早矢仕鼎(ハヤシカナエ)。歳は十九。美術大学の二年生。暗くはないが明るくもない性格で、何時も寝不足。この物語の主人公の青年である。
現実に付き纏う違和感から脱却する為、親に無理を言って大学の近くに下宿。生まれ育った町、囲泉(カコイズミ)から距離を置いていた。
この夏、幼馴染の松沢啓司に誘われ帰省する事になり、久しぶりに他の幼馴染、東山茜と朝倉檀とも再開を果たす。
彼らと過ごすうちに、上野瑞樹という人物に辿り着き、それを通じて謎の影「ヨル」と遭遇する。
そこから、彼らの止まっていた時間が進み出した。