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第三章 魔法道具店の開店迄のクエスト
第五話 色々やらかしてしまった…前編
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翌日、私はベルシュナーデ王国に戻ると冒険者ギルドに行って依頼である薬草採取を達成した事を報告し、採取した薬草をカウンターに置いた。
「拝見しますね。」
受付嬢は私の持って来た薬草を査定していた。
すると…段々表情が驚きの表情へと変わって行った。
私は少しまずい予感がした。
「これは…どちらで採取された物ですか?」
「えっと…教えて貰った場所で採取した物なのですが。」
「こんなに高品質な薬草がこの付近に生えているだなんて…あり得ないわ!」
ブリオッシュからグランマの庭の薬草は品質や効能が高いと聞いていたけど…ギルド職員が驚く様な品質だったのね。
まぁグランマの畑だし、テーブルの上の調合器具を見る限りだと…栄養剤か何かを使用していて異常に成長していたからポーション作りで効果が高いのが完成したのね。
「買取金額はこうなります。」
この依頼は5つで銅貨30枚程度なんだけど、数があればあるほど…と書かれていたので50個近く持って来た。
買取の金額は5つで銀貨2枚になっていた。
なので合計銀貨20枚になっていたんだけど…私の後ろで同じ様に薬草採取の依頼をしていた者が私に突っかかって来た。
「お前、こんなのをどこで手に入れたんだよ⁉︎」
「ギルドが指定した群生地から森に入ったところですが…」
「俺はあの辺は全て探したのに…」
まぁ、あの場所で見つからなかったからグランマの畑に採りに行ったんだけどね。
「その場所を教えろよ‼︎」
やたらと偉そうに突っかかって来るわね。
私と同じ薬草採取という事は、ランクは私と近いのかな?
あ、こう言ったらどうなるかな?
「この薬草を採取した近くにマンドラゴラが埋まっていましたね。 私は起こさない様に気をつけて採取したので…」
「マンドラゴラだと⁉︎」
地面に生えている草を引き抜いて叫び声を聞いたら死ぬかもしれないのがマンドレイク。
ところがマンドラゴラは、引き抜いた瞬間に襲って来るという危険な魔物だった。
討伐ランクはDランクなので、Dランク以下だと脅威になる相手だった。
「確かにマンドレイクやマンドラゴラの近くに生えている薬草は、高品質な薬草に育つと言いますね。」
受付嬢がそういうと、私に突っかかって来た冒険者は諦めた様子で隣の受付嬢に採取した薬草を提出していた。
「後…何度依頼をこなせばランクが上がりますか?」
「ランクアップが希望ですか? ランクアップには討伐依頼が必須になりますね。 討伐対象はホーンラビット10匹です。」
私は討伐依頼書に書かれていた絵を見ると、ツノの生えたウサギの絵が描かれていた。
私は依頼書を見ながらギルドを出て門の方に向かって歩いていた。
すると、沢山の女性達に囲まれている男性がいた。
私は全くと言って良い程に興味が無かったので、そのまま通り過ぎようとすると…?
「君! おい、君! ちょっと待ってくれ‼︎」
…という声が後ろから聞こえて来た。
「また、バロックといかいうナンパ男かな?」
「仮にあの男だとしたら、「おいお前、待ちやがれ!」…と言うでしょうね。」
私は後ろを見ると、女性達を掻き分けて来る黒髪で長髪の長身の男が私の方に来ようとしていた。
見た感じ…ナンパ男から助けてくれた黒騎士ギリッシュというのは分かったけど、女性達はギリッシュから離れるのを辞めようとはしなかった。
ここで呼び止められて話でもしよう物なら…周りにいた女性達から反感を喰らう可能性がある。
私は急ぎ足で門に向かって小走りで走って行った。
「ふぅ…何とか撒けたかな?」
「いえ…追い掛けて来ていますね。」
私は門を出てからホーンラビットの生息地に向かって走ろうとすると、腕を掴まれて引き寄せられた。
「はぁ、はぁ…ようやく捕まえる事ができた!」
「やはり私の事を呼んでいらしたのですね…」
私は観念して立っていると、先程いた女性達の数人がギリッシュを追い掛けて来たのだった。
「ギリッシュ様、急に走られて一体どうなされたのですか?」
「あ、この子…ギルドの登録試験でショッぼい魔法を使っていた新人ね。」
「ギリッシュ様はこんな子に何の用があるのですか?」
あぁ…やっぱりこうなったわね。
ギリッシュさんの返答次第では、変な揉め事に関わりそうだわ。
「先程…君の姿を見掛けてね。 声を掛けさせて貰ったんだけど…まさか逃げるとは思わなかった。」
「私は急いで討伐依頼をしたくて街の外に出ようと思っていたので…」
私は適当に話を切り上げて去ろうと思っているんだけど、掴んだ腕を離してくれそうもなかった。
「あの…腕を掴んでいるのを離してもらえませんか?」
「あぁ、済まない。 それで…討伐依頼という話だが、対象の魔物はなんだい?」
「ホーンラビットが10匹です。」
私がそう言うと、女性達が笑いながら言ってきた。
「貴女みたいなショボい魔法しか使えないのに、ホーンラビットの討伐なんか無理よ!」
「自分の実力を考える事ね。」
「貴女なんか1匹も倒せないでやられるのがオチよ!」
試験会場で見せた魔法の事を言っているのなら、討伐するのはまず無理だと思うのは分かるけど…ハッキリ言われると少し腹が立つわね。
「ふむ…ならば、俺が君の護衛をしてあげよう。 君には世話になったからな…」
「え?」
「ちょ、ちょっと待って下さい! 何故ギリッシュ様がこんな子の護衛なんかをするのですか?」
「だって君達の話だと…討伐は無理とか、やられるかもしれないと言う話だろ? ならば護衛は必要では…と思ってな!」
ギリッシュがそう言うと、女性達は何やら揉め始めた。
話を聞いていると…「余計な事を言うな!」とか何とか言い合っている。
世話というのは多分ポーションの事だろうけど、あれは感謝のつもりであげた物だし、それよりもサッサとこの場所を去りたいんだけど。
「あの…申し訳無いのですが、ランクアップの為の討伐依頼なので護衛をしてもらう訳には…」
「ほら、この子もこう言っていますし…ギリッシュ様、私達と…」
「君達は帰ってくれて構わない。 俺はこの子の護衛をすると決めたのでな!」
ギリッシュはそう言うと、女性達は街の方に帰って行った。
これは絶対に後で絡まれそうな予感がする。
出来ればギリッシュにも帰って欲しいんだけど、この様子じゃ…拒んでも着いて来そうだなぁ。
箒に乗って逃げようかしら?
そんな事を考えていると、ギリッシュから声を掛けられた。
「ホーンラビットがいる場所は分かっているから案内をしてあげよう。」
「はい、有り難う御座います。」
正直言ってありがた迷惑でしか無い。
私はギリッシュに着いて行くと…ギリッシュは振り返って話をして来た。
「そういえば紹介がまだだったな、俺はギリッシュという。 知り合いとかにはギルと呼ばれているのでそう呼んでくれても構わない。」
なんかいきなり難易度を上げてくれるわね?
でも私は普通にギリッシュさんと呼ぶ事にした。
「それで君の名前は?」
「私の名前はリアーナと言います。」
「リアーナか…ではリアだな。 そう呼んでも構わないか?」
「はい、お好きにどうぞ…」
私はギリッシュに連れられて、ホーンラビットの生息地に着いた。
力を隠しているからバレたくはないんだけど…どうしようかなぁ?
「拝見しますね。」
受付嬢は私の持って来た薬草を査定していた。
すると…段々表情が驚きの表情へと変わって行った。
私は少しまずい予感がした。
「これは…どちらで採取された物ですか?」
「えっと…教えて貰った場所で採取した物なのですが。」
「こんなに高品質な薬草がこの付近に生えているだなんて…あり得ないわ!」
ブリオッシュからグランマの庭の薬草は品質や効能が高いと聞いていたけど…ギルド職員が驚く様な品質だったのね。
まぁグランマの畑だし、テーブルの上の調合器具を見る限りだと…栄養剤か何かを使用していて異常に成長していたからポーション作りで効果が高いのが完成したのね。
「買取金額はこうなります。」
この依頼は5つで銅貨30枚程度なんだけど、数があればあるほど…と書かれていたので50個近く持って来た。
買取の金額は5つで銀貨2枚になっていた。
なので合計銀貨20枚になっていたんだけど…私の後ろで同じ様に薬草採取の依頼をしていた者が私に突っかかって来た。
「お前、こんなのをどこで手に入れたんだよ⁉︎」
「ギルドが指定した群生地から森に入ったところですが…」
「俺はあの辺は全て探したのに…」
まぁ、あの場所で見つからなかったからグランマの畑に採りに行ったんだけどね。
「その場所を教えろよ‼︎」
やたらと偉そうに突っかかって来るわね。
私と同じ薬草採取という事は、ランクは私と近いのかな?
あ、こう言ったらどうなるかな?
「この薬草を採取した近くにマンドラゴラが埋まっていましたね。 私は起こさない様に気をつけて採取したので…」
「マンドラゴラだと⁉︎」
地面に生えている草を引き抜いて叫び声を聞いたら死ぬかもしれないのがマンドレイク。
ところがマンドラゴラは、引き抜いた瞬間に襲って来るという危険な魔物だった。
討伐ランクはDランクなので、Dランク以下だと脅威になる相手だった。
「確かにマンドレイクやマンドラゴラの近くに生えている薬草は、高品質な薬草に育つと言いますね。」
受付嬢がそういうと、私に突っかかって来た冒険者は諦めた様子で隣の受付嬢に採取した薬草を提出していた。
「後…何度依頼をこなせばランクが上がりますか?」
「ランクアップが希望ですか? ランクアップには討伐依頼が必須になりますね。 討伐対象はホーンラビット10匹です。」
私は討伐依頼書に書かれていた絵を見ると、ツノの生えたウサギの絵が描かれていた。
私は依頼書を見ながらギルドを出て門の方に向かって歩いていた。
すると、沢山の女性達に囲まれている男性がいた。
私は全くと言って良い程に興味が無かったので、そのまま通り過ぎようとすると…?
「君! おい、君! ちょっと待ってくれ‼︎」
…という声が後ろから聞こえて来た。
「また、バロックといかいうナンパ男かな?」
「仮にあの男だとしたら、「おいお前、待ちやがれ!」…と言うでしょうね。」
私は後ろを見ると、女性達を掻き分けて来る黒髪で長髪の長身の男が私の方に来ようとしていた。
見た感じ…ナンパ男から助けてくれた黒騎士ギリッシュというのは分かったけど、女性達はギリッシュから離れるのを辞めようとはしなかった。
ここで呼び止められて話でもしよう物なら…周りにいた女性達から反感を喰らう可能性がある。
私は急ぎ足で門に向かって小走りで走って行った。
「ふぅ…何とか撒けたかな?」
「いえ…追い掛けて来ていますね。」
私は門を出てからホーンラビットの生息地に向かって走ろうとすると、腕を掴まれて引き寄せられた。
「はぁ、はぁ…ようやく捕まえる事ができた!」
「やはり私の事を呼んでいらしたのですね…」
私は観念して立っていると、先程いた女性達の数人がギリッシュを追い掛けて来たのだった。
「ギリッシュ様、急に走られて一体どうなされたのですか?」
「あ、この子…ギルドの登録試験でショッぼい魔法を使っていた新人ね。」
「ギリッシュ様はこんな子に何の用があるのですか?」
あぁ…やっぱりこうなったわね。
ギリッシュさんの返答次第では、変な揉め事に関わりそうだわ。
「先程…君の姿を見掛けてね。 声を掛けさせて貰ったんだけど…まさか逃げるとは思わなかった。」
「私は急いで討伐依頼をしたくて街の外に出ようと思っていたので…」
私は適当に話を切り上げて去ろうと思っているんだけど、掴んだ腕を離してくれそうもなかった。
「あの…腕を掴んでいるのを離してもらえませんか?」
「あぁ、済まない。 それで…討伐依頼という話だが、対象の魔物はなんだい?」
「ホーンラビットが10匹です。」
私がそう言うと、女性達が笑いながら言ってきた。
「貴女みたいなショボい魔法しか使えないのに、ホーンラビットの討伐なんか無理よ!」
「自分の実力を考える事ね。」
「貴女なんか1匹も倒せないでやられるのがオチよ!」
試験会場で見せた魔法の事を言っているのなら、討伐するのはまず無理だと思うのは分かるけど…ハッキリ言われると少し腹が立つわね。
「ふむ…ならば、俺が君の護衛をしてあげよう。 君には世話になったからな…」
「え?」
「ちょ、ちょっと待って下さい! 何故ギリッシュ様がこんな子の護衛なんかをするのですか?」
「だって君達の話だと…討伐は無理とか、やられるかもしれないと言う話だろ? ならば護衛は必要では…と思ってな!」
ギリッシュがそう言うと、女性達は何やら揉め始めた。
話を聞いていると…「余計な事を言うな!」とか何とか言い合っている。
世話というのは多分ポーションの事だろうけど、あれは感謝のつもりであげた物だし、それよりもサッサとこの場所を去りたいんだけど。
「あの…申し訳無いのですが、ランクアップの為の討伐依頼なので護衛をしてもらう訳には…」
「ほら、この子もこう言っていますし…ギリッシュ様、私達と…」
「君達は帰ってくれて構わない。 俺はこの子の護衛をすると決めたのでな!」
ギリッシュはそう言うと、女性達は街の方に帰って行った。
これは絶対に後で絡まれそうな予感がする。
出来ればギリッシュにも帰って欲しいんだけど、この様子じゃ…拒んでも着いて来そうだなぁ。
箒に乗って逃げようかしら?
そんな事を考えていると、ギリッシュから声を掛けられた。
「ホーンラビットがいる場所は分かっているから案内をしてあげよう。」
「はい、有り難う御座います。」
正直言ってありがた迷惑でしか無い。
私はギリッシュに着いて行くと…ギリッシュは振り返って話をして来た。
「そういえば紹介がまだだったな、俺はギリッシュという。 知り合いとかにはギルと呼ばれているのでそう呼んでくれても構わない。」
なんかいきなり難易度を上げてくれるわね?
でも私は普通にギリッシュさんと呼ぶ事にした。
「それで君の名前は?」
「私の名前はリアーナと言います。」
「リアーナか…ではリアだな。 そう呼んでも構わないか?」
「はい、お好きにどうぞ…」
私はギリッシュに連れられて、ホーンラビットの生息地に着いた。
力を隠しているからバレたくはないんだけど…どうしようかなぁ?
応援ありがとうございます!
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