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第一章 魔王軍討伐編

第八話 罰ゲーム…

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 「アレフ、アレナ…合格で許可が降りたので、残り6日は好きな事をしていても平気だぞ!」

 俺の言葉を聞いて2人は明るい表情をしていた。

 「ならば、僕とのチェスの対戦を!」

 「私とリバーシをしましょう!」

 2人は盤を持って来て俺の前で意気込んでいた。

 だけど…2人にとっては今までに碌な遊具がない為に新鮮かもしれないが、俺は別にやっていても楽しい訳ではない。

 この2人の性格だと、下手したら残り6日間はコレらに費やされるだろう。

 流石にそれは避けたい…ので、他の遊具も作り出す事にした。

 でもその前に1戦受けてやるか!

 …その前に…?

 「アレフ、軍事作戦の…軍師とかに声を掛けられたか?」

 「あぁ、僕の師であるネファイトスという者を呼んでいる。」

 「そいつはいつ来る?」

 「今日は来れないが明日に来ると約束をしてくれた。」

 「なら今日だけは付き合ってやるが、明日からはそいつとやってくれ。 アレナの方はどうだった?」

 「私の知人の貴族令嬢達に通達しましたが、流石に今日中に来る事はないと思います。」

 「なら貴族令嬢達にもやり方を教えて、明日からはそっちでやってみると良い。」

 「ヒカルは付き合ってはくれないのですか?」

 「流石にチェスとリバーシを連日するのは飽きるし気が滅入るからな。 他の遊具も用意しようと思っている。」

 「僕達にはコレだけですら十分に凄いと思うのに、まだ他にも遊具があるのか…」

 まぁ…魔王云々の話が無ければ、このくらいの遊具はすぐに思い付くだろう。

 魔王が君臨している間は普通に考えて遊んでいる余裕は無いだろうからな。

 「それに双子同士でやるのも良いんじゃないか? この2つの遊具は2人で遊ぶ為のものだしな。」

 「ヒカルがいるから可能であって、ヒカルが居なければ遊ぶことは出来ないだろう。」

 「とは言ったって、雑務や勉強を寝るまでずっとやっている訳ではないだろう? 多少の空き時間に息抜き位には時間くらい取れるだろうし…」

 「それは多少の時間は取れるかもしれないけど…」

 やはりこのご時世では難しいのだろうか?

 ならば2人の為に魔王討伐を早くに終わらせるとするかね。

 「それよりも…僕と勝負をしてくれ!」

 「やるのは構わないが、2人同時にというのは勘弁してくれ。 ルールを覚えて対戦をした後だと、流石に知略を駆使して挑んでくる訳だし…別々な遊具で考えながらでは骨が折れる。」

 「なら私が最初に!」

 「いや、僕が先だ!」

 「いやいや喧嘩するなよ、ちゃんと2人と対戦してやるから…だけど普通にやっているだけでは芸がないのでちょっとした罰ゲームを考えておいた。」

 「「罰ゲーム?」」

 俺は角材からマネキンを2体作り出してから、1つには花柄・リボン・フリルなどのガーリッシュを着せて…もう1つにはビキニアーマーを着させた。

 2人はこの世界には無い服を見て不思議そうな顔をしていた。

 「これの何処が罰ゲームなの? 私はこの服なら着てみたいと思うけど…」

 「ゲームで対戦してアレフが敗北したら、このフリフリの服を着させて…アレナが負けたらビキニアーマーを着て貰います。」

 「この部屋だけだったら別に構わないが…」

 「はぁ? それの何処が罰ゲームなんだよ、負けたら今日1日はこの格好だよ。 雑務が無いから食事の時に家族に見られたり、部屋から出ればメイド達に見られるかも知れないが…」

 「ちょっとヒカル、この鎧って…ほとんど露出しているんだけど?」

 「ちゃんと隠れる場所は隠れているだろ? まぁ、側から見たら下着と大差がないが…」

 「こんなの着れるか!」

 「そうよ、着れないわよ!」

 「2人とも何か勘違いをしているみたいだが…要は勝てば良いんだよ、勝てばな!」

 俺は2人に悪どい笑いを放って見せた。

 2人は凄くやる気に満ちていた。

 …ところが?

 結果は2人とも負けて…アレフはヒラヒラのガーリッシュを着せられて、アレナはビキニアーマーを着る羽目になった。

 着替えを手伝ったのはこの城のメイド達で…大爆笑をしている俺以外は、メイド達は必死に笑いを堪えている感じだった。

 そして食事の時間に食堂に移動する際に、他のメイド達や騎士に見られ…

 食堂に着けば国王と王妃にその姿を見られていた。

 最初は何事かと慌てた国王と王妃だったが、俺が事情を説明して理解をして貰った。

 そして再び部屋に戻ると2人から起こりながら言ってきた。

 「ヒカル…忘れないぞこの屈辱!」

 「次こそは私が勝ってヒカルに酷い目に遭わせてあげるわ!」

 「ならば俺に勝ってその服を俺に着させてくれよ、まぁ…お前ら程度の知略では一生着ることは無いだろうけどな‼︎」

 こうしてその日は終わった。

 俺が魔王討伐の旅に出れば、こんな馬鹿をやる時間はまず無いだろう。
 
 2人には気の毒だが、もう少しこんな時間を楽しませてくれよ。
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