第6回絵本・童話大賞
選考概要
編集部内での議論の末、最終候補作としたのは「雲の国の絵かき」「さむがりループとながぐつ」「百貫姫にまつわる三つの物語」「DragonTail~尾を噛む竜のお話~」「絵本別館/だいすきだよ」の5作品。
選考の結果、いずれもそのまま出版化するのは難しいと考え、編集部内での支持が高く、かつ絵本と児童書、とジャンルの異なる「さむがりループとながぐつ」「DragonTail~尾を噛む竜のお話~」の2作を特別賞に選出することとした。
「さむがりループとながぐつ」は、小さな子どもが大好きな「ぺんぎん」と「ながぐつ」がかわいく描かれた作品で、色使いも美しく、ループのたのしそうな様子をほほえましく見ることができた。本作ではループの成長が描かれていたが、2~3歳児向けを想定し、内容を前半のみにまとめればさらにわかりやすく、魅力的な作品となったであろうと考えた。
一方、「DragonTail~尾を噛む竜のお話~」は王道の設定を用いながらも、展開・キャラクターともによく作り込まれた非常に完成度の高い作品であった。ところどころ大人の目線を感じるところがあったので、児童向けの作品であることをもっと意識すると、より子どもたちに楽しんでもらえる作品になったであろうと考えた。
なし
黒猫とココロのツバサ
さむがりループとながぐつ
小さな子どもが大好きな要素である「ぺんぎん」と「ながぐつ」が、かわいく描かれた作品でした。色使いも綺麗で、ループのたのしそうな様子をほほえましく見ることができます。おかあさんから離れられなかったループが、ながぐつをプレゼントされたことで元気に遊び始めるところなどは、読者の方々もうれしく感じると思います。
DragonTail~尾を噛む竜のお話~
「竜」「魔法使い」「小人」そして「お姫様」と、子どもが喜びそうな題材が多く盛り込まれた魅力的な作品でした。そうした王道のキャラクターを用いながらも、展開がよく作り込まれているために、読者を飽きさせません。それぞれのキャラクターの心の変化や成長も丁寧に描かれており、古典的ながらもひと味違うファンタジー作品に仕上がっていると思います。
※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。
ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。翼を持つ猫というキャラクターがユニークで、またふくろうやカラス、ツバメといった個性豊かな仲間とのやりとりも楽しいものでした。一人ぼっちだった黒猫が、いろんな動物と出会い、仲間を増やし成長していく姿は、多くの読者をわくわくさせたのではないかと思います。