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第三章 和平交渉への旅編
第四十五話 様々な物達…
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王都コーネリアの国王陛下は玉座で悩んでいた。
「せっかくアレナを貰ってくれる者を見つけたというのに…」
国王的には元婚約者の親であるグスドー辺境伯の事は快く思ってはいなかった。
なので破談になってくれた事は嬉しかったし、ヒカルが候補に上がってくれた事に感激をした。
だが、アレナは…見た目だけは良いが性格がアレなので、いつかボロが出るとは思ったがこんなに早くに出るとは思ってはいなかった。
「さっさと式を挙げておけばよかった。 そうすれば…」
全ての責任は国王が甘やかした事が発端だった。
「アレナを貰ってくれる者は現れるのだろうか?」
国王陛下の苦悩はまだまだ続く…
★☆★☆★☆★
勇者ユージーンは冒険者ギルドの資料室で悩んでいた。
人間族であるユージーンは、他種族の見分けがよく分かっていなかった。
…と言っても、エルフやドワーフは流石に違いが分かるが…?
妖精族と妖魔族の違いが分かってはいなかった。
妖精は何も小型サイズで羽根があって空を飛び回っているだけでは無い。
人間の様な見た目をしているのもいれば、エルフに似た姿を持つ者もいる。
そして妖魔…妖魔にも人間の姿に似た者やエルフに似た姿の者もいる。
人間族以外の種族はそれ等を見分ける事ができるのだが、人間族には同じ様に見えていた。
「違いが分からん! どう違うんだ?」
勇者ユージーンは悪魔討伐を掲げて意気込んでいたが、悪魔族を発見出来ず…どころか間違って妖魔族を悪魔族と間違えて斬り掛かったのだった。
その為に妖精族と妖魔族から抗議を受けて、ちゃんとした知識を身に付けるまでは冒険者ギルドから出させて貰えなかった。
勇者ユージーンは、悪魔探しの旅はまだまだ先になりそうだった。
○●○●○●○●○
モス火山のグレーターサラマンダーは…今日もクラーケンを食べていた。
クラーケンの体長は、グレーターサラマンダーより遥かに大きい。
その為に毎日毎日食べていても中々減らなかった。
「あの人間め…ふざけた事をしやがって‼︎」
グレーターサラマンダーという種族は、竜種の中では比較的に好戦的で暴れ者というイメージが強いが…実は弱い者が大好きなチキン種族である。
自分より弱い者に対しては恐怖を与える為に威嚇をするが、自分より強い者に対しては関わろうとはしなかった。
グレーターサラマンダーは腹が減ると人族の集落に赴いては、家畜の馬や牛を捕食して困らせる顔を見るのが好きだった。
人間の悲鳴や泣き声はグレーターサラマンダーには心地良い響きだった。
そしてヒカルが来る前に巣から旅立とうとしようとした矢先に、まさかあんな大物が上から降って来るとは思わなかった。
ヒカルから見たグレーターサラマンダーは、驚愕と焦りで咆哮を上げていた…事になっているが、グレーターサラマンダー的には焦りと恐怖感による遠吠えだった。
それから始まる死闘…
クラーケンに脚で殴られ締め付けられて死を覚悟した。
だが、タダでやられるには癪だと思って怯ませる為に脚を食いちぎって食しては見たが…クラーケンは怯んでいる様子はなく逆に怒りを震わせて攻撃を繰り出されていた。
締め付けられた時に軋む骨、身体中の痛み、そして背後に迫る死の直感…
グレーターサラマンダーは死が迫っている…と思っていたその時!
クラーケンの勢いが弱くなっていくのを感じてからトドメを刺して死を回避出来た。
だが、何箇所かの複雑骨折で今後の活動が困難になっていた。
だけど目の前には倍近い体長のクラーケンがいるので食料には困らない。
それから毎日の様に貪っているのだが、一向に減っているという気がしなかった。
「あの時の人間め待っていろよ! 身体が完治したら復讐に行くからな‼︎」
だが、グレーターサラマンダーの怪我はヒカルが生きている間に治るのだろうか?
「せっかくアレナを貰ってくれる者を見つけたというのに…」
国王的には元婚約者の親であるグスドー辺境伯の事は快く思ってはいなかった。
なので破談になってくれた事は嬉しかったし、ヒカルが候補に上がってくれた事に感激をした。
だが、アレナは…見た目だけは良いが性格がアレなので、いつかボロが出るとは思ったがこんなに早くに出るとは思ってはいなかった。
「さっさと式を挙げておけばよかった。 そうすれば…」
全ての責任は国王が甘やかした事が発端だった。
「アレナを貰ってくれる者は現れるのだろうか?」
国王陛下の苦悩はまだまだ続く…
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勇者ユージーンは冒険者ギルドの資料室で悩んでいた。
人間族であるユージーンは、他種族の見分けがよく分かっていなかった。
…と言っても、エルフやドワーフは流石に違いが分かるが…?
妖精族と妖魔族の違いが分かってはいなかった。
妖精は何も小型サイズで羽根があって空を飛び回っているだけでは無い。
人間の様な見た目をしているのもいれば、エルフに似た姿を持つ者もいる。
そして妖魔…妖魔にも人間の姿に似た者やエルフに似た姿の者もいる。
人間族以外の種族はそれ等を見分ける事ができるのだが、人間族には同じ様に見えていた。
「違いが分からん! どう違うんだ?」
勇者ユージーンは悪魔討伐を掲げて意気込んでいたが、悪魔族を発見出来ず…どころか間違って妖魔族を悪魔族と間違えて斬り掛かったのだった。
その為に妖精族と妖魔族から抗議を受けて、ちゃんとした知識を身に付けるまでは冒険者ギルドから出させて貰えなかった。
勇者ユージーンは、悪魔探しの旅はまだまだ先になりそうだった。
○●○●○●○●○
モス火山のグレーターサラマンダーは…今日もクラーケンを食べていた。
クラーケンの体長は、グレーターサラマンダーより遥かに大きい。
その為に毎日毎日食べていても中々減らなかった。
「あの人間め…ふざけた事をしやがって‼︎」
グレーターサラマンダーという種族は、竜種の中では比較的に好戦的で暴れ者というイメージが強いが…実は弱い者が大好きなチキン種族である。
自分より弱い者に対しては恐怖を与える為に威嚇をするが、自分より強い者に対しては関わろうとはしなかった。
グレーターサラマンダーは腹が減ると人族の集落に赴いては、家畜の馬や牛を捕食して困らせる顔を見るのが好きだった。
人間の悲鳴や泣き声はグレーターサラマンダーには心地良い響きだった。
そしてヒカルが来る前に巣から旅立とうとしようとした矢先に、まさかあんな大物が上から降って来るとは思わなかった。
ヒカルから見たグレーターサラマンダーは、驚愕と焦りで咆哮を上げていた…事になっているが、グレーターサラマンダー的には焦りと恐怖感による遠吠えだった。
それから始まる死闘…
クラーケンに脚で殴られ締め付けられて死を覚悟した。
だが、タダでやられるには癪だと思って怯ませる為に脚を食いちぎって食しては見たが…クラーケンは怯んでいる様子はなく逆に怒りを震わせて攻撃を繰り出されていた。
締め付けられた時に軋む骨、身体中の痛み、そして背後に迫る死の直感…
グレーターサラマンダーは死が迫っている…と思っていたその時!
クラーケンの勢いが弱くなっていくのを感じてからトドメを刺して死を回避出来た。
だが、何箇所かの複雑骨折で今後の活動が困難になっていた。
だけど目の前には倍近い体長のクラーケンがいるので食料には困らない。
それから毎日の様に貪っているのだが、一向に減っているという気がしなかった。
「あの時の人間め待っていろよ! 身体が完治したら復讐に行くからな‼︎」
だが、グレーターサラマンダーの怪我はヒカルが生きている間に治るのだろうか?
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