天正十五年。本能寺において織田信長が討たれ、その後継者になりあがった羽柴秀吉が豊臣と名前を変えたころ、根来忍びの襲撃者から若き日の柳生宗矩を救った謎の少年が京の都にやってきた。巨犬の頭付きの毛皮をまとい、派手やかな稲妻文の着物姿の寛闊な美少年の名は―――「親兵衛」。京の都のものたちが〈犬和郎〉と呼んだ人気者の、武芸者、忍び、海賊、傾奇者たち、挙句の果ては人外の妖魅怪奇相手の大立ち回りと天下の豊臣秀次さえも唸らせた奔放苛烈な大活躍を描く超伝奇時代長編。転生・タイムスリップ・歴史改変などはありません。
文字数 97,529
最終更新日 2023.06.30
登録日 2020.05.01