幣原春子は高校時代からの親友だ。密かに彼女に憧れていた私は、ある日を境に毎日のように言葉を交わすようになった。しかし春子には、男と遊んでいるという嫌な噂がつきまとう。彼女が他の女子から因縁をつけられていても助けることができなかった私は、友達を名乗る資格があるのだろうか? 葛藤を抱えながら十年、二十年と時が経ち、マグニチュード7の地震が春子の住む秋田市を襲う。彼女からの連絡を受けた私が、その時取った選択は――。田舎町に住む女子たちの関係と友情を描いた”百合”小説。
文字数 27,761
最終更新日 2024.02.06
登録日 2024.02.06