夢界小説一覧

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誕生日の朝、カイルは町で一番美味しいミルクを買いに出掛けた。 この国では十歳から妖精と契約して、妖精達が住む世界『夢界』に行く事が出来るようになるからだ。 夢界に行けるのは、十歳から大人になるまでの短い期間だけど、多くの子供が妖精と契約できるように頑張ってミルクを用意する。 そして、カイルの頑張りに応えるように、夜に窓をコンコンと叩く音が聞こえた。 喜んでベッドから起きたカイルは、小鳥のように小さく、羽の生えた綺麗な妖精を探した。 だけど、窓の外にいたのは、どう見ても羽の生えていない人間のお兄さんだった。 カイルは「妖精さんだよ。家に入れて」と笑顔で言うお兄さんを無視すると、カーテンを閉めた。 明らかに妖精さんじゃなくて、泥棒さんだった。
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文字数 48,808 最終更新日 2021.11.21 登録日 2021.11.20
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