歴史・時代 崇峻天皇小説一覧

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『日本書紀』に記された崇峻天皇の暗殺事件は、日本史上唯一の弑逆であると云われる。実際には、当時はまだ古代天皇制は成立しておらず、日本という国号もない。倭王であり倭国の時代である。歴史考証に基づいて、史書の脚色をはぎとり、当時の実相を説き明かす。 ※表紙画像は Pxfuel で公開されている無料写真より加工。原画:https://www.pxfuel.com/en/free-photo-ikqtf
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文字数 49,767 最終更新日 2020.06.27 登録日 2020.05.30
 日本の古代史は改竄された。  いや、正史「日本書紀」は、史実を覆い隠すために作られたと言ってもいい。  ただ、そもそも「歴史」というものは、そのようにしてできるものかもしれないのだが。  ーー崇峻天皇は暗殺された。  ーー崇峻崩御に伴う「殯」の儀式を行わず、死後すぐに赤坂天王山古墳に埋葬された。  正史、日本書紀はそのように書く。  しかし、それが真実である可能性は、10パーセントもあろうか。  むしろ、「殯」がなかったのだから、天皇ではなかった。  すなわち、即位すらしていなかった、と考えるほうが自然ではないのか。  その議論で、鍵となるのは泊瀬部皇子=崇峻天皇の「生年」であろう。  他方、崇峻天皇の第一皇子、蜂子皇子はどうだ。  崇峻天皇の崩御後、皇子は都を逃れ、出羽に赴いた、という伝説が残り、その後1400年、その蜂子皇子が開祖とされる羽黒信仰は脈々と続いてきた。  日本書紀にこそ書かれてはいないが、蜂子皇子伝説が史実である可能性は決して低くないだろう。  そして、蜂子皇子の母である、小手姫の伝説はどうか。  なぜ、587年に福島県の女神山で亡くなったという伝説が残るのか。  日本書紀が、崇峻天皇の崩御年とする、592年よりも、5年も前である。  謎は深まるばかりである。  読み解いても、日本の古代史は、決して真実を教えてはくれない。  数々の記録、伝承の断片をつなぎ、蜂子皇子にまつわる逸話に、一つの流れを持たせるために、筆者はこの物語を編んだ。  なお、この作品で、出羽三部作は完結する。
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文字数 87,204 最終更新日 2019.04.30 登録日 2019.04.08
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