かつてより百分の一に減少した人類の住む都市の一つソーマ。
そこでは、エンケパロスという名前のシステムに運命を委ね、人は体を巡る血球や血漿のように無個性に生きることが美徳とされている。
そしてその例に漏れず、開校以来の秀才のヤウ、義手のユキコ、双子のソフィアとイワン、心だけは乙女のアブデルの五人の高校生が、エンケパロスに運命の決定され、卒業し、それぞれの道を歩もうとしていた。
彼らを待つ未来は希望はあるのだろうか?
選択の自由を失った人間が、歯車のように生きる未来の闇とは?
そして、この都市を操るエンケパロスとは、一体なんなのか?
個性の殺される街での青春の物語。