第13回ドリーム小説大賞
選考概要
746作の応募があった第13回ドリーム小説大賞。爽やかな青春を描いた物語から、コメディタッチな作品、さらにスケールの大きい骨太なストーリーなど、まさにドリーム小説大賞の名に相応しい多彩なジャンルの作品が集まり、選考にも力が入った。
13作を残した最終選考候補作の中で、編集部が大賞候補作としたのは、高校女子陸上部の青春ストーリー「【スプリンターズ】少女達の駆ける理由」、心の声が聞こえる女子高生と無口なイケメンのラブコメ「沢田くんはおしゃべり」、悩める若きサラリーマンの再生と成長の物語「俯く俺たちに告ぐ」、シミュレーションゲームとリアルを横断した壮大な戦いを描いた「バトル・オブ・シティ」の4作。
それぞれまったく毛色の異なる作品で読みごたえはあったものの、いずれもあと一歩決め手に欠け、残念ながら大賞の該当作はなしとなった。
その後の議論の末、筆力の高さが窺えた「【スプリンターズ】少女達の駆ける理由」と、読み手の共感を誘う「俯く俺たちに告ぐ」の2作に優秀賞を授与することとし、最終選考に残ったものの、授賞に至らなかった作品を奨励賞とした。
「【スプリンターズ】少女達の駆ける理由」は、高校女子陸上部のリレー競技をテーマに、少女たちの葛藤や成長を描いた青春小説。陸上競技に対する理解度の高さを下地に、主人公はもちろん、ライバルチーム含め、登場するキャラクターを魅力的に表現していた点が評価された。
「俯く俺たちに告ぐ」は、先輩の幽霊との同居をきっかけに主人公が社会人として成長していくストーリー。勤める会社で漠然とした鬱屈を抱える主人公が、先輩の助けを得ながら徐々に仕事にやりがいを見出していく展開は共感しやすく、また丁寧な心情描写と高い構成力も光った。
なし
扉の先のブックカフェ
【スプリンターズ】少女達の駆ける理由
陸上競技の楽しさと葛藤を真っ直ぐに描いていて、冒頭からすぐに引き込まれました。登場キャラクターも個性的かつ魅力に溢れており、アニメ作品を見るような感覚で夢中になりながら読ませていただきました。今後の展開も非常に楽しみです。
俯く俺たちに告ぐ
主人公が先輩の幽霊の助言で前向きに、積極的に仕事に取り組む様は、読者にも明日からの仕事を頑張ろうと思わせてくれる力があります。難しいコンペや先輩との衝突など、緩急のつけられた展開に最後まで目が離せませんでした。
※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。
奨励賞
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息子の押し入れには人外が住んでいる ( 笹木 沢 ) <57 位>
ポイント最上位作品として、”読者賞”に決定いたしました。主人公がブックカフェでの交流によって癒され、芯が強い女性へと成長する姿が素敵です。ひたむきに今を生きる彼女の姿が読者から評価されたのではないでしょうか。