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第二章 自分勝手な聖女編

第四十三話 スキル確認…1

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 港街で出港準備に3日を要すると言われた2日目…俺達は宿屋にいた。

 宿のベッドは3つあり、俺が右側にアヴェルユージェンが真ん中でミンフィーリアが左側となっていた。

 アヴェルユージェン曰く…ミンフィーリアの隣に寝る男は自分だけで十分だと言っていた。

 別に同じ部屋で隣にいたからと言って襲う訳じゃないから安心しろと言ったのだが、アヴェルユージェンはそれ以外にも寝ている時のミンフィーリアは無防備で乱れた寝相をすると言われ…誰もその姿を見せたくはないんだそうだ。

 「ならさぁ、別に同じ部屋じゃなくたって良いじゃんかよ! お前ら2人は別な部屋を取ればいいだろ!」

 「これから旅が始まるのだから、抑えるところは押さえておきたいんだよ。 節約は大事ですからね。」

 「アヴェルユージェン…何だか所帯染みているな。」

 俺も地球ではケチって生活をしていたが、数え切れないスキルで無限に大量な物が作れるのでこの世界では金に困ることはなかった。

 困るのは…俺の取得した無駄に多いスキルの方が問題だった。

 実用的な物が多いのは助かるが、それにしても数が多すぎる。

 1個1個調べていたら日が暮れそうになる量だ。

 俺は適当にスクロールしていると…興味を引くスキルを発見した。

 【透視魔法スキル】

 透視魔法と言えば…彼女がいない男子達が夢見る最高のスキルじゃないか‼︎

 …と思っていたのだが、服が透けるという訳ではなく…身体の中の臓器や骨に異常をきたしている箇所を確認する為のスキルだった。

 レントゲンやMRIとかない世界では重宝しそうだな。

 だけど、服の下に隠れている肌の損傷とかは分からないのだろうか?

 すると可視化魔法というスキルを発見した。

 これは盗みを働いた者が服の中に隠した物を透けて見るスキルらしい。

 俺は可視化魔法スキルを発動してから…当然見るのはミンフィーリアだ!

 「ミンフィーリア、ちょっと前に立ってくれるか?」

 そう言ってミンフィーリアは俺の前に立つと、服を透けて裸体を拝む事が出来た。

 …筈だったが、ミンフィーリアの身体は擬態の為に女性体の様な…マネキンに近い感じの物なので本物を見ている感じがしなかった。

 ちなみに見たくはないが、アヴェルユージェンの方を見ても男性器がある訳ではないマネキンの男性骨格の身体だった。

 ミンフィーリアの本来の女性体を見る為には、擬態を解除して妖魔の身体にならないと見れないという事が判明した。

 ただここで擬態を解いて…とお願いした所でアヴェルユージェンが絶対に怪しむ筈なので、いつかお願いしてみようと思った。

 それにしても…攻撃魔法以外に回復魔法や召喚魔法というのはラノベでも見ていたが、透視魔法や可視化魔法なんていうのもあるんだな。

 なら他にもあまり聞いた事がない魔法もあるのではないかと探していると、創造魔法作成スキルというのを発見した。

 この魔法はリストにはない魔法を作り出すことができる魔法らしい。

 …とはいえ、今現在はこれと言って必要な魔法は思い付かないので保留にしておこう。

 「しかしなぁ…異世界に来た理由が魔王討伐の筈なのに、魔王を倒す必要がなくなると何をすれば良いんだろうな?」

 魔王の代わりに悪事を企む悪魔達を倒すというのも立派な目標なのだが、悪魔は狡猾で表立って姿を現さないらしい。

 そして地球の悪魔に関する本の様に悍ましい姿をしている…奴等も居るらしいが、見た目が小動物と変わらない悪魔もいるという話だったが探すのは苦労しそうだな。

 なので悪魔を倒すのはついでとして…特にやる事もないのでアヴェルユージェンの各国の国王に和平交渉や不可侵条約について来ている。

 後、嫁さん探しもだ。

 「理想の嫁が索敵魔法で見つからない物かねぇ?」

 たまにミンフィーリアに聞かれるのだが、アレナの事はもう好きでは無いかと聞かれる事がある。

 容姿は確かに美少女だが、見た目だけが良ければ良いという訳ではないのでもう未練はない。

 ちなみに…アレナがどういう感じかというと、こんな感じだ。


 
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