キャラ文芸 孤独な少女小説一覧
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ある伝説があった
鏡に見そめられた少女は、素敵な殿方と結ばれると
皆、憧れていた
年頃の女子の部屋には、姿見の鏡が置かれていた
どんな鏡でもいいのだ
鏡に自分の姿が映れば
そして、女子はお決まりのセリフを言う
しっかりとめかし込んだ
けれど、それは偽りの自分の容姿を纏わせた姿
唇に紅をさし、肌は透き通るように白粉を塗り
髪は艶が出るように椿油を塗った
その姿で
『鏡よ、鏡よ、鏡さん
私に相応わしい殿方と結ばわせて』
夢見る女子達は何一つ疑わない
皆が自分を美しいと思っているから
けれど、鏡は知っている
女子の中にあるのは、醜い心
その心は、魔女になる証
偽った容姿で、素敵な殿方をと
懇願する女子達に嫌気が指すのは無理もなかった
けれど、その中でセリフを言わなかった者もいたのだ
ただ、鏡を見つめるだけの女子
容姿は見すぼらしかったが、磨けば艶がでるだろう
鏡は興味を湧いた
この女子は、自分にどんな願いを言うのだろう
文字数 2,185
最終更新日 2024.12.04
登録日 2024.12.02
16歳の少女ラフィーナには、居場所がなかった。学校にも、家にも、誰にも頼れない孤独な日々。そんな彼女が深夜、祖母の眠る墓前で涙を流していると、突如として現れたのは“地獄の公爵”アゼル・ナイト──人間界に偵察に訪れていた、魅惑的で冷酷な異世界の貴族。凛々しい容貌とは裏腹に、彼の瞳には地獄の闇が宿っていた。
「おまえ、死を選ぼうとしていたのだな。」
その鋭い一言で、ラフィーナの深い孤独を見抜くアゼル。だが、彼女の清らかな魂は、彼の想像を超えるほど透き通っていて…彼は次第に彼女に惹かれていく。絶望の中にいるラフィーナにとっても、地獄の存在であるはずのアゼルが「唯一話をしてくれた存在」として、心に温もりを与えるのだった。
異世界の公爵と人間少女が織りなすこの物語は、哀しみと希望が交錯する運命の恋物語。二人は、闇の中で光を見出せるのか?孤独な夜に始まる運命の出会いと、そこから生まれる恋の奇跡を、どうぞ見届けてください。
文字数 16,476
最終更新日 2024.11.28
登録日 2024.11.01
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