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第四章 バーンシュタット魔法道具店 開店

第一話 重要な悩み…

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 ドミニクからの告白めいた発言の3ヶ月前…

 私は現在…とある問題に悩まされています。

 お店となる物件が決まり、内装も終わり、商品の陳列も大体終わりました。

 いつでもオープン出来そうな状態に仕上がっているお店なのですが…?

 パテットの一言でそれが発覚しました。

 「リア、お店の名前はどうするんだい?」

 「お店の名前? 魔法道具店だけど…」

 「それは店の中にある商品はそうだろうけど、決めるのはお店の名前だよ。 ただの魔法道具店だけだと、そこらにある雑貨屋と区別がつかなくなるよ。」

 …そう、この商店街の店名には必ず人の名前が入っている。

 【マルグレーテの美味しいパン屋】【ボルグワーツの雑貨店】【カメリア食堂】【ダメルブリーゼの武器屋】【ゲルギッシュの防具屋】等など…

 私の名前を入れて…となると、2つの名前がある私だと…?

 【レオナリア魔法道具店】…?

 【リアーナ魔法雑貨店】…?

 「テールナール…はないか~」

 そういえば商業ギルドにお店を開店する際に、店名を決めてくれと言われたっけ?

 最初の段階ではお店の名前はすぐには決まらないだろうから、後回しでも良いと言われた。

 私はその事をすっかり忘れていた。

 「名前を入れるには、元の名前は入れない方が良いよ~となると、やっぱりリアーナ魔法道具店になっちゃうのかな?」

 「リアは副店長で店長は別にいるという設定だと、リアーナ魔法道具店ではまずいでしょう。 テールナールが無いなら、バーンシュタットの名前の方を採用してみたら?」

 「バーンシュタット魔法道具店かぁ…でもこの名前でグランマに辿り着かないかな?」

 「各国の国王とかならともかく、幾ら大国だからって大統領のフルネームを知っている人は少ないと思うよ。 国王だって名字まで知っている人も少ないだろうからね。」

 まぁ、自国民ですら国王陛下の名前を知っている人は少ない。

 私だって謁見の間でパテットが名前を言わなければ、国王陛下の名前すら知らなかったくらいだから。

 ましてや名字になると、それこそ知っている人は少ないだろう。

 自らが大体的に名乗っていれば別だろうけど?

 「なら、バーンシュタット魔法道具店で決まりだね。 名付け親はパテットお婆ちゃんが命名。」

 「だ~れがお婆ちゃんだ!」

 「メルーファよりも年上なら、十分にお婆ちゃんでしょ?」

 「・・・・・・・・・」

 これで店名も決まった事だし、やっとお店をオープン出来るわ!

 「あーリア…後、散々無理して手伝って貰った彼にも伝えておくのを忘れない様にね。」

 「あ、すっかり忘れてた! 思い出させてくれてありがとう、さっすが年の功!」

 「リア、さっきから喧嘩を売っているのかい?」

 私はパテットに言われるまで、彼の存在を忘れていた。

 色々率先して手伝ってくれていたのに…。

 その彼とは?
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