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第四章 バーンシュタット魔法道具店 開店
第八話 厄介者との出会い・後編
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序章を読んだ人は疑問に思っているかも知れないけど、ドミニクとの出会いは…下級ポーション用の薬草を採取する際にドラゴンに襲われている騎士団を助けた。
…という事になっているのだけど、それは後日に騎士団が私の店に来た時に尋ねれられたのでそう答えただけだった。
実際は緑園龍を守る為に騎士団の中心に大爆発を放ったら全員気絶をしていたので有耶無耶にする為に敢えてそう嘘をついたのでした。
だって、一歩間違えたら犯罪者になりかねないじゃ無いですか!
1番重症だったドミニク殿下にはポーションで回復し、他の騎士団達も回復魔法で癒してあげたので…イーブンです!
(いえ、立派な犯罪です!)
そして序章の内容の後から話は続きます。
現在、私の目の前では…ドミニクとレイヴンが睨み合っていた。
何故そんな事になっているかというと、ドミニクの熱烈な愛情表現に対して塩対応を続けていたら、強硬手段に出てカウンターの中に入って来て私の腕を掴んで嫌がっている素振りを見せている所にレイヴンが入って来て…
「おい、リアーナを離せ‼︎」
レイヴンは私の腕を掴んでいるドミニクの手に手刀を当てて離すと、私を抱き寄せて言った。
「大丈夫だったか、リアーナ?」
「はい、助かりました…」
一方的に好き好き光線を出して迫って来るドミニクに比べると、多少強引だけど優しく接してくれるレイヴンの方が安心感がある。
「いつまでそうしているんだ! 早く離れろ‼︎」
ドミニクはイラついた声を上げて言った。
「君が誰だかは知らないが…女性に対する礼儀がなっていないな。」
「何だと! 俺を誰だか分かっていて言っているのか‼︎」
「女性の扱い方がまるで分かっていない不埒な男というのは分かるが…」
「俺はテルシェリア王国の第一王子ドミニクだ‼︎」
「なるほど! 流石、山の国の猿は礼儀というのを持ち合わせないらしいな。 少しは人に対する…いや、人間と接する礼儀を覚えてから出直して来ると良い。」
「あぁ⁉︎」
私はレイヴンの発言に焦りを感じていた。
辺境伯はその国の防衛を担う上位貴族ではあるけど、他国とはいえ…王族相手に煽る様な発言をしても平気なのかと不安になって来る。
「貴様…不敬だぞ! それに貴様こそ何者だ‼︎」
「私はレイヴン・シュナイダー・ガナーレル…ベルシュナーデ王国のガナーレル辺境伯だが?」
「なっ! たかが辺境伯如きが……」
ドミニクはそう言ってレイヴンに襲い掛かろうとすると、背後に控えていたテルシェリア騎士団が総出でドミニクを取り押さえた。
「何をしやがる! 離せお前等‼︎」
「ドミニク殿下、他国の王子でもベルシュナーデ王国の一般の貴族よりは立場が上ですが、辺境伯ともなると立場が全く違います‼︎」
「ガナーレル辺境伯と言えば、ベルシュナーデ王国の国王陛下の盾と呼ばれる人物です! その様な方に危害を加えようものなら…」
騎士団の言葉により、ドミニクは大人しくなった。
ドミニクは脳筋な人間だが、流石にその辺の事は弁えていた。
小国とはいえテルシェリア王国の国王ならば、大国のベルシュナーデ王国の辺境伯よりは立場が上なのだけど、王子ではそこまで身分は高く無く…侯爵位と同等位の権限だった。
だが、レイヴンはベルシュナーデ王国の国王陛下の盾と呼ばれる者で爵位は公爵になる。
するとドミニクよりも立場が上なのだった。
「辺境伯如き…か…」
「い、いや………」
「この件は国王陛下に進言し、テルシェリア王国に厳重に抗議を入れてもらう様に手配をしておこう。」
ドミニクは青い顔をして震えていた。
それもその筈…下手すれば国交問題に発展するだけでは無く、宣戦布告をした発言ともとられるからだった。
小国テルシェリア王国と大国ベルシュナーデ王国では戦力はまるで違う。
ベルシュナーデ王国がテルシェリア王国に攻めて来たら、まず勝ち目が無いからだった。
ドミニクはそのまま騎士団に連行される形で店を出て行った。
「これで、あの無礼な輩は今後は店に来る事はない…と思いたいが?」
「流石に今回の事で懲りたでしょうし…あ、でもどうでしょうか?」
「リアーナ、安心しなさい。 今回の事は国王陛下の耳にも入れておこう。 現段階ではあの無礼な猿は国に留まっていると思うが、流石に祖国から帰還命令が出れば留まるわけには行かないだろうからね。」
「だと良いのですが…」
レイヴンは私の頭を撫でながら優しそうな笑みを浮かべて見つめて来た。
あまり見た事がないその視線に、私の心が少し騒ついたのだった。
こうしてこのお騒がせな件は無事に終了した。
それにしても、ドミニクはほんっっっとうにしつこかった。
最初は結婚を前提に付き合えと言って来て、翌日には俺と結婚をしろと迫って来た。
更にはテルシェリアに連れ帰るから店員を辞めろとか、一生面倒を見てやるとか…上から目線で物を言われて腹が立っていた。
見た目は決して悪くはないけど、ドミニオンと同じ匂いを感じていて…流石に兄弟だと実感していたくらいだった。
「でも、これでもう会う事はないわよね…?」
この時はそう思っていたんだけど、ドミニクは後日にまた現れる事になる。
そして私は気苦労に悩まされる事になるのだった。
…という事になっているのだけど、それは後日に騎士団が私の店に来た時に尋ねれられたのでそう答えただけだった。
実際は緑園龍を守る為に騎士団の中心に大爆発を放ったら全員気絶をしていたので有耶無耶にする為に敢えてそう嘘をついたのでした。
だって、一歩間違えたら犯罪者になりかねないじゃ無いですか!
1番重症だったドミニク殿下にはポーションで回復し、他の騎士団達も回復魔法で癒してあげたので…イーブンです!
(いえ、立派な犯罪です!)
そして序章の内容の後から話は続きます。
現在、私の目の前では…ドミニクとレイヴンが睨み合っていた。
何故そんな事になっているかというと、ドミニクの熱烈な愛情表現に対して塩対応を続けていたら、強硬手段に出てカウンターの中に入って来て私の腕を掴んで嫌がっている素振りを見せている所にレイヴンが入って来て…
「おい、リアーナを離せ‼︎」
レイヴンは私の腕を掴んでいるドミニクの手に手刀を当てて離すと、私を抱き寄せて言った。
「大丈夫だったか、リアーナ?」
「はい、助かりました…」
一方的に好き好き光線を出して迫って来るドミニクに比べると、多少強引だけど優しく接してくれるレイヴンの方が安心感がある。
「いつまでそうしているんだ! 早く離れろ‼︎」
ドミニクはイラついた声を上げて言った。
「君が誰だかは知らないが…女性に対する礼儀がなっていないな。」
「何だと! 俺を誰だか分かっていて言っているのか‼︎」
「女性の扱い方がまるで分かっていない不埒な男というのは分かるが…」
「俺はテルシェリア王国の第一王子ドミニクだ‼︎」
「なるほど! 流石、山の国の猿は礼儀というのを持ち合わせないらしいな。 少しは人に対する…いや、人間と接する礼儀を覚えてから出直して来ると良い。」
「あぁ⁉︎」
私はレイヴンの発言に焦りを感じていた。
辺境伯はその国の防衛を担う上位貴族ではあるけど、他国とはいえ…王族相手に煽る様な発言をしても平気なのかと不安になって来る。
「貴様…不敬だぞ! それに貴様こそ何者だ‼︎」
「私はレイヴン・シュナイダー・ガナーレル…ベルシュナーデ王国のガナーレル辺境伯だが?」
「なっ! たかが辺境伯如きが……」
ドミニクはそう言ってレイヴンに襲い掛かろうとすると、背後に控えていたテルシェリア騎士団が総出でドミニクを取り押さえた。
「何をしやがる! 離せお前等‼︎」
「ドミニク殿下、他国の王子でもベルシュナーデ王国の一般の貴族よりは立場が上ですが、辺境伯ともなると立場が全く違います‼︎」
「ガナーレル辺境伯と言えば、ベルシュナーデ王国の国王陛下の盾と呼ばれる人物です! その様な方に危害を加えようものなら…」
騎士団の言葉により、ドミニクは大人しくなった。
ドミニクは脳筋な人間だが、流石にその辺の事は弁えていた。
小国とはいえテルシェリア王国の国王ならば、大国のベルシュナーデ王国の辺境伯よりは立場が上なのだけど、王子ではそこまで身分は高く無く…侯爵位と同等位の権限だった。
だが、レイヴンはベルシュナーデ王国の国王陛下の盾と呼ばれる者で爵位は公爵になる。
するとドミニクよりも立場が上なのだった。
「辺境伯如き…か…」
「い、いや………」
「この件は国王陛下に進言し、テルシェリア王国に厳重に抗議を入れてもらう様に手配をしておこう。」
ドミニクは青い顔をして震えていた。
それもその筈…下手すれば国交問題に発展するだけでは無く、宣戦布告をした発言ともとられるからだった。
小国テルシェリア王国と大国ベルシュナーデ王国では戦力はまるで違う。
ベルシュナーデ王国がテルシェリア王国に攻めて来たら、まず勝ち目が無いからだった。
ドミニクはそのまま騎士団に連行される形で店を出て行った。
「これで、あの無礼な輩は今後は店に来る事はない…と思いたいが?」
「流石に今回の事で懲りたでしょうし…あ、でもどうでしょうか?」
「リアーナ、安心しなさい。 今回の事は国王陛下の耳にも入れておこう。 現段階ではあの無礼な猿は国に留まっていると思うが、流石に祖国から帰還命令が出れば留まるわけには行かないだろうからね。」
「だと良いのですが…」
レイヴンは私の頭を撫でながら優しそうな笑みを浮かべて見つめて来た。
あまり見た事がないその視線に、私の心が少し騒ついたのだった。
こうしてこのお騒がせな件は無事に終了した。
それにしても、ドミニクはほんっっっとうにしつこかった。
最初は結婚を前提に付き合えと言って来て、翌日には俺と結婚をしろと迫って来た。
更にはテルシェリアに連れ帰るから店員を辞めろとか、一生面倒を見てやるとか…上から目線で物を言われて腹が立っていた。
見た目は決して悪くはないけど、ドミニオンと同じ匂いを感じていて…流石に兄弟だと実感していたくらいだった。
「でも、これでもう会う事はないわよね…?」
この時はそう思っていたんだけど、ドミニクは後日にまた現れる事になる。
そして私は気苦労に悩まされる事になるのだった。
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