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第二章 自分勝手な聖女編
第四十一話 海の厄介者の処理の仕方…
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港に着いた俺達がまずした事は、普段滅多に食べられない海産物を食べたり、観光をしたり…という事ではなく船の手配をする事だった。
大陸に渡らなければ話にならない…のだが?
現在港では船の出向が停止されていて船が出せないという話だった。
何故船が出ないのかというと、クラーケンが発情期中に相手を見付けて番になる…筈が、メスに振られてオスが自棄になって通ろうとしている船を次々と壊して回るという話だった。
そう…単なる八つ当たりである。
ならば…港にいる冒険者が撃退すれば問題無いのだろうと思うが、この自棄になっているクラーケンの体格はシーサーペントすら瞬殺出来る位の巨体であるという事だった。
なので港の者達はクラーケンに番が出来るか、発情期が治まる迄の間を待つ事に決めたという話だった。
「そんなしょーも無い理由で足止めかよ!」
「この時期は海生魔物達の発情時期か、しかもクラーケンともなると結構厄介ですね。」
アヴェルユージェンの話によると、クラーケンは個体数が少ない為に番を探すのが偉く困難な種族という話である。
海中のクラーケンの個体はオスが7割でメスが3割という物凄い競争率が高いらしく、番いになる為に殺し合いに勃発するという話だった。
だが、勝利すればメスを手に入れられる…という話でもなく、メスがオスを気に入らなければ番いになる事が決して無いらしい。
「アヴェルユージェン、お前の部下に海の魔物や魔獣は居ないのか?」
「私の部下には居ませんね、海の管轄は別の一派なので私の部下はいませんし、私のいう事も聞きません。」
考えてみると…アヴェルユージェンの幹部や最高幹部は全て陸地の魔物種が主で海の関係の魔物はいなかった。
幹部にはベヒーモス・サイクロプス・ジャイアントオーガ、最高幹部にはヒュドラ・エンシェントドラゴンだった。
海の魔物は…いないな。
「別の一派という事は、別な魔王がいるのか?」
「はい、海魔王という魔王は存在しますが…海の魔物や環境を管理するのが忙しくて地上には滅多に姿を現しません。 まぁ、海生生物は地上に棲息する魔物を全て合わせてもそれより多いですからね。」
「海魔王の巣を攻撃するとかしない限りは大丈夫という事か?」
「そんな事をして怒らせでもしたら、津波を起こして大陸を飲み込む勢いですよ。 まぁ、海魔王の宮殿はかなりの深海にあるという話ですし、そこまで辿り着ける者はまずおりませんからその心配はありませんけどね。」
やっぱり海の統率者の宮殿は深海にあるのか。
それにしてもこうまで旅を阻まれると、誰かの意図を感じる気がするんだよなぁ?
「アヴェルユージェン、奴等の発情期って後どれ位で治まるんだ?」
「えーっと…今が中位くらいだから、あと半月という所でしょうか?」
「半月も足止めかよ⁉ ……倒すか!」
俺の発言にアヴェルユージェンとミンフィーリアが唖然となった。
「いやいやいやいや…ヒカル殿の強さは認めますが、流石にクラーケン相手では無理でしょう!」
「そうですよヒカル様、クラーケンはある程度のダメージを負わせると海中に潜ってしまいますので。」
「ならば海ごと蒸発させてやれば…」
「それこそ海魔王が怒りだしますよ!」
「そうです、お辞めになって下さい‼」
俺は2人に止められてしまった。
…とは言っても、このまま半月も待っていられないしな。
かと言ってもこれはどうしようもない事だったので諦めるしか無いか!
空を飛んで別大陸に行くという手もなくは無いのだが、海の上空には雷雲が立ち込める場所が幾つかあって飛ぶには避けた方が良いとアヴェルユージェンも言っていたしな。
半月もの間を過ごせる暇つぶしはない物だろうかと思ってアレフから貰った地図を広げた。
現在の大陸には砂漠地帯は無い…が火山地帯はある。
その火山地帯にはグレーターサラマンダーという火竜がいるらしい。
火竜はある時期に食料を求めて近隣の街や村を襲うという話だそうで、もしも火山地帯の近くを通る様な事があったら注意をしろと言われた。
「アイツを捕縛して此処に捨てるか!」
俺は浮遊魔法で空に浮かぶと、2人は首を傾げながら聞いて来た。
「ヒカル殿、どうなされたのですか?」
「クラーケンを倒すというのは諦める。」
「ですよね~」
「代わりにクラーケンを捕縛する!」
「はい?」
「さっき地図を見て、クラーケンを捨てるに丁度良い場所を見付けたのでな!」
「捨てるって…あんな巨体を何処に捨てるんですか⁉」
俺はクラーケンの元に飛んで行ってから、サンダーバインドでクラーケンを捕縛した。
そしてそのまま上空に上昇してから、辺境伯領の方にある火山地帯の方に飛翔魔法で飛んで行った。
するとミンフィーリアは馬車で待っていたが、アヴェルユージェンが追い掛けて来た。
「ヒカル殿、一体何処に捨てるつもりですか? 街の近くにでも落とそうものなら大変な被害になりますよ!」
「大丈夫だ、あるドラゴンの巣に放り込むだけだ。 そのドラゴンは今位の時期になると食料を求めて近隣の町や村を襲うという話なので、特大で腹の満たせる物をお届けするんだ。」
「ドラゴンの巣で活動期…という事はモス火山のグレーターサラマンダーですか?」
「さすが魔王だな、詳しいな!」
俺とアヴェルユージェンは火山地帯の溶岩の上に来ると、グレーターサラマンダーが溶岩を泳いでいた。
俺はその溶岩にアイスニードルを放ってからグレーターサラマンダーの注意をこちらに向けた。
「グレーターサラマンダーさんにお届けでーす!」
俺は溶岩に拘束を解いたクラーケンを放り込んだ。
グレーターサラマンダーは足を広げて落下してくるクラーケンに対して驚愕と焦りを込めた咆哮を放った。
だがその咆哮も虚しく、グレーターサラマンダーの上にクラーケンが落ちると…そのまま大乱闘が始まったのだった。
「クラーケンは溶岩でも平気なのか?」
「あの巨体ですからね、海の魔獣が溶岩に強いとは思えませんが…体中の水分が抜ける迄にはかなりの時間を要するのだと思います。」
するとクラーケンがグレーターサラマンダーの体を足で縛り上げていた。
グレーターサラマンダーは反撃の為にクラーケンの足に噛みついてから引き千切って喰らっていた。
「これだけデカければさぞ喰い応えもあるだろう?」
「生半可に攻撃してクラーケンを怒らせていますよ。」
「まぁ、地形の関係からグレーターサラマンダーの方が有利の筈だから負ける事は無いと思うが?」
「でも怒ったクラーケンに体中を締め上げられて苦しそうですよ。」
そんな感じで死闘を繰り広げていた両者だったが、クラーケンも熱の所為で限界が来たのか…グレーターサラマンダーに軍配が上がった。
だが、グレーターサラマンダーもかなりの疲労困憊で動きが物凄く鈍かった。
「これでグレーターサラマンダーも当分の間は街や村を襲う様な事は無いだろう。」
「大量の食糧を入手した訳ですしね…あれだけの物を食したら、少なくとも100年位は活動しないでしょう。」
俺とアヴェルユージェンは港の方に戻って行った。
そして港の漁師連中にクラーケンを討伐したという報告をすると港が再開された…のだが、準備の為にあと3日欲しいと言われた。
なので、その3日間はゆっくり過ごそうと思っていた。
何気に此処の所は色々忙しかったし、観光や食事を楽しむのも良いだろう。
「さて、どんな店があるのだろうか?」
大陸に渡らなければ話にならない…のだが?
現在港では船の出向が停止されていて船が出せないという話だった。
何故船が出ないのかというと、クラーケンが発情期中に相手を見付けて番になる…筈が、メスに振られてオスが自棄になって通ろうとしている船を次々と壊して回るという話だった。
そう…単なる八つ当たりである。
ならば…港にいる冒険者が撃退すれば問題無いのだろうと思うが、この自棄になっているクラーケンの体格はシーサーペントすら瞬殺出来る位の巨体であるという事だった。
なので港の者達はクラーケンに番が出来るか、発情期が治まる迄の間を待つ事に決めたという話だった。
「そんなしょーも無い理由で足止めかよ!」
「この時期は海生魔物達の発情時期か、しかもクラーケンともなると結構厄介ですね。」
アヴェルユージェンの話によると、クラーケンは個体数が少ない為に番を探すのが偉く困難な種族という話である。
海中のクラーケンの個体はオスが7割でメスが3割という物凄い競争率が高いらしく、番いになる為に殺し合いに勃発するという話だった。
だが、勝利すればメスを手に入れられる…という話でもなく、メスがオスを気に入らなければ番いになる事が決して無いらしい。
「アヴェルユージェン、お前の部下に海の魔物や魔獣は居ないのか?」
「私の部下には居ませんね、海の管轄は別の一派なので私の部下はいませんし、私のいう事も聞きません。」
考えてみると…アヴェルユージェンの幹部や最高幹部は全て陸地の魔物種が主で海の関係の魔物はいなかった。
幹部にはベヒーモス・サイクロプス・ジャイアントオーガ、最高幹部にはヒュドラ・エンシェントドラゴンだった。
海の魔物は…いないな。
「別の一派という事は、別な魔王がいるのか?」
「はい、海魔王という魔王は存在しますが…海の魔物や環境を管理するのが忙しくて地上には滅多に姿を現しません。 まぁ、海生生物は地上に棲息する魔物を全て合わせてもそれより多いですからね。」
「海魔王の巣を攻撃するとかしない限りは大丈夫という事か?」
「そんな事をして怒らせでもしたら、津波を起こして大陸を飲み込む勢いですよ。 まぁ、海魔王の宮殿はかなりの深海にあるという話ですし、そこまで辿り着ける者はまずおりませんからその心配はありませんけどね。」
やっぱり海の統率者の宮殿は深海にあるのか。
それにしてもこうまで旅を阻まれると、誰かの意図を感じる気がするんだよなぁ?
「アヴェルユージェン、奴等の発情期って後どれ位で治まるんだ?」
「えーっと…今が中位くらいだから、あと半月という所でしょうか?」
「半月も足止めかよ⁉ ……倒すか!」
俺の発言にアヴェルユージェンとミンフィーリアが唖然となった。
「いやいやいやいや…ヒカル殿の強さは認めますが、流石にクラーケン相手では無理でしょう!」
「そうですよヒカル様、クラーケンはある程度のダメージを負わせると海中に潜ってしまいますので。」
「ならば海ごと蒸発させてやれば…」
「それこそ海魔王が怒りだしますよ!」
「そうです、お辞めになって下さい‼」
俺は2人に止められてしまった。
…とは言っても、このまま半月も待っていられないしな。
かと言ってもこれはどうしようもない事だったので諦めるしか無いか!
空を飛んで別大陸に行くという手もなくは無いのだが、海の上空には雷雲が立ち込める場所が幾つかあって飛ぶには避けた方が良いとアヴェルユージェンも言っていたしな。
半月もの間を過ごせる暇つぶしはない物だろうかと思ってアレフから貰った地図を広げた。
現在の大陸には砂漠地帯は無い…が火山地帯はある。
その火山地帯にはグレーターサラマンダーという火竜がいるらしい。
火竜はある時期に食料を求めて近隣の街や村を襲うという話だそうで、もしも火山地帯の近くを通る様な事があったら注意をしろと言われた。
「アイツを捕縛して此処に捨てるか!」
俺は浮遊魔法で空に浮かぶと、2人は首を傾げながら聞いて来た。
「ヒカル殿、どうなされたのですか?」
「クラーケンを倒すというのは諦める。」
「ですよね~」
「代わりにクラーケンを捕縛する!」
「はい?」
「さっき地図を見て、クラーケンを捨てるに丁度良い場所を見付けたのでな!」
「捨てるって…あんな巨体を何処に捨てるんですか⁉」
俺はクラーケンの元に飛んで行ってから、サンダーバインドでクラーケンを捕縛した。
そしてそのまま上空に上昇してから、辺境伯領の方にある火山地帯の方に飛翔魔法で飛んで行った。
するとミンフィーリアは馬車で待っていたが、アヴェルユージェンが追い掛けて来た。
「ヒカル殿、一体何処に捨てるつもりですか? 街の近くにでも落とそうものなら大変な被害になりますよ!」
「大丈夫だ、あるドラゴンの巣に放り込むだけだ。 そのドラゴンは今位の時期になると食料を求めて近隣の町や村を襲うという話なので、特大で腹の満たせる物をお届けするんだ。」
「ドラゴンの巣で活動期…という事はモス火山のグレーターサラマンダーですか?」
「さすが魔王だな、詳しいな!」
俺とアヴェルユージェンは火山地帯の溶岩の上に来ると、グレーターサラマンダーが溶岩を泳いでいた。
俺はその溶岩にアイスニードルを放ってからグレーターサラマンダーの注意をこちらに向けた。
「グレーターサラマンダーさんにお届けでーす!」
俺は溶岩に拘束を解いたクラーケンを放り込んだ。
グレーターサラマンダーは足を広げて落下してくるクラーケンに対して驚愕と焦りを込めた咆哮を放った。
だがその咆哮も虚しく、グレーターサラマンダーの上にクラーケンが落ちると…そのまま大乱闘が始まったのだった。
「クラーケンは溶岩でも平気なのか?」
「あの巨体ですからね、海の魔獣が溶岩に強いとは思えませんが…体中の水分が抜ける迄にはかなりの時間を要するのだと思います。」
するとクラーケンがグレーターサラマンダーの体を足で縛り上げていた。
グレーターサラマンダーは反撃の為にクラーケンの足に噛みついてから引き千切って喰らっていた。
「これだけデカければさぞ喰い応えもあるだろう?」
「生半可に攻撃してクラーケンを怒らせていますよ。」
「まぁ、地形の関係からグレーターサラマンダーの方が有利の筈だから負ける事は無いと思うが?」
「でも怒ったクラーケンに体中を締め上げられて苦しそうですよ。」
そんな感じで死闘を繰り広げていた両者だったが、クラーケンも熱の所為で限界が来たのか…グレーターサラマンダーに軍配が上がった。
だが、グレーターサラマンダーもかなりの疲労困憊で動きが物凄く鈍かった。
「これでグレーターサラマンダーも当分の間は街や村を襲う様な事は無いだろう。」
「大量の食糧を入手した訳ですしね…あれだけの物を食したら、少なくとも100年位は活動しないでしょう。」
俺とアヴェルユージェンは港の方に戻って行った。
そして港の漁師連中にクラーケンを討伐したという報告をすると港が再開された…のだが、準備の為にあと3日欲しいと言われた。
なので、その3日間はゆっくり過ごそうと思っていた。
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