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第三章 魔法道具店の開店迄のクエスト
第十九話 意識の芽生え?
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「やっと帰って来れたわ…」
「なんか長かったね。」
ベルシュナーデ王国から3日位しか離れていない筈なのに、1週間くらい離れているような疲れが出た。
温泉の帰りに私とパテットはグランマの家に寄って、庭から薬草を採取した…んだけど、物の2・3時間で採取した部分の薬草が成長したので何度か採取した。
その後に作れるだけのポーションを作った。
下級のローポーション、中級のミドルポーション、上級のハイポーションなどなど…
私はエリクサーは作れない。
いや、全く作れない事はないんだけど…あれは1個完成するまでに1週間近く掛かるので、出来れば作りたくはない。
一応以前ベルシュナーデ王国に来る前に作った事はあるけど、とにかく作るまでに結構苦労した。
私は完成したポーション3種類のポーションを今回のお礼としてパテットに渡した。
「かなりのポーションを作ったみたいだけど、テルシェリアに渡す量にしては少なくないかな?」
「テルシェリアに渡す量なんて作ってないよ?」
「え…だって?」
「私はテルシェリア王国に…とは言ったけど、毎月とは言ってないよ。 だって、納品関係の話し合いを一切しなかったからね。」
「だからリアは早く国を出たかったのか。」
「それに今の私が何処にいるかだなんてテルシェリア王国の人は誰も知らないしね。」
ベルシュナーデ王国ではリアーナ・バーンシュタットとして活動するから、レオナリア・テールナールを探すと言っても見つかる訳がない。
まぁ、問い合わせにディスガルディア共和国にするかも知れないけど…あんな遠くに手紙を送っても返事が返ってくるまでには相当先になるだろう。
私とパテットは冒険者ギルドの横の酒場に向かうと、メンバーが揃っていた。
「おかえり、リアーナ…首尾はどうだった?」
私はギルの言葉にドキッとさせられながらも、テルシェリア国王の承認を受けた書類を見せた。
「この通りバッチリ!」
「これで店が開ける訳だな!」
パテットが温泉で変なことを言うものだから、なんか変に意識してしまっていた。
だけどパテットは通常通りで話し始めた。
「…と言いたいところだけど、次は物件を見付けないとだね。 メル、良い物件はあったかな?」
「王都の商店街内では見当たらなかったわね。 でも、少し外れになるけど…其処には条件に当てはまる物件はあったわね。」
パテットの質問にメルーファは答えた。
どうやらメルーファは、物件探しをしていてくれていたみたいだった。
メルーファの指定した場所の地図を見ようとすると、私の顔の横にソーマの顔があった。
私は思わず後ろに飛び退いた。
「どうしたんだ、リアーナ?」
ソーマが心配して私の顔を覗いていた。
私は「大丈夫!」…と言って距離をあけた。
これもパテットの所為だ…私はパテットを睨むと、パテットは何かニヤついた顔をしながらメルーファに耳打ちしていた。
すると、メルーファも私の顔を見ながら笑みを浮かべていた。
「顔が赤いな?」
そう言ってレイヴンが私の額に手を当てた。
私は思わず…「きゃっ!」と変な声を出してしまった。
女性達はニヤケ顔で男性陣はキョトン顔…私は深呼吸して意識しない様に集中した。
…ところが、意識しない様にと思えば思うほどに意識してしまう。
ルーナリアなら上手く立ち振る舞えるだろうけど、私にはこういった男性との免疫が殆どない。
一時はギルと一緒に行動していた時はあっても、接近は控えていた。
だって接近し過ぎると、厄介なギルの追っ掛けにまた囲まれるからだ。
なので、ここまで近い距離は初めてだった。
「と…とりあえず、そ…その物件を見てみたいかなぁ…」
「なんか具合が悪そうだしソーマ、リアの手を取ってあげて。」
ソーマは私の手を取ると、「ひゃう!」と声を上げながら後ろに倒れそうになると、レイヴンが抱き止めてくれた。
私はもういっぱいいっぱいで…顔があかくなりすぎていた。
その様子を見てパテットはお腹を押さえながらケタケタと笑っていた。
私は本当にどうなってしまったのだろうか?
もう…彼等に触れられてしまうと、普通ではいられなくなる。
これって一体何なのかなぁ?
「なんか長かったね。」
ベルシュナーデ王国から3日位しか離れていない筈なのに、1週間くらい離れているような疲れが出た。
温泉の帰りに私とパテットはグランマの家に寄って、庭から薬草を採取した…んだけど、物の2・3時間で採取した部分の薬草が成長したので何度か採取した。
その後に作れるだけのポーションを作った。
下級のローポーション、中級のミドルポーション、上級のハイポーションなどなど…
私はエリクサーは作れない。
いや、全く作れない事はないんだけど…あれは1個完成するまでに1週間近く掛かるので、出来れば作りたくはない。
一応以前ベルシュナーデ王国に来る前に作った事はあるけど、とにかく作るまでに結構苦労した。
私は完成したポーション3種類のポーションを今回のお礼としてパテットに渡した。
「かなりのポーションを作ったみたいだけど、テルシェリアに渡す量にしては少なくないかな?」
「テルシェリアに渡す量なんて作ってないよ?」
「え…だって?」
「私はテルシェリア王国に…とは言ったけど、毎月とは言ってないよ。 だって、納品関係の話し合いを一切しなかったからね。」
「だからリアは早く国を出たかったのか。」
「それに今の私が何処にいるかだなんてテルシェリア王国の人は誰も知らないしね。」
ベルシュナーデ王国ではリアーナ・バーンシュタットとして活動するから、レオナリア・テールナールを探すと言っても見つかる訳がない。
まぁ、問い合わせにディスガルディア共和国にするかも知れないけど…あんな遠くに手紙を送っても返事が返ってくるまでには相当先になるだろう。
私とパテットは冒険者ギルドの横の酒場に向かうと、メンバーが揃っていた。
「おかえり、リアーナ…首尾はどうだった?」
私はギルの言葉にドキッとさせられながらも、テルシェリア国王の承認を受けた書類を見せた。
「この通りバッチリ!」
「これで店が開ける訳だな!」
パテットが温泉で変なことを言うものだから、なんか変に意識してしまっていた。
だけどパテットは通常通りで話し始めた。
「…と言いたいところだけど、次は物件を見付けないとだね。 メル、良い物件はあったかな?」
「王都の商店街内では見当たらなかったわね。 でも、少し外れになるけど…其処には条件に当てはまる物件はあったわね。」
パテットの質問にメルーファは答えた。
どうやらメルーファは、物件探しをしていてくれていたみたいだった。
メルーファの指定した場所の地図を見ようとすると、私の顔の横にソーマの顔があった。
私は思わず後ろに飛び退いた。
「どうしたんだ、リアーナ?」
ソーマが心配して私の顔を覗いていた。
私は「大丈夫!」…と言って距離をあけた。
これもパテットの所為だ…私はパテットを睨むと、パテットは何かニヤついた顔をしながらメルーファに耳打ちしていた。
すると、メルーファも私の顔を見ながら笑みを浮かべていた。
「顔が赤いな?」
そう言ってレイヴンが私の額に手を当てた。
私は思わず…「きゃっ!」と変な声を出してしまった。
女性達はニヤケ顔で男性陣はキョトン顔…私は深呼吸して意識しない様に集中した。
…ところが、意識しない様にと思えば思うほどに意識してしまう。
ルーナリアなら上手く立ち振る舞えるだろうけど、私にはこういった男性との免疫が殆どない。
一時はギルと一緒に行動していた時はあっても、接近は控えていた。
だって接近し過ぎると、厄介なギルの追っ掛けにまた囲まれるからだ。
なので、ここまで近い距離は初めてだった。
「と…とりあえず、そ…その物件を見てみたいかなぁ…」
「なんか具合が悪そうだしソーマ、リアの手を取ってあげて。」
ソーマは私の手を取ると、「ひゃう!」と声を上げながら後ろに倒れそうになると、レイヴンが抱き止めてくれた。
私はもういっぱいいっぱいで…顔があかくなりすぎていた。
その様子を見てパテットはお腹を押さえながらケタケタと笑っていた。
私は本当にどうなってしまったのだろうか?
もう…彼等に触れられてしまうと、普通ではいられなくなる。
これって一体何なのかなぁ?
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