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 人族は脆弱である。  魔族のような魔力に優れていないし、獣人族のような強靭な肉体もない。  エルフのように精霊に愛されてもいないし、ドワーフのようなチートな魔道具もない。  ヴァンパイアのような不死でもないし、竜のような最強でもない。  ただただ脆弱だったが故に、技術を開発した。  剣術を、体術を、武術を編み出しては、ひたすらに磨き続けた。  弱いところを補おうと、必死に知恵を働かせた。  その果てに、氣という生命エネルギーを用いた新たなる技術を開発した。  それは脆弱な人族のみが扱うことの出来るという一筋の希望の光となる。  しかし未だそれは他種族には及ばず、搾取される日々が続く。  もし、仮に、やがては女神へと昇華する神の御子が、脆弱な人族の赤子として誕生し、生まれながらに数多の英傑たちの叡智を宿していたとしたら、この一番弱かった種族が一体どこまで上り詰めてしまうのだろうか?  コレはそのIFの答えとなる物語。  一人の死んだ直後の赤子が、偶然にも神の恩恵を得て蘇り、産まれ出でた初日から最強無双を成してしまうという、大体はそんな筋書きである。  叡智と魔力と氣という生命エネルギーがケミストリーして大爆発する、銀の薔薇が紡ぐ英雄譚のご開帳である。
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文字数 210,623 最終更新日 2024.07.28 登録日 2022.12.01
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