商人たちがにぎやかな江戸、田沼時代。
薬種問屋の春日屋に真面目で融通のきかない修三と、おおらかだが大雑把で仕事ができない喜助というふたりの手代がいた。ことあるごとに喜助の尻拭いをすることになる修三は辟易していたが、同時に喜助が人の目を集める愛嬌で人の輪を軽々と泳いでいる姿に不満を持っていた。
ある日、修三は喜助と次の小番頭の座を争うことになってしまうが、それは修三にとって自分の黒い感情を知るきっかけになってしまい……。
文字数 29,782
最終更新日 2022.05.31
登録日 2022.05.30