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第三章 和平交渉への旅編

第五十四話 リゾート…

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 獣人国のリゾート地…俺の中では夢が広がっていた。

 


 青い空と広い海に白い砂浜…そして‼︎

 


 こんな感じの水着の獣人達や…

 


 こんな感じのとか…?

 


 こんな感じを想像していた…が?

 行けども行けども潮の香りは全くせずに…着いた場所は、山の中にある娯楽施設が揃う建物があるだけだった。

 


 考えてみれば、リゾートって別に海の事だけを言うわけでは無いよな。

 俺は明らかにガッカリした。

 「どうしたんだ、ヒカルの兄貴?」

 「リゾートと聞いて海と女の子達を想像していたんでしょう。 この世界では漁師以外は海に入る事なんてほとんどありませんと以前伝えた筈ですが…?」

 「良いじゃ無いか、夢を見たって! 水着の女の子達が砂浜でキャッキャ騒いでいる所を想像しても‼︎」

 「水着って…以前妻に着せようとした下着みたいな物ですよね? 家や寝室ならともかく、あんな物を着て外で出歩く様な真似をする人は居ませんよ。」

 そうだった…ここは地球では無い。

 海は浅瀬でも泳ごうとする者は誰もいないんだ。

 「まぁ、海で泳ごうとする者はいませんが…湖ならいるかも知れませんね。」

 「むっ?」

 「ただ時期では無いので、この時期に泳いでいる者はいないでしょうし…水着という下着で泳いでいる者も居ないでしょうね。」

 「まさか…裸で泳いで⁉︎」

 「いえ、服を着ていますよ。 裸で泳ぐって裸族ではあるまいし…」

 俺の夢は潰えてしまった。

 俺が生きているうちに水着の文化と海で泳ぐ文化を広めるとするか‼︎

 俺は新たな野望を胸に実現を…

 「レオーネさん、山のリゾートというと…狩猟がメインでしたっけ?」

 「他にも山菜やリゾート地ではならではの珍しい食材も採れるぞ。」

 「この地方だとピコピコマッシュルとかかな?」

 「他にもネバートレインボーとか、ベルシュリップとかだな。」

 俺の事を無視して3人はこの地で採れる食材の話をしていた。

 だがどの食材を聞いても聞いた事がなくて…形の想像が出来なかった。

 「なんだその…ピコピコなんとかやベルシュなんとかは?」

 「ピコピコマッシュルは逃げ足が早くて捕まえるのが困難で、ベルシュリップは土の中に潜るやつで…」

 「ネバートレインボーは地面から七色の光を放つ奴なのですよ。」

 「魔物の話か?」

 「ううん、植物ですよヒカル様。」

 この世界の植物は逃げたり土に潜るのか。

 地面から七色の光って…そんな奴喰えるのか?

 まぁ、港の屋台でウミウシっぽいのを喰う奴らだしな…食材に関しても地球とは全く異なる物なんだろう。

 「ヒカルの兄貴、捕まえたら調理してくれないか?」

 「そうですね、ヒカル殿なら美味しい物になりそうですしね。」

 「ヒカル様の料理を楽しみにしていますね!」

 料理も何も…名前を聞く限りでは全く想像がつかない物なんだが?

 本当にそれ等は食材になる物なんだよな?

 俺達は宿泊施設に着くとチェックインをしてから準備をした。

 道具を見る限り…本当にこんなので捕まえられる物かと疑わしくなって来る。

 ともあれ、これから狩りの始まりだ!

 果たして…どんな物が採れるんだ⁉︎
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