第7回恋愛小説大賞

第7回恋愛小説大賞

選考概要

編集部内で最終的に大賞候補作としたのは「灰色のマリエ」「kiss once again」「「愛の軌跡」の真実」「私、結婚しました!」「瀬戸内レモン」「明日、カフェで会おう」「看板娘ですっ!」「泳ぎ出すカエル」の8作品。
その後の検討の結果、総合的に作品の完成度が高く、編集部内の評価も高かった「泳ぎ出すカエル」を大賞に、また「kiss once again」と「看板娘ですっ!」の2作品を特別賞に選出することとなった。

「泳ぎ出すカエル」は、ホテルに勤めるヒロインが中学時代に好きだった同級生と再会することから始まるラブストーリーで、30代独身女性の恋愛観や仕事に対する思いなどが丁寧かつ巧みに描かれた良作であり、同年代女性読者の共感を呼ぶだろうと高く評価された。

「kiss once again」は、思わぬ妊娠をしてしまった主人公が、悩みながらも仕事と恋、そして「家族」に向き合っていく姿が魅力的に描かれている作品で、ストーリーをぐいぐいと引っ張っていく個性的なキャラクター達が特に際立っていた。
「看板娘ですっ!」は、キャッチーなタイトルに加え、ヒロインがスーツ好きであること、小料理屋が舞台となっていることなど、設定の随所に読者を引きつける要素がちりばめられており、魅力あふれる作品となっていた。


また、「灰色のマリエ」「「愛の軌跡」の真実」「私、結婚しました!」も高い評価を受けた。
「灰色のマリエ」は、辺境の地で育ち、「灰色の視界」を持つヒロインが夫となった男性に生真面目に尽くし、少しずつ愛情を育んでいく様子が丁寧に描かれている作品で、キャラクター達の心情描写が巧みであり、筆者の文章力の高さがうかがえた。
「「愛の軌跡」の真実」は、気がつくと戦場で、しかも女王の身体に入っていたヒロインが、その事態に驚愕しつつも、様々な困難に立ち向かい、精力的に動いていく様が、読者を強く引きつけるものだと評価された。
「私、結婚しました!」はひょんなことからお見合いをし、とんとん拍子で結婚をしたヒロインの結婚生活を描いた作品で、勢いのある展開と好感の持てるキャラクター達が魅力的だった。

またここであげた候補作のほかに、出版の可能性を感じる作品もいくつかあり、編集部で検討し、個別にオファーや打診をしていきたいと思う。

応募総数 445作品 開催期間 2014年02月01日〜末日

編集部より

丁寧な文章で書かれた、非常に完成度の高い作品でした。淡々とした中にも独特の雰囲気があり、読んでいて自然と物語の中に引き込まれていきます。仕事についての考え方や、恋に揺れる気持ちも巧みに表現されており、ヒロインと同世代の30代女性読者は特に強い共感を覚えるのではないでしょうか。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。辺境の地で育ち、「灰色の視界」を持つマリエが夫となったエヴァラードに生真面目に尽くし、少しずつ愛情を育んでいく様子が丁寧に描かれていました。特にキャラクター達の心情描写が巧みで、読み手を物語に引き込む力があると思います。読者の支持が集まるのも納得の作品でした。

看板娘ですっ!

秋縞成
85位 / 445件

編集部より

キャッチーなタイトルに、ヒロインである凛のスーツ好き、それに御曹司や小料理屋などといった、魅力のある設定が光る作品でした。また、凛のキャラには好感が持て、ゆっくりながらも次第にヒーローに惹かれていく過程は、思わず応援したくなりました。今後の展開がどうなっていくのか、非常に楽しみです。

kiss once again

桜 朱理
2位 / 445件

編集部より

喧嘩ばかりしている上司との子供を妊娠してしまった主人公が、悩みながらも仕事と恋、そして「家族」に向き合っていく姿がとても魅力的に描かれている作品でした。不器用ながらも真っ直ぐ突き進む主人公に共感し、鉄仮面なヒーローとの恋愛模様に引き込まれる女性読者も多いのではないかと思います。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

投票ユーザ当選者

投票総数 1,924票 当選 10名