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1巻
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プロローグ
猫がゴロゴロと喉を鳴らすのは、幸せを感じていたり飼い主になにか訴えたりしているから。
今の私はまさに猫。一成さんに飼われる猫だ。
「あっ、やっ……一成さ……ん、っく」
「嫌なのか?」
「……や、じゃない……、あっ、あんっ」
するりと差し込まれた手がつーっと肌を滑り、そして敏感な部分に触れる。
「あっ……」
すでにねっとりと濡れてしまった部分が恥ずかしくて慌てて足を閉じたけれど、いとも簡単にこじ開けられて身体がビクンと跳ねた。こじ開けられたのか、それとも誘導されて自分で開いたのか、もう思考はだいぶ遠くへいっている。
「もうこんなに濡らして。千咲は正直で可愛いな」
「あっ、言わないでっ……あっ」
優しく、けれど執拗に攻め立てられた秘部はビクビクと脈を打つ。
押し寄せてくる快感にふるふると身体を震わせ、一成さんのシャツを握りしめた。
「いっせ……いさん……、わたし……もう……」
息も絶え絶えに訴えるも、一成さんは「まだダメだ」と耳元で甘く囁く。
お預けにされて涙目になった私に、一成さんは柔らかな視線を向けた。
節ばって男らしいのに長く綺麗な指が、ワイシャツのボタンを手早く外す。一成さんの肌が徐々にあらわになっていく様は、目が離せないほどに美しい。普段シャツで見えないその部分は、想像よりもはるかに引き締まっていて、その身体のラインを眺めるだけで心臓がバクンバクンと音を立てた。
「……かっこいいです、一成さん」
一成さんの身体を見るのは初めてじゃないのに、見る度にいつもそう思う。
とても綺麗で美しい。
男性をそんな風に思うのは変だろうか。
「千咲もとても綺麗だ。ずっと眺めていたい」
私を見下ろす一成さんはとんでもなく艶っぽくて魅力的で、一成さんに抱かれる私はなんて幸せなのだろうと胸が熱くなる。
ほしい……一成さんがほしい。
「どうした? そんな目で見て」
「ん……、一成さんの意地悪」
一成さんはくっと口角を上げる。
「どうしてほしい?」
囁きが、ゾクリと鼓膜を震わす。
甘い言葉を発した唇は、身体のあらゆる部分にキスを落としていく。
びくびくと感じながら限界を迎えた私は一成さんに目で訴えるけれど、彼は余裕の眼差しで私を眺めるだけ。触れそうで触れない微妙なラインを擦られ、「はぁ、んっ」と吐息が漏れた。
「ほら、ちゃんとおねだりして。なにをしてほしいんだ?」
一成さんは意地悪だ。わかってるくせに。絶対私に言わせようとする。抵抗してもじらされるばかりで、いつも私が先に根負けしてしまうのだけど。
一成さんの昂った熱いモノがあてられる。だけどそれ以上はしてくれなくて……
「……一成さんのが……ほしい……です。入れて……ください」
羞恥に耐えながら口にすれば「いい子だ」と甘いキスを一つ。
それが合図であるかのように、私の中をこじ開けて入ってくる硬くて熱い楔。深く差し込まれたそれは最奥を探るようにゆっくりと、けれどしっかりと貫いていく。
「んっ、くぅっ……」
「くっ、……好きだ、千咲」
「わ、私も。一成さん……んっ、くっ、ああっ」
痺れるような感覚に背が弓なりに反る。一成さんはそんな私を優しく抱きしめながら、呼吸を荒くした。
二人の熱い吐息が交じり合う。
この瞬間がいつも夢のよう。
いつまでも抱いていてほしい。
繋がっていたい。
ずっとずっと、あなたが好きだった。
私は一生この愛に溺れていたいの――
第一章 秘書として
寒い北風がだんだんと春の暖かい風に変わる頃。
親友の夏菜の家に遊びに来ていた私は、夏菜のお兄さんである一成さんに告白をした。
「私、一成さんが好きです」
もう、一生分の勇気を使ったと思う。握りしめた拳がプルプルと震える。きっと顔も真っ赤だ。
それに対して一成さんがどんな顔をしていたのか、記憶にない。
ただ――
「千咲、ありがとう。俺も好きだよ。でも今は付き合えない」
一世一代の大勝負はなんともあっけなく、見事に玉砕。
クールな一成さんは小さな微笑みとともに私の頭を撫で、そして何事もなかったかのように去って行った。
片山千咲、高校二年生、恋破れたり。
四月からは三年生で受験生。ああ、これで受験にも身が入るってものだ。なんて自分を慰めてみたりして。
かたや塚本一成さんは、二十二歳の大学四年生。四月からは社会人になり、一人暮らしをするために実家を出て行くらしい。
そんな情報を夏菜から得て、私はほうっと胸を撫で下ろした。だって失恋したのにその相手がいる家に遊びに行くのは気が引ける。いなくなってくれるのはむしろ好都合といえよう。
ほっとした気持ちと残念な気持ちが入り混じっている。
失恋したんだから会えなくてよかったじゃないか。
そう思うのに……
まったく会えなくなって、心にぽっかり穴が空いた。
ふとした瞬間にぼんやりとしてしまう。一成さんは今なにをしているのだろうと、考えてしまう。
どうやら失恋の痛手は大きかったようだ。
ああ、これは夢だ。夢に違いない。現実を見たくなくて目を閉じる。寝て起きたらまだ私は一成さんに告白していなくて、きっとなんでもない、いつもの日常が始まるの。
次に目を覚ましたとき、そこは自分のベッドの上で、高校生ではない大人の私だった。
「はあ、またあの夢を見てしまった」
ため息とともに独り言ちる。
何度も夢に見てしまう。一成さんにフラれたあの日のこと。
どうせ夢に見るなら一成さんとデートしているところとか、そんな心躍るような夢にしてほしいのに。そんな夢は一切見ない。自分の脳みそに説教したい気分だ。
そんな鬱々とした気分のまま、枕元に置いていたスマホで時間を確認する。と、メールが届いている通知にガバリと身を起こした。
ドキドキと緊張しながらそのメールを開く。
***
片山千咲様
先日はお忙しい中、弊社にお越しいただきまして、ありがとうございました。
さて、慎重に選考を重ねました結果、今回については採用を見送りとさせていただくこととなりました。
末筆ながら、片山様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
***
「はぁー」
がっくりとしてスマホを布団の上に放り投げた。
もう何通目のお祈りメールだろう。何社受けたかなんて数えるのも飽きた。
この会社だって、こんなに丁寧なメールを送ってくるくせに、面接では酷いものだった。
『うーん、君ねぇ、うちの会社でなにができるのかなぁ? これといって資格も持ってないみたいだし。秘書検定二級ねぇ。うちでは使えないよねぇ』
それに対してどう答えたか、覚えていない。
そんな風に批判するならば、書類選考の時点で落としてくれればよかったのに。なぜ面接に来いと言ったのか、そっちの方を聞きたいものだ。そんなこと、面接官には言えなかったけど。
「はぁー」
何度目かもわからないため息を吐いて、枕に顔を埋める。これでもう選考中の会社はなくなってしまった。働くためにはまた求人情報を吟味して、エントリーをしなくてはいけない。
正直、まいってる。
就職が決まってないのは私だけなんじゃないかな。ていうか、就職できる気がしない。
ブブブ……
スマホが震え出し、枕に埋まったまま顔だけ横に向ける。行儀悪く相手先を確認すると、高校の時の同級生で唯一親友と呼べる相手、塚本夏菜からだった。
「もしもし?」
『千咲~、調子どう?』
「どうって?」
『就活のことよ』
「あ~……」
私と違ってハキハキと話す夏菜は、面接なんてお手のものといった感じで、早々に内定をもらった強者だ。もう四月から社会人としてバリバリ働いている。
一方の私はまったくと言っていいほど振るわず。もう五月も半ばだというのに、就職浪人として親のすねをかじって生きている。
『千咲の魅力がわからない企業なんて働いても無駄よ』
「そうは言うけどさ、やっぱり面接が上手くいかないもの」
『誰だって面接は緊張するわよ』
「そうかもだけどさぁ……」
夏菜は明るい声で私を励ましてくれるけど、さすがにここまで決まらないと落ち込みも激しくなる。
書類選考は案外すんなり通っていくのに、面接で撃沈。とにもかくにも面接が苦手なのだ。
自覚はありまくりである。これは悪い癖だとは思っているのだが、他人からの評価が気になりすぎるあまり、緊張していつも上手く話せない。故に、面接が上手くいかない。
「ねえ、夏菜のお父さんって会社経営してるって言ってなかった?」
『うん? してるよ』
「もー、そこで雇ってよぉ」
『あんたねぇ……』
「そういえば、夏菜は別の会社に就職したよね。お父さんの会社、手伝わなくていいの?」
私の問いを、夏菜は深いため息とともに一蹴した。
『嫌よ、なんで好き好んで家族と働かなくちゃいけないのよ』
「そういうもの?」
『そういうものよ!』
ふん、と鼻息荒くする夏菜だけど、いまだ内定ゼロの私には羨ましくて仕方ない。
ま、夏菜のお父さんの会社がどんな会社かまったく知らないけれど。
『まあいいじゃない。親のすねをかじれるだけかじっておきなさいよ』
「ううっ。それももう時間の問題かも。かなり親からプレッシャーかけられてるよ。このままじゃニートになっちゃう」
泣き真似をする私を夏菜はカラカラと笑い飛ばし、じゃあまた電話するわ~と陽気に会話は終了した。
夏菜と話したことでほんの少しだけやる気になった私は、また求人情報とにらめっこしたのだった。
その数日後のこと。
夏菜からの電話を受けた私は、意味がわからなくて目をぱちくりさせた。
「……は?」
『だから、うちの会社で働かない?』
「ちょ、ちょっと待って。うちの会社って、どこのことを言ってる?」
『うちの父が経営してる会社』
「えっ、ええ~!」
『この前、雇ってって言ってたじゃない』
「言ってたけど、まさかそんな本当に話がくるなんて……」
信じられない。だって冗談で言ったし(いや、半分本気だったけど)、夏菜だって呆れていたのに。
夏菜ったら、そっけないふりして聞いてくれたんだ……
なんて感動していると、「でも……」と歯切れの悪い答えが返ってくる。
『父の会社だけど、働くのはお兄の秘書としてね』
「お、お兄さん!? 秘書!?」
『そう、この話を持ってきたのはお兄だから』
とたんに、心臓がドッドッと悲鳴を上げた。
夏菜のお兄さんである一成さんには、高校生のときに告白して玉砕している。そんないわく付きの一成さんの元で働くだなんて。
『いやぁ、ダメ元で、千咲働かせてくれない? って聞いたら、ちょうど秘書が辞めたばっかりで困ってるって言うからさぁ。千咲、秘書検定持ってたでしょ?』
「いや、うん、持ってるけど、でも二級だよ?」
『いいんじゃない?』
「い、いやいやいや……」
『そうよね、うちのお兄の下では働きたくないよね。それは非常によくわかる。あんな無愛想な奴、そうそういないもの』
「いや、そういう意味じゃなくてっ……」
『うん?』
「一成さんって管理職なの?」
『管理職?』
「だって、一成さんの秘書なんだよね?」
一成さんは私より五歳上だから今は二十七歳だと思うんだけど、そんな歳で秘書を付けるって一体どんな仕事をしているのだろう。
ぐるぐると想像を巡らせていると、夏菜はあっけらかんと言った。
『お兄は副社長だよ』
「……意味わかんない」
私の呟きに、夏菜は『だよねー』と可笑しそうに同意した。その同意が、私と同じ気持ちだったとはとうてい思えないけど。
◇
着慣れたリクルートスーツに袖を通し、派遣会社の営業担当に連れられてやってきた会社のビルを前にして、私は開いた口が塞がらないでいた。
「あ、あの、ここですか?」
「そうですよ。あれ? 事前に会社名お伝えしましたよね?」
「は、はい」
都内一等地に堂々とそびえ立つ高層ビル。
ここが私の働く場所、株式会社塚本屋。
結局、就活に疲れきった私は、夏菜の紹介にありがたく頼らせてもらうことにした。
いや、正確には親に散々罵られたから……が一番の理由かもしれない。
『お姉ちゃんは立派に働いているのに、本当に情けない』
『大学も中途半端なレベルだもの、お姉ちゃんみたいにはいかないわよねぇ?』
『千咲はできないの?』
昔から、なんでも器用にこなす姉と比べられてきた。
――お姉ちゃんはできるのに。
――お姉ちゃんはすごい。
私も、姉のことはそれなりに尊敬している。本当にそつなくなんでもできてしまうし、私なんか足元にも及ばないことはわかっているのだ。
だけどそれを両親から責められるのはなんだか納得いかない。特別に虐げられているわけじゃないけど、両親の何気ない一言がグサグサと私の心を刺していく。
私だって本当はお姉ちゃんみたいにそつなくなんでもこなしたいよ。そうやって生きていきたいと思っているけど、どうしても上手くいかないのだ。
私はブンブンと頭を振る。
今はそんなことを考えている場合ではない。これから副社長、一成さんの元へ行くのだから。
平常心、平常心……
仕事内容は一成さんの秘書だけれど、正社員ではなく派遣会社を通しての登録型派遣社員。派遣登録の際に面談があったけど、一成さんの秘書として働くことは決定事項のようで、呆気に取られる私をよそにとんとん拍子に契約が進んだ。それはもう、あれだけ面接で落ちたのが嘘であるかのようにだ。
確かに契約書には、『会社名:株式会社塚本屋』と書いてあった。
夏菜の名字は『塚本』だから、なるほど、家族経営の会社なのね、一成さんが副社長なのも納得だわなんて思っていたわけだけど。
目の前にそびえ立つ高層ビルを前に足がすくむ。
ビルの前には「定礎」と刻まれた銘石とともに会社名『株式会社塚本屋』の名とロゴが記されている。
「塚本屋って、あの塚本屋ですか?」
このロゴは見たことがあるのだ。テレビのCMでもよく見かける。創業は江戸時代、日本茶の老舗で、京都や静岡の名店と張り合うほどの超有名な会社。
「ええ、あの塚本屋です。大企業でお仕事できるのも、派遣の強みですよね」
と、営業担当は自信満々とばかりに胸を張る。
「あ、はは、そうですね……」
頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた私は、乾いた相槌しか打てなかった。
今思えば、そう、今思えばだけど、夏菜の家は高級住宅街の一軒家で、しかも結構大きくて、お金持ちっぽい感じはしていた。
お父さんが会社経営しているとしか聞いていなかったけど、まさかこんな大企業だなんて思わなかった。
「夏菜……それならそう言ってよ……」
実は彼女はバリバリの社長令嬢だったのかと、どうでもいいことをぼんやりと考えていた。
◇
塚本屋のビルは、一階にお茶屋、二階にカフェスペース、そして三階以上がオフィスビルとなっている。なんでも塚本屋の事務部門がここに集約されているのだとか。
受付で入室許可証を受け取り、営業担当とはここで別れる。
「では片山さん、お仕事頑張ってくださいね。副社長の秘書はすぐに辞めちゃう人が多くて困っていたんですよ。片山さんには期待していますよ」
「えっ!?」
さらりと怖いことを言い残し、営業担当は笑顔で去って行った。
すぐに辞めちゃう……って?
心に引っ掛かりを残し、不安な状態のまま副社長室へ足を踏み入れた私は、彼の姿にあっと息を飲んだ。
さらりと流れる髪は清潔感があり、それでいてどこか繊細さを感じさせる。すっと伸びた鼻すじに薄い唇。そして意志の強そうな焦げ茶色の瞳。濃紺のスーツを着こなし、長い手足が際立つよう。
一成さんに会うのは何年ぶりだろう。
私が記憶していた一成さんの何倍も大人の魅力がたっぷりで、とたんに鼓動が速くなる。
「あ、あの、今日からここで働かせてもらうことになりました。片山千咲です。よろしくお願いします」
まるでぎこちない挨拶に自分でも動揺する。
一成さんに会うことがこんなにも緊張するだなんて。
「久しぶりだな」
低く、胸に響くような優しい声音。
一成さんはほんの少しだけ目元を緩ませ、ソファに座るように促した。
「し、失礼しま……きゃっ!」
あまりの緊張につま先が絨毯に引っ掛かり、想定外にバランスを崩してしまった。前のめりになった私の腕を絡め取って、一成さんが慌てて体勢を立て直してくれる。
「大丈夫か?」
「す、すみません」
と、顔を上げた瞬間、一成さんとの距離があまりにも近くて一気に体温が上昇した。かっこ良すぎて心臓が痛い。無理、やばい、この距離はやばい。
私は顔を真っ赤にしながら、ズササッと距離を取る。
「もっ、申し訳ありませんっ」
とんだ失態だ。初っ端からなにをしているんだ、私は。
バクンバクンと、心臓が壊れそうなほど音を立てる。と同時に、鼻の奥がツンとしてきた。
ああ、本当に、自分が嫌になる。こんなことでいちいち動揺してしまうなんて。
高校生のときに一成さんにフラれて、何年もかけてその想いを断ち切ったと思っていたのに。たったこれだけのことでときめきが舞い戻ってくるなんて、我ながら単純すぎる。
落ち着け私、落ち着け私。
私は一成さんにフラれた身なのよ。ていうか、これは仕事なんだから。
などと心の中で葛藤を繰り返していると、クックッと小さく笑う気配がして少しだけ顔を上げる。
「本当に、相変わらずだな千咲は。初めて会ったときのことを思い出すよ。あのときも顔を真っ赤にしていたな」
ぐっ。
過去を思い出さないでほしい。
初めて会ったときは緊張したのと、一成さんのあまりのかっこ良さにドキドキしていたのだ。
い、今も大人の魅力にあてられているけれど。
「仕事を探していたんだって、妹から聞いたよ。ちょうど猫の手も借りたいところだったんだ」
「あの、私なんかで良かったのでしょうか」
いや、本当に。フッた相手を雇うとかどういう神経してるの。
……フラれた相手の元に、のこのこ働きに来た私も大概だけど。
猫がゴロゴロと喉を鳴らすのは、幸せを感じていたり飼い主になにか訴えたりしているから。
今の私はまさに猫。一成さんに飼われる猫だ。
「あっ、やっ……一成さ……ん、っく」
「嫌なのか?」
「……や、じゃない……、あっ、あんっ」
するりと差し込まれた手がつーっと肌を滑り、そして敏感な部分に触れる。
「あっ……」
すでにねっとりと濡れてしまった部分が恥ずかしくて慌てて足を閉じたけれど、いとも簡単にこじ開けられて身体がビクンと跳ねた。こじ開けられたのか、それとも誘導されて自分で開いたのか、もう思考はだいぶ遠くへいっている。
「もうこんなに濡らして。千咲は正直で可愛いな」
「あっ、言わないでっ……あっ」
優しく、けれど執拗に攻め立てられた秘部はビクビクと脈を打つ。
押し寄せてくる快感にふるふると身体を震わせ、一成さんのシャツを握りしめた。
「いっせ……いさん……、わたし……もう……」
息も絶え絶えに訴えるも、一成さんは「まだダメだ」と耳元で甘く囁く。
お預けにされて涙目になった私に、一成さんは柔らかな視線を向けた。
節ばって男らしいのに長く綺麗な指が、ワイシャツのボタンを手早く外す。一成さんの肌が徐々にあらわになっていく様は、目が離せないほどに美しい。普段シャツで見えないその部分は、想像よりもはるかに引き締まっていて、その身体のラインを眺めるだけで心臓がバクンバクンと音を立てた。
「……かっこいいです、一成さん」
一成さんの身体を見るのは初めてじゃないのに、見る度にいつもそう思う。
とても綺麗で美しい。
男性をそんな風に思うのは変だろうか。
「千咲もとても綺麗だ。ずっと眺めていたい」
私を見下ろす一成さんはとんでもなく艶っぽくて魅力的で、一成さんに抱かれる私はなんて幸せなのだろうと胸が熱くなる。
ほしい……一成さんがほしい。
「どうした? そんな目で見て」
「ん……、一成さんの意地悪」
一成さんはくっと口角を上げる。
「どうしてほしい?」
囁きが、ゾクリと鼓膜を震わす。
甘い言葉を発した唇は、身体のあらゆる部分にキスを落としていく。
びくびくと感じながら限界を迎えた私は一成さんに目で訴えるけれど、彼は余裕の眼差しで私を眺めるだけ。触れそうで触れない微妙なラインを擦られ、「はぁ、んっ」と吐息が漏れた。
「ほら、ちゃんとおねだりして。なにをしてほしいんだ?」
一成さんは意地悪だ。わかってるくせに。絶対私に言わせようとする。抵抗してもじらされるばかりで、いつも私が先に根負けしてしまうのだけど。
一成さんの昂った熱いモノがあてられる。だけどそれ以上はしてくれなくて……
「……一成さんのが……ほしい……です。入れて……ください」
羞恥に耐えながら口にすれば「いい子だ」と甘いキスを一つ。
それが合図であるかのように、私の中をこじ開けて入ってくる硬くて熱い楔。深く差し込まれたそれは最奥を探るようにゆっくりと、けれどしっかりと貫いていく。
「んっ、くぅっ……」
「くっ、……好きだ、千咲」
「わ、私も。一成さん……んっ、くっ、ああっ」
痺れるような感覚に背が弓なりに反る。一成さんはそんな私を優しく抱きしめながら、呼吸を荒くした。
二人の熱い吐息が交じり合う。
この瞬間がいつも夢のよう。
いつまでも抱いていてほしい。
繋がっていたい。
ずっとずっと、あなたが好きだった。
私は一生この愛に溺れていたいの――
第一章 秘書として
寒い北風がだんだんと春の暖かい風に変わる頃。
親友の夏菜の家に遊びに来ていた私は、夏菜のお兄さんである一成さんに告白をした。
「私、一成さんが好きです」
もう、一生分の勇気を使ったと思う。握りしめた拳がプルプルと震える。きっと顔も真っ赤だ。
それに対して一成さんがどんな顔をしていたのか、記憶にない。
ただ――
「千咲、ありがとう。俺も好きだよ。でも今は付き合えない」
一世一代の大勝負はなんともあっけなく、見事に玉砕。
クールな一成さんは小さな微笑みとともに私の頭を撫で、そして何事もなかったかのように去って行った。
片山千咲、高校二年生、恋破れたり。
四月からは三年生で受験生。ああ、これで受験にも身が入るってものだ。なんて自分を慰めてみたりして。
かたや塚本一成さんは、二十二歳の大学四年生。四月からは社会人になり、一人暮らしをするために実家を出て行くらしい。
そんな情報を夏菜から得て、私はほうっと胸を撫で下ろした。だって失恋したのにその相手がいる家に遊びに行くのは気が引ける。いなくなってくれるのはむしろ好都合といえよう。
ほっとした気持ちと残念な気持ちが入り混じっている。
失恋したんだから会えなくてよかったじゃないか。
そう思うのに……
まったく会えなくなって、心にぽっかり穴が空いた。
ふとした瞬間にぼんやりとしてしまう。一成さんは今なにをしているのだろうと、考えてしまう。
どうやら失恋の痛手は大きかったようだ。
ああ、これは夢だ。夢に違いない。現実を見たくなくて目を閉じる。寝て起きたらまだ私は一成さんに告白していなくて、きっとなんでもない、いつもの日常が始まるの。
次に目を覚ましたとき、そこは自分のベッドの上で、高校生ではない大人の私だった。
「はあ、またあの夢を見てしまった」
ため息とともに独り言ちる。
何度も夢に見てしまう。一成さんにフラれたあの日のこと。
どうせ夢に見るなら一成さんとデートしているところとか、そんな心躍るような夢にしてほしいのに。そんな夢は一切見ない。自分の脳みそに説教したい気分だ。
そんな鬱々とした気分のまま、枕元に置いていたスマホで時間を確認する。と、メールが届いている通知にガバリと身を起こした。
ドキドキと緊張しながらそのメールを開く。
***
片山千咲様
先日はお忙しい中、弊社にお越しいただきまして、ありがとうございました。
さて、慎重に選考を重ねました結果、今回については採用を見送りとさせていただくこととなりました。
末筆ながら、片山様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
***
「はぁー」
がっくりとしてスマホを布団の上に放り投げた。
もう何通目のお祈りメールだろう。何社受けたかなんて数えるのも飽きた。
この会社だって、こんなに丁寧なメールを送ってくるくせに、面接では酷いものだった。
『うーん、君ねぇ、うちの会社でなにができるのかなぁ? これといって資格も持ってないみたいだし。秘書検定二級ねぇ。うちでは使えないよねぇ』
それに対してどう答えたか、覚えていない。
そんな風に批判するならば、書類選考の時点で落としてくれればよかったのに。なぜ面接に来いと言ったのか、そっちの方を聞きたいものだ。そんなこと、面接官には言えなかったけど。
「はぁー」
何度目かもわからないため息を吐いて、枕に顔を埋める。これでもう選考中の会社はなくなってしまった。働くためにはまた求人情報を吟味して、エントリーをしなくてはいけない。
正直、まいってる。
就職が決まってないのは私だけなんじゃないかな。ていうか、就職できる気がしない。
ブブブ……
スマホが震え出し、枕に埋まったまま顔だけ横に向ける。行儀悪く相手先を確認すると、高校の時の同級生で唯一親友と呼べる相手、塚本夏菜からだった。
「もしもし?」
『千咲~、調子どう?』
「どうって?」
『就活のことよ』
「あ~……」
私と違ってハキハキと話す夏菜は、面接なんてお手のものといった感じで、早々に内定をもらった強者だ。もう四月から社会人としてバリバリ働いている。
一方の私はまったくと言っていいほど振るわず。もう五月も半ばだというのに、就職浪人として親のすねをかじって生きている。
『千咲の魅力がわからない企業なんて働いても無駄よ』
「そうは言うけどさ、やっぱり面接が上手くいかないもの」
『誰だって面接は緊張するわよ』
「そうかもだけどさぁ……」
夏菜は明るい声で私を励ましてくれるけど、さすがにここまで決まらないと落ち込みも激しくなる。
書類選考は案外すんなり通っていくのに、面接で撃沈。とにもかくにも面接が苦手なのだ。
自覚はありまくりである。これは悪い癖だとは思っているのだが、他人からの評価が気になりすぎるあまり、緊張していつも上手く話せない。故に、面接が上手くいかない。
「ねえ、夏菜のお父さんって会社経営してるって言ってなかった?」
『うん? してるよ』
「もー、そこで雇ってよぉ」
『あんたねぇ……』
「そういえば、夏菜は別の会社に就職したよね。お父さんの会社、手伝わなくていいの?」
私の問いを、夏菜は深いため息とともに一蹴した。
『嫌よ、なんで好き好んで家族と働かなくちゃいけないのよ』
「そういうもの?」
『そういうものよ!』
ふん、と鼻息荒くする夏菜だけど、いまだ内定ゼロの私には羨ましくて仕方ない。
ま、夏菜のお父さんの会社がどんな会社かまったく知らないけれど。
『まあいいじゃない。親のすねをかじれるだけかじっておきなさいよ』
「ううっ。それももう時間の問題かも。かなり親からプレッシャーかけられてるよ。このままじゃニートになっちゃう」
泣き真似をする私を夏菜はカラカラと笑い飛ばし、じゃあまた電話するわ~と陽気に会話は終了した。
夏菜と話したことでほんの少しだけやる気になった私は、また求人情報とにらめっこしたのだった。
その数日後のこと。
夏菜からの電話を受けた私は、意味がわからなくて目をぱちくりさせた。
「……は?」
『だから、うちの会社で働かない?』
「ちょ、ちょっと待って。うちの会社って、どこのことを言ってる?」
『うちの父が経営してる会社』
「えっ、ええ~!」
『この前、雇ってって言ってたじゃない』
「言ってたけど、まさかそんな本当に話がくるなんて……」
信じられない。だって冗談で言ったし(いや、半分本気だったけど)、夏菜だって呆れていたのに。
夏菜ったら、そっけないふりして聞いてくれたんだ……
なんて感動していると、「でも……」と歯切れの悪い答えが返ってくる。
『父の会社だけど、働くのはお兄の秘書としてね』
「お、お兄さん!? 秘書!?」
『そう、この話を持ってきたのはお兄だから』
とたんに、心臓がドッドッと悲鳴を上げた。
夏菜のお兄さんである一成さんには、高校生のときに告白して玉砕している。そんないわく付きの一成さんの元で働くだなんて。
『いやぁ、ダメ元で、千咲働かせてくれない? って聞いたら、ちょうど秘書が辞めたばっかりで困ってるって言うからさぁ。千咲、秘書検定持ってたでしょ?』
「いや、うん、持ってるけど、でも二級だよ?」
『いいんじゃない?』
「い、いやいやいや……」
『そうよね、うちのお兄の下では働きたくないよね。それは非常によくわかる。あんな無愛想な奴、そうそういないもの』
「いや、そういう意味じゃなくてっ……」
『うん?』
「一成さんって管理職なの?」
『管理職?』
「だって、一成さんの秘書なんだよね?」
一成さんは私より五歳上だから今は二十七歳だと思うんだけど、そんな歳で秘書を付けるって一体どんな仕事をしているのだろう。
ぐるぐると想像を巡らせていると、夏菜はあっけらかんと言った。
『お兄は副社長だよ』
「……意味わかんない」
私の呟きに、夏菜は『だよねー』と可笑しそうに同意した。その同意が、私と同じ気持ちだったとはとうてい思えないけど。
◇
着慣れたリクルートスーツに袖を通し、派遣会社の営業担当に連れられてやってきた会社のビルを前にして、私は開いた口が塞がらないでいた。
「あ、あの、ここですか?」
「そうですよ。あれ? 事前に会社名お伝えしましたよね?」
「は、はい」
都内一等地に堂々とそびえ立つ高層ビル。
ここが私の働く場所、株式会社塚本屋。
結局、就活に疲れきった私は、夏菜の紹介にありがたく頼らせてもらうことにした。
いや、正確には親に散々罵られたから……が一番の理由かもしれない。
『お姉ちゃんは立派に働いているのに、本当に情けない』
『大学も中途半端なレベルだもの、お姉ちゃんみたいにはいかないわよねぇ?』
『千咲はできないの?』
昔から、なんでも器用にこなす姉と比べられてきた。
――お姉ちゃんはできるのに。
――お姉ちゃんはすごい。
私も、姉のことはそれなりに尊敬している。本当にそつなくなんでもできてしまうし、私なんか足元にも及ばないことはわかっているのだ。
だけどそれを両親から責められるのはなんだか納得いかない。特別に虐げられているわけじゃないけど、両親の何気ない一言がグサグサと私の心を刺していく。
私だって本当はお姉ちゃんみたいにそつなくなんでもこなしたいよ。そうやって生きていきたいと思っているけど、どうしても上手くいかないのだ。
私はブンブンと頭を振る。
今はそんなことを考えている場合ではない。これから副社長、一成さんの元へ行くのだから。
平常心、平常心……
仕事内容は一成さんの秘書だけれど、正社員ではなく派遣会社を通しての登録型派遣社員。派遣登録の際に面談があったけど、一成さんの秘書として働くことは決定事項のようで、呆気に取られる私をよそにとんとん拍子に契約が進んだ。それはもう、あれだけ面接で落ちたのが嘘であるかのようにだ。
確かに契約書には、『会社名:株式会社塚本屋』と書いてあった。
夏菜の名字は『塚本』だから、なるほど、家族経営の会社なのね、一成さんが副社長なのも納得だわなんて思っていたわけだけど。
目の前にそびえ立つ高層ビルを前に足がすくむ。
ビルの前には「定礎」と刻まれた銘石とともに会社名『株式会社塚本屋』の名とロゴが記されている。
「塚本屋って、あの塚本屋ですか?」
このロゴは見たことがあるのだ。テレビのCMでもよく見かける。創業は江戸時代、日本茶の老舗で、京都や静岡の名店と張り合うほどの超有名な会社。
「ええ、あの塚本屋です。大企業でお仕事できるのも、派遣の強みですよね」
と、営業担当は自信満々とばかりに胸を張る。
「あ、はは、そうですね……」
頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた私は、乾いた相槌しか打てなかった。
今思えば、そう、今思えばだけど、夏菜の家は高級住宅街の一軒家で、しかも結構大きくて、お金持ちっぽい感じはしていた。
お父さんが会社経営しているとしか聞いていなかったけど、まさかこんな大企業だなんて思わなかった。
「夏菜……それならそう言ってよ……」
実は彼女はバリバリの社長令嬢だったのかと、どうでもいいことをぼんやりと考えていた。
◇
塚本屋のビルは、一階にお茶屋、二階にカフェスペース、そして三階以上がオフィスビルとなっている。なんでも塚本屋の事務部門がここに集約されているのだとか。
受付で入室許可証を受け取り、営業担当とはここで別れる。
「では片山さん、お仕事頑張ってくださいね。副社長の秘書はすぐに辞めちゃう人が多くて困っていたんですよ。片山さんには期待していますよ」
「えっ!?」
さらりと怖いことを言い残し、営業担当は笑顔で去って行った。
すぐに辞めちゃう……って?
心に引っ掛かりを残し、不安な状態のまま副社長室へ足を踏み入れた私は、彼の姿にあっと息を飲んだ。
さらりと流れる髪は清潔感があり、それでいてどこか繊細さを感じさせる。すっと伸びた鼻すじに薄い唇。そして意志の強そうな焦げ茶色の瞳。濃紺のスーツを着こなし、長い手足が際立つよう。
一成さんに会うのは何年ぶりだろう。
私が記憶していた一成さんの何倍も大人の魅力がたっぷりで、とたんに鼓動が速くなる。
「あ、あの、今日からここで働かせてもらうことになりました。片山千咲です。よろしくお願いします」
まるでぎこちない挨拶に自分でも動揺する。
一成さんに会うことがこんなにも緊張するだなんて。
「久しぶりだな」
低く、胸に響くような優しい声音。
一成さんはほんの少しだけ目元を緩ませ、ソファに座るように促した。
「し、失礼しま……きゃっ!」
あまりの緊張につま先が絨毯に引っ掛かり、想定外にバランスを崩してしまった。前のめりになった私の腕を絡め取って、一成さんが慌てて体勢を立て直してくれる。
「大丈夫か?」
「す、すみません」
と、顔を上げた瞬間、一成さんとの距離があまりにも近くて一気に体温が上昇した。かっこ良すぎて心臓が痛い。無理、やばい、この距離はやばい。
私は顔を真っ赤にしながら、ズササッと距離を取る。
「もっ、申し訳ありませんっ」
とんだ失態だ。初っ端からなにをしているんだ、私は。
バクンバクンと、心臓が壊れそうなほど音を立てる。と同時に、鼻の奥がツンとしてきた。
ああ、本当に、自分が嫌になる。こんなことでいちいち動揺してしまうなんて。
高校生のときに一成さんにフラれて、何年もかけてその想いを断ち切ったと思っていたのに。たったこれだけのことでときめきが舞い戻ってくるなんて、我ながら単純すぎる。
落ち着け私、落ち着け私。
私は一成さんにフラれた身なのよ。ていうか、これは仕事なんだから。
などと心の中で葛藤を繰り返していると、クックッと小さく笑う気配がして少しだけ顔を上げる。
「本当に、相変わらずだな千咲は。初めて会ったときのことを思い出すよ。あのときも顔を真っ赤にしていたな」
ぐっ。
過去を思い出さないでほしい。
初めて会ったときは緊張したのと、一成さんのあまりのかっこ良さにドキドキしていたのだ。
い、今も大人の魅力にあてられているけれど。
「仕事を探していたんだって、妹から聞いたよ。ちょうど猫の手も借りたいところだったんだ」
「あの、私なんかで良かったのでしょうか」
いや、本当に。フッた相手を雇うとかどういう神経してるの。
……フラれた相手の元に、のこのこ働きに来た私も大概だけど。
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