第6回ファンタジー小説大賞
選考概要
編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「とあるおっさんのVRMMO活動記」「異世界転生騒動記」「レジェンド」「弓と剣」「異世界・チートスキル魔物使い」「公爵と子爵の娘の結婚」「鍛冶師ですが何か!」「On your mark!」「魔剣ゾルディの成長記録」「さようなら竜生 こんにちは人生」「転生者はチートを望まない」「魔拳のデイドリーマー」「本一冊で事足りる異世界流浪物語」 「MMORPG?知ってますけどなにか?」「まどろむ愚者のD世界」「トーゴの異世界無双」「WyvernCourier」「クエルクス村駐在官日記」「氷天の波導騎士」「邪悪にして悪辣なる地下帝国物語」「ワールドトークRPG!」の21作品。
VRMMOもの、転生もの、異世界日常もの、女性向け、その枠に納まらない個性的な作品など様々なジャンルから幅広く選び、結果として多くの作品が大賞候補作に選ばれることとなった。
その後、最終選考を進め、大賞候補作として残ったのは「とあるおっさんのVRMMO活動記」「異世界転生騒動記」「弓と剣」「鍛冶師ですが何か!」「転生者はチートを望まない」の5作品。さらなる選考の結果、「とあるおっさんのVRMMO活動記」と「異世界転生騒動記」が大賞候補となったが、「とあるおっさんのVRMMO活動記」は読者賞受賞が決まっていたことから、「異世界転生騒動記」を大賞とし、残り3作品を特別賞に選出した。
「異世界転生騒動記」は、人気の異世界転生という設定に、さらに「前世の記憶が二人分ある」という珍しい要素を加えた意欲作で、ベースとなる今の人格はもちろん、前世の人格も個性的で、読者をひきつけるものであった。また、前世の知識や身についた技術を発揮するシーン構成の巧みさも高く評価された。
「とあるおっさんのVRMMO活動記」は、38歳の男性主人公が、VRMMOを楽しんでいる様子が非常にリアルかつユニークに描かれている作品で、マイペースかつ真面目な主人公に好感がもてるのはもちろん、全体に漂う程良い「ゆるさ」が独特の雰囲気を作り出している、魅力的な作品だった。
「弓と剣」は、ちょっと世間知らずでマイペースな伯爵家三男が、実は弓の達人であるというギャップを活かした設定に加え、主人公ののんびりとした人柄と、周囲の人々との温かいやりとり、そして随所に見える主人公の頑ななまでの誠実さが魅力的で、読んでいて心地よい作品であった。
「鍛冶師ですが何か!」は、刀鍛冶を目指していた青年がひょんなことから異世界にわたって鍛冶師として生きていく話で、ふだんあまりなじみのない「鍛冶師」という仕事についても丁寧に描かれているため、非常にわかりやすく、かつ楽しんで読むことができた。
「転生者はチートを望まない」は、多くの読者に支持される転生やチート設定がバランス良く盛り込まれた作品で、王道設定ならではの親しみやすさに加え、幼い容姿と、大人の精神をもつ主人公のギャップが面白く、女性だけでなく男性も楽しめるストーリーだと評価された。
また大賞候補作は他にも出版に資する作品が多々見受けられ、編集部において出版化を検討したい、あるいは出版化の道を探りたい作品に対して、個別に連絡をしていく予定である。また同じく大賞候補作以外にもレジーナブックスで是非出版化を検討したい作品も少なからずあり、レジーナブックス編集部より個別にオファーあるいは出版化への挑戦の打診をしていきたい。
異世界転生騒動記
とあるおっさんのVRMMO活動記
ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。“おっさん”ことアースが、VRMMOをプレイする様子が、非常にリアルかつユニークに描かれていると思います。安易なチート路線ではなく、鍛錬しながら強化していく過程も、いかにもゲーム的で読み応えがありました。是非アルファポリスから出版したいと思います。
弓と剣
雰囲気が穏やかで、読んでいてとても心地よい作品でした。主人公をはじめとした各キャラクターの人柄がよく、寒くて過ごしづらいはずの北の駐屯地が、非常に居心地のいい場所であるように感じられます。また、主人公ののんびりとした性格と頑固さのバランスが絶妙で、それがさらなる魅力になっていると思いました。ぜひアルファポリスから出版したいと思います。
鍛冶師ですが何か!
転生トリップに、刀鍛冶という要素をうまく絡ませた魅力的な設定でした。「鍛冶師」という職人設定も、資料をもとに丁寧に描かれているため、非常にわかりやすく、かつ楽しんで読むことができます。主人公はもとより、主要キャラの個性も魅力的で、読者を飽きさせない作品に仕上がっていると思いました。是非アルファポリスから出版したいと思います。
転生者はチートを望まない
多くの読者に支持される転生やチート設定を盛り込み、軽快な文章でテンポよく話が進む、大変読みやすい作品でした。設定、ストーリー展開共に読者を飽きさせず、女性だけでなく男性も楽しめるものになっていると思います。この先、主人公がどうやってこのファンタジー世界を生き抜いていくのか、非常に楽しみです。是非レジーナブックスから出版したいと思います。
※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。
ニーズの高い転生モノに、戦国武将、しかも守銭奴である岡左内の生まれ変わりというエッセンスを取り入れた点に魅力を感じました。金貨に興奮するバルドの様子や、そこに絡むキャラクターもユーモラスであり、序盤からどんどん物語に引き込まれました。是非アルファポリスから出版したいと思います。