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 第一章 しいたげられている少女

 努力しても得られないものはある。

「――もう、お父様ったら」
「はは。こりゃ参った」

 姉と父が楽しそうに話している。

「ふふふ、もう二人ともよして……食事が進まないわ」

 母も二人の会話を聞いて笑っている。

「だって、お母様……あ……」

 姉の一声で、仲睦なかむつまじく食事をしていた両親とそばに控えていた使用人たちの視線が、部屋の横を通り抜けようとした私――エミリアに集まった。一瞬で場がしらけた空気になるのを感じる。

「何の用だ。私たちが食事をしている時は、部屋にこもっていろと命じたはずだ」

 父が、冷たい目を向けながら私に話しかけてくる。

「申し訳ございません」

 私は足早に立ち去ろうと、足を一歩前に踏み出した。

「待て」
「……はい」
「謝罪の一つもろくに出来ないのか」
「……申し訳ございませんでした」

 私は部屋に入ると土下座をした。

「お父様。私、こんなの見たくないわ。食事がまずくなっちゃう」
「そうよ。あなた、早くこれを追いやってちょうだい」

 姉と母の責めるような言葉を聞いて、父が答える。

畜生ちくしょうしつけは、その場でしないと意味がない。仕方ないだろう」
「そうね。そうしないと忘れちゃうんだっけ?」

 姉が、少し笑いながらそう言った。

「そうだ。その場で、何がいけないことなのか、自分がやったことがいかに悪いことなのか教えてやらなければいけない」
「動物の躾って大変ね。私、これから出来るかしら」
「アイラは優秀だからな。すぐに出来るさ」
「そうね」
「……」

 私に発言権はないので、じっと黙る。
 使用人たちが、面白い劇でも始まったとでも言うような表情で私を見ている。彼らは、人がなぶられている姿を見ることに快感を覚えるようなので、私の姿はごちそうなのかもしれない。
 しかし、今回は帰宅するタイミングが悪かった。
 どうしても課題が終わらず、普段ならば部屋にいなければならない時間を完全に忘れて、学校の図書室で作業をしていたのだ。
 私の部屋には、決められたものしか置いてはいけないというルールがある。使用人たちは、毎日私の部屋にやって来ては持ち物検査をしていき、何か見つけようものならば、すぐさま父に報告が行く。
 そのため、私の部屋に勉強道具はほとんどなく、課題を終わらせるためには学校の図書室に行く必要があった。
 そして、帰宅した私が自分の部屋に戻るには、ここを通り抜けなくてはならない。
 使用人がちょうど扉を開けた時に通ってしまうなんて私も運が悪い……と思ったが、ドアを開けた使用人の顔が意地悪くゆがんでいたところを見るに、わざと開けたらしい。
 使用人たちは、日ごろの不満を私にぶつけるように、私が仕置きされるように仕向けてくるのである。

「エミリア、後で部屋に来い」

 父にそう言われ、拒否権のない私はすぐに返事をする。

「かしこまりました」

 ◇ ◇ ◇

 数時間後。私は父に呼ばれ、いつもの部屋に入る。
 待ち構えていた父は、いつものようにむちを持っていた。
 部屋中にむちのしなる音がひびく。

「ぅ、ぐっ!」
「全く! お前は、本当に、我が一族の、面汚つらよごしだ!」
「も、申し訳ございません! お父様、もぅ、しわけ、ぃ!」

 打ちつけられた痛みで、意識が朦朧もうろうとしてくる。
 防衛本能なのか、頭の中が少しずつ白くなっていく。

「加護はない。魔法は使えない。学力も身体能力もない。お前は能無しのくずだ。一族のごみだ」
「……も、ぅしわけ、ご、ざぃませ、ん」
「そのみにくい顔をまた家族団らんの時に見せてみろ。今度は王子に適当な報告をして、婚約を取り消してもらう」
「は、ぃ」

 王子との婚約を破棄はきされた瞬間、私の身に何が起きるかなんて予想はつく。


 ぼやけた視界で、天井てんじょうらしきものを見つめながら、私は自分の境遇について考えていた。
 私の一族は、代々優秀な魔法士を輩出はいしゅつしている。先祖は神霊から加護を受けたらしく、その恩恵を今も受けているというわけである。ちなみに、神霊とは、それぞれの国に一柱いると言われている神で、私たちは神様と呼んでいる。
 そして、なぜか私にはその加護がないらしい。
 神様の加護がなければ魔法が使えない。
 魔法が使えない私は、その加護がないと判断されているのだ。
 加護がない人間は、周りに不幸をもたらすと言われている。そのため、私にはいくらひどい扱いをしても良いと家族や使用人は考えているようだ。
 今のところ、私のせいで誰かが不幸になったという話は聞いていない。まぁ、そんなことが起きていたら、私の命なんてとっくになくなっているだろうけど。
 私が住んでいるこの国――カラカネでは、魔法が使える人間が一般的で、使えない人間は家畜かちく以下の扱いをされる。
 魔法が使えて当たり前。使えない人間は、神様から見放された罪人であるという認識が広まっているのだ。
 この国の王様は、王子と私の婚約を取り消すことなんて、何とも思わないんだろう。でも、それも仕方がない。王様は、優秀な魔法士を輩出する私の家の血が欲しいだけなのだから。
 本当は私ではなく、私の姉と王子を婚約させたがっていた。しかし、なぜだか王子は私との婚約を望んだ。
 だから、私は王子の婚約者という立場に守られ、命までは取られないでいる。
 学校にも通えているし、ある程度の自由はある。
 だから、私はまだマシな方なんだと思う。

 ◇ ◇ ◇

 父の気が済んだため、私は解放されて自室に戻ってきた。

「大丈夫かい?」

 ボロボロになった私の身を案じた様子で、小さな妖精――ポッドが話しかけてくれた。

「ぅ……ぁ、ポッド?」
「今回は、一段とひどいね。今、治してあげるからね」

 優しくて、温かな光が私の体を包む。
 痛みが少しずつ和らいでいく。その温かさに包まれると、私はいつも泣いてしまう。

「いつもありがとう。ごめんなさい」
「いいんだ。僕は、ここの屋敷妖精やしきようせいだからね」

 屋敷妖精とは、その屋敷に住んでいる者の手助けをすると言われている妖精で、人々の前に姿を現すことは滅多にない。私もポッドを見るまでは、おとぎ話の中の存在だと思っていた。
 ポッドとの出会いは、単なる偶然だ。
 それは、数ヶ月前、ご飯を抜かれて二日ほど経っていた夜のこと。
 さすがに空腹でお腹が痛くなり、寝付けないので、こっそりと台所に忍び込んだのだ。そこで、ネズミ捕りに引っかかっているポッドを見つけた。

 ◇ ◇ ◇

 数ヶ月前。
 ぐぅ。私は思わず鳴ってしまった腹を押さえながら、こっそりと台所に忍び込んだ。こんなところを使用人に見られたら、仕置き確定である。
 ただでさえ、何も食べさせてもらえてないのだ。これで、水も飲むなと言われたら、本当に死んでしまう。

「本当に誰もいない……?」

 真っ暗な台所は、少し不気味だ。
 早く果物かパンか何かを見つけて部屋に帰ろう。そう思い、冷蔵庫へと向かった時だった。
 ――ガチャガチャ。
 小さな金属音が鳴っていることに気づき、体が固まる。
 まさか、誰かいるの?
 それにしては音が小さい。気配も人というよりも……もっと小さいもののようだ?
 近づくのは怖かったが、音の正体を知らないままでいるのも怖い。
 そうして見つけたのが、ネズミ捕りに引っかかっている屋敷妖精だ。
 最初は、あまりの小ささにネズミかと思ったが、よく見ると人の形をしている。
 私が近づくと、殺されるとでも思ったのだろう、キーキーと甲高かんだかい声で鳴いた。

「かわいそうに。今すぐ外してあげますから。少し大人しくしていてください」

 ネズミ捕りで足をやられてしまったのだろう。
 足をかばっている様子で、立ち上がろうとするも倒れてしまう。
 私は、そっと妖精を手のひらにすくい上げる。そして、驚いて固まる妖精を怖がらせないようにささやいた。

「ここにいては、また誰かに捕まってしまうかもしれません。窮屈きゅうくつでしょうけど、私のポケットに少しだけ入っていてくれませんか?」

 もしかしたら、警戒して暴れるかもしれない。そう思いながら妖精の顔を見ると、目が合った。
 妖精は、私のひとみをじっと見つめていた。まるで、私の言葉が嘘か本当か確かめているかのように。
 少しの間私たちは見つめ合い、やがてこくんと妖精がうなずいたので、私は自身のポケットに丁寧に妖精を入れた。
 妖精はポケットの中でもぞもぞと動いていたが、やがて定位置を決めたのだろう。大人しくなった。一応、確認のためにポケットを覗き込んでみると、妖精が「大丈夫だよ」とでも言うように親指を立てていたので、私は安心して食料探しを再開した。
 見つけたパンと少しの果物をかすめ取り、急いで部屋へと向かう。
 使用人たちが見回りをしているが、あまり仕事熱心ではない彼らは、父の許可を取らずに食堂でトランプをしていた。
 こっそりと部屋の様子をうかがう。見回りの使用人は五人だ。その五人が全員部屋にいることを確認して、横をすり抜ける。
 彼らの職務怠慢しょくむたいまんが、今の私にはありがたい。父にとってはどうだか知らないけど。
 それにしても、全員が仕事を放棄して、これで何かあったらどうするのかしら。まぁ、私の知ったことではないけど。
 そうして部屋に戻り、やっと妖精をポケットから出してあげた。

「ふぅ。助かったよ。ありがとう」

 しゃ、しゃべった!?
 聞き間違いではない。目の前の妖精が確かに喋ったのだ。

「あ、あなた、喋れるの?」
「もちろん」

 驚いた様子の私に、妖精は胸を張って答えた。


「そ、そう……私、妖精を見るのって初めてだわ」
「妖精の姿は誰でも見られるわけではないからね」
「そ、そうなの。ところで、どうしてあんなところに……?」
「それは……」

 ぎゅるるるるる。
 音の発生地は、二つ。
 私たちは、お互いの顔を見つめ合い、静かに笑った。

「なるほどね。あなたもお腹がいていたのね」
「お恥ずかしい……」
「妖精もお腹が空くのね」
「まぁね。この屋敷の人たちは、おそなえ物をしてくれなくなってしまったからね」
「え? お供え物? もしかして、あなたがご先祖様に加護を与えてくれたっていう神様なの? あ、ど、どうしよう。私、とんだご無礼を」

 私のせいで神様の機嫌きげんそこねたと知られたら、どんなばつを受けるか。
 私はすっかりとおびえて、床にした。

「や、やめてくれ。僕は、そんな大層なものじゃない! ただの屋敷妖精だよ」
「そ、そうだったの」
「神様がネズミ捕りなんかに捕まるわけないじゃないか。それにお腹を空かせて、お腹から音を出すなんてこともしないよ」
「そうよね。確かに……そうだわ。私、パンをもらってきたの」

 正確には、盗んだというのかもしれない。
 この家に私がもらっていいものなんて、何もないのだから。

「それにミルクもあるの。一緒に食べましょう」
「ありがとう……ごめんね。君のなのに」
「いいの。私も一人きりの食事なんて味気あじけないもの。それよりこちらの方こそ、ごめんなさい。あなたは、神様ではないけれど、お供え物をしなければいけないくらいの立場の妖精なのに……」
「あぁ。お供え物というのは、僕に対してのものじゃないよ。君の言うご先祖様に加護を与えたとする神霊に対してのものだから」

 神様へのお供え物を食べていたと聞いて、私は少しあせりながら質問をする。

「え? 神様のお供え物を食べてるの? その、神様のものを盗むとばちが当たると聞いたことがあるのだけど、大丈夫?」
「許可はもらってるから大丈夫! ほこりを被ってくさってしまうより、僕が食べてあげた方がいいんだってさ」
「そう……あぁ、お供え物がされなくなったと言ったわよね。それ、私のせいかもしれないわ」

 先日、「勝手にお供え物を食べている」と使用人から聞いた父がやって来て、私は罰を受けたのだ。身に覚えがないその罰に、使用人たちが口裏を合わせて、私をいじめているのだと思った。もしくは、ネズミか虫が勝手に食べてしまったのではないかと思ったのだが、そんなことを聞いてくれる父親ではない。
 それどころかそんなことを言えば、「使用人たちが、部屋の掃除をおこたっているとでも言うのか」と逆に怒られかねない。
 使用人たちだって、神様をまつっている部屋に私が近づいていないことは、知っているだろうに。そう思っていたのだが、この妖精が食べていたのか。それなら良かった。
 そんなことを思っていると、妖精が申し訳なさそうな様子で口を開く。

「見ていたよ。ずっと……僕が勝手に食べてしまったから、君はあんなひどいことをされてしまった……本当は君に謝らなければいけないと思ったんだけど、知れば君は僕をうらむだろう……そう思うと怖くて言えなかったんだ。……僕のこと、にくい?」
「そんなことない。だって、神様から許可をもらっているのでしょう? それなら、私には何も言えないわ。あなたは、お供え物を食べる資格があるということだもの。でも、ごめんなさい。私のせいで、お供え物がされなくなってしまったのね」

 先日の件で、お供え物をすると私が食べてしまうと父が判断し、置かなくなったと聞いた。
 ――これでこの家に何かあったら、お前のせいだ!!
 父の罵声ばせいが今でも頭に反響する。
 どうしよう。ずっと神様は見ていらっしゃったのね。これで、本当にこの家に何かあったら……

「君は、どうしてそう自分が悪いと決めつけるんだい!?」
「え?」
「謝るべきは僕だ! 僕のせいで、君は罰を受けた。怯えて何もしなかった。……あぁ、本当にごめんなさい。僕は君に何をしてあげられるだろう」

 そう言って、妖精は涙をぽろぽろとこぼし始めた。

「そんな……いいのよ」

 本当に気にしてなかった。
 いわれのないことで、罰を受けることは日常茶飯事だ。
 それにしてもなんて綺麗きれいな心なんだろう。
 人は、自分のせいで誰かが罰を受けた時、何も感じないというのに。私が全て悪いと罪を押し付けて、決めつけるのに。この妖精は、それを謝るだなんて……
 じっと妖精が泣きやむのを待っていたが、一向に泣きやまないので困ってしまった。
 何か話を変えなくては……そうだ。私が仕置きを受けたことより、もっと気になっていることがある。

「神様は、怒っていらっしゃらない?」

 妖精はきょとんとして、何を聞かれたのかが分からないようだった。
 涙は止まった。良かった。私は、妖精はおろか、人のなぐさめ方も知らないのだから。

「何が? ……あぁ。お供え物がされなくなったことに? うーん。別に気にしてないと思うよ。昔に比べたら、この家の人たちの信仰心はなくなってるから、とっくにもう……」
「とっくに?」
「……何でもない。とにかく神霊はこんなことで怒らないさ。そんなに気になるなら、後で僕の方からも伝えておくよ」
「ありがとう。じゃあ、安心してご飯が食べられるわね。もう、私お腹ぺこぺこなの」
「そうだね……ありがとう」
「ん? 何が?」
「……ねぇ、本当に考えてみてくれないかな。僕が君にしてあげられること。たいていのことは出来るよ……あっ! さすがに恋人になってくれっていうのは、無理だけど」

 私は困ってしまった。
 妖精にしてもらうようなことが今のところ、思いつかないのだ。
 それと、恋人云々うんぬんは冗談なのだろうか。冗談を言われたことがないので、よく分からない。
 冗談だとしても困る。
 私は笑うことが出来ないのだ。笑うことは、許されていないのだから。
 黙ってしまった私に対して、妖精は焦ったのか、手をバタバタと振った。

「ごめんね! 僕、仲間内でも『お前の冗談は、つまらない』とよく言われるんだ」
「そんなことないわ。ごめんなさい。私、冗談を言われたことないの……それに私が笑うことは、許可されていないから」
「きょか?」

 私が言った言葉が理解出来なかったのか、妖精は大きな目をさらに大きくした。
 目が落っこちてしまいそうだ。
 ゆらゆらと、水の膜が張られているような瞳はとても美しい。図鑑で見た宝石のようだ。

「きょかって何だい?」

 妖精の質問に、私は答える。

「私は、笑うことを許されていないの」
「許されない……きょか……許可? ……許可! 許可だって!? 笑うのに許可がいるのかい!? 意味が分からない。どういうこと?」
「え? ええっと、その、私が笑うと周りを不幸にするからって……わ、私は、本当は存在してはいけないから……だから、私が楽しんだり、幸せになったりするのは間違っているって」
「そんな……! そんな……ひどい……君は、あぁ……そんな」

 妖精は、うなだれてしまった。何かおかしなことを言ってしまっただろうか。私はとっさに謝る。

「ご、ごめんなさい」
「……」
「あ、あの……私……」

 あぁ。やはり、私は周りを不幸にしてしまうのだろう。
 こんなに優しい妖精をまた泣かせてしまうだなんて。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめ――」
「謝らなくていい。ごめん。僕の方こそ、泣いて君を困らせてばかりだ……ふぅ」
「あ、あの」
「よし。僕も男だ。覚悟を決めよう」

 妖精は覚悟を決めた様子で、私を見つめた。
 私は、妖精に性別があったことが気になってしまう。

「妖精にも男女の概念があるのね。初めて知ったわ」
「え、そこ? あぁ、いや……僕は、君の願い事を叶えると決めたぞ! 何でも言ってくれ!」
「な、何でも? でも、私何もしてないわ」
「僕があのままあそこにいたら無事ではすまなかっただろう。この家の人間の残忍さは知っているからね。それに君は、パンとミルクを与えてくれた」
「まだ食べてないじゃない」
「いいんだ! とにかく君は、僕を救ってくれた。だから、願いを言う権利があるし、僕は叶える義務がある。僕は、こう見えて仲間内では義理堅いって有名なんだ」
「……願い」
「何でもいいよ! あ、いや、もしかしたら叶えられないかもしれないけど、努力するから」

 私の願い。
 どうしよう。私はずっと、そんなことを考えてはいけないと言われてきたから、非常に困った。欲を出せば限りない。だから、考えてはいけないと教わってきたのだ。
 ……考えるな。考える権利などないのだから。

「な、何でもいいの……?」
「何でもいいよ!」
「そ、そ、れじゃあ……」

 声が震える。
 体も震えてきた。
 どうしよう。私、とても怖い。自分の言葉を口に出すのはとても怖い。悪いことが起きるんじゃないか。


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