL-E3
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文字数 77,671 最終更新日 2025.04.21 登録日 2025.03.31
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