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第三章
第二十話 これって…小屋なの?・中編
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旅の道中は、たまに魔物が襲って来る以外は割と順調だった。
ズィガンは安全な道を選ぶ為に、主に街道を進んでいた。
…とはいえ、街道の全てが安全という訳ではないが…?
たまに魔物が出現しても、ロンデル達がいち早く魔物を倒してくれたので、問題は無かった。
「クラーゴン戦の時もロンデル達はいたが、活躍はあまり見れなかったが…結構強いんだな?」
「オレとロンデルは、一応Aランクですからね。バンザとデリックスはBランクですが…」
「何だ、それだと俺と一緒か。」
「兄貴は明らかに、ランク詐欺という感じですかね。」
俺達は、そんな話をしながら進んで行くと…途中の山道で、崖崩れが発生して道が塞がれて、立ち往生をしている者達が足止めを喰らっていた。
幾らか復旧作業をしている…護衛の冒険者がいるのだが、馬車並みに大きな岩が道を邪魔しており、それの所為で復旧の工事に遅れが出ていた。
「兄貴、オレ達は復旧作業を手伝って来ますので、兄貴達は待っていて下さい。」
「俺も手伝った方が良いんじゃないか?」
「いえ、オレ達に任せて下さい。」
ズィガンのパーティー達は、とりあえず大岩を何とかしようと、他の冒険者と共に大岩をどかそうとしていた。
だが、数十名何協力をしても、大岩はびくともしなかった。
「おかしい…たかが大岩如きで十数人いて動かせられない事は無いんだが?」
「なぁ、ズィガン…もしかして…と思うんだが、この大岩ってゴーレムの可能性は無いか?」
「ゴーレムっすか?…なるほど、確かに大岩にしては重過ぎるとは思いましたが…?」
俺はブルーボから、掘削用のツルハシを2本出して貰い…それをバンザとデリックスに渡した。
2人は大岩の亀裂がある部分に、ツルハシを振り下ろしたのだった。
これでただの大岩なら、ツボを突いて崩れる筈なんだが…?
ツルハシは、突き刺さったというだけで、大岩を砕く事はできなかった。
「やはり、ただの岩では無いですね。ゴーレムの可能性もあるかも知れません。」
「仮にゴーレムとして、ここまで攻撃を加えられて…目覚めないものなのか?」
「生物と違って、神経が通っている訳では無いですからね。それに、ゴーレムは痛みに鈍感な魔物なんすよ。」
俺は鑑定魔法を使ってみた。
すると、確かにロックゴーレムと表示されていた。
…あれから何度か使用をしているんだが、いまだにランクアップしないので、名前しか表示されなかったが、やはり…ゴーレムには違いがなかった。
では、何故に動かないのか…?
鑑定魔法のランクが上がれば、その詳細が記載されると思うんだが?
それに達成するまでに、あと何回使用をすれば良いんだろうか?
「ズィガン、やはりロックゴーレムには違いが無いみたいだ。」
「兄貴、どうして分かったんですか?」
「俺には鑑定魔法があるからな。ただ、あまりにも効果がしょぼくて…言うのが恥ずかしかったんだよ。俺の鑑定魔法では、その物の名前が表示されるだけだからな。」
「それでも、鑑定魔法はレアな稀少魔法ですよ。オレの周りにも、鑑定魔法が使えると言う話は聞いた事がありません。」
鑑定魔法って、レアな魔法なのか。
名前しか表示されないのにか…?
「ただ、何で動かないのかが分からないんだ。休眠中とか、活動休止中とか表示されたら良いんだがな。」
「そうですね、普通ならここまで攻撃をされたら何かしらの動きがあると思うんですが…」
「ねぇ、もしかして……このゴーレムって、上下逆様になって土に埋まっているんじゃ無いかな?」
ルーミィがそう言って、その理由を話してくれた。
ゴーレムの重心は主に尻の部分だと言う。
尻の部分から重心を取りながら手足を伸ばして立ち上がると言うもので、頭が下だと身動きが取れないと言う。
俺は付近で待機している冒険者に声を掛けた。
「この中で、水魔法を使える人はいないか?水魔法で水を回転させる事が出来る魔法だと、尚良いのだが…?」
「あ、それなら…ウォータークランブルという魔法を使えます。」
先程、大岩を退かす時に手伝ってくれた、魔術師の女性が手を上げて言った。
俺はその女性に、水魔法を大岩全体に掛けて…洗う様な感じと説明をすると、魔術師の女性は水魔法で大岩全体を洗浄する様に魔法を放った。
そして大岩を洗い終わると、先程亀裂のあった部分は、実は足の間の隙間という事が判明した。
…そう、このゴーレムは、体育座りをする様な感じで地面に頭から埋まっていたのだった。
「これって、先程大岩を動かそうとした時に…上下が逆転しなくて良かったな。」
「そうですね、重心側がしたになっていたら動き出した筈でしょうから…」
「ズィガン、ロックゴーレムの討伐ランクは幾つだ?」
「ロックゴーレムは、討伐ランクCですね。防御力は高いですが、動きは遅いし、足を破壊すれば殆ど身動きが取れなくなります。」
俺はブルーボに言って商業ギルドで購入した、ツルハシをその場にいる冒険者達に行き渡る様に渡した。
そして全員で振り被ってから、ゴーレムに向かって攻撃を先導した。
「まずは腕を無効化するぞ、両腕の付け根を狙って攻撃をしろ!」
冒険者達はまずは腕の付け根部分を攻撃した。
冒険者達は何度も同じ所を狙ってツルハシを振り下ろして行くと、ゴーレムの腕が外れて地面に落ちたのだった。
「ズィガン、ロックゴーレムの核は頭か?胸の中か?」
「胸の中に核がありますね。」
「なら次は、胸元にツルハシを振り下ろせ!」
冒険者達は一斉に頷くと、胸元めがけて一斉に振り下ろして行った。
すると、外殻が少しずつ剥がれて行って……赤い宝石の様な核が露わになった。
そしてズィガン達のパーティーが、赤い宝石の様な核にツルハシを振り下ろして砕くと、ロックゴーレムは各箇所に亀裂が入って砕けて行った。
「良し!これで、楽にどかせる様になったな。」
「そうですね、そこから積んで道を戻しましょう。」
それからは冒険者達が一丸となって、バケツリレー方式でゴーレムの破片を道の脇に積んでいくと…?
邪魔なゴーレムがなくなった事で、道が戻ったのだった。
「これで先に進む事が出来るが………空が赤く染まって来ているしな、この付近で野営が出来る場所があるなら、今夜は休む事にしよう。」
「ならばオレ達は、この場で野営をすることにしましょう。この付近は、野営には適していませんが…この場所なら問題は無いですから。他のパーティーもそのつもりの者もいるみたいですし。」
ズィガン達は他の冒険者達に声を掛けて、協力して見張りをしようと提案した。
他の冒険者達は、Aランクのズィガンからの申し出にはさかわらず、引き受けたのだった。
なので、せめてもの…という事で、ブルーボから食糧と調味料を出してから、料理を始める事にした。
料理を作るのは、人数が多いので俺とルーミィだ。
俺は独り身が長いので……一通りの家事は出来るのだった。
俺はゴーレム問題を手伝って貰った見返りとして、皆に食事を振る舞った。
俺が作った料理は結構好評で、冒険者達からは賛辞が送られたのだった。
~~~~~翌日~~~~~
俺が目覚めると、昨日に一緒に飯を喰って騒いでいた連中は、早々に旅を再開したという話でいなかった。
だけど、全てがいなくなったわけではなく、俺の行き先と被った者達もいた。
ズィガンの話によると、冒険者ギルドの管理する場所の……これから向かう山の手前にはラドンの村という村があり、そこに商品を配達する行商人と護衛の冒険者達は、目的地が近いという事で途中まで一緒に行く事になったのだった。
「起きるのを待たせてしまったか?」
「いや、大丈夫っすよ。兄貴が起きるのが遅かったお陰で、他の冒険者達がゆっくり出来たと言っている者も居ましたし。」
それは、嫌味か何かか?
まぁ、村に着く迄の間だけは…飯位は出してやるか。
そう思って、ブルーボに残りの食材を聞いてみると?
目的地に到着する前には、尽きるかも知れないという位にギリギリだという話だった。
途中で、何か食糧になる魔物でも捕まえられたら良いが…?
…なんて考えたのが不味かったのか、目的地の到着する前に食糧が困る事はなくなるくらいに、大きな食糧を手に入れる事が出来る訳なのだが…?
それはズィガンのパーティーメンバーですら、恐れる最悪な魔獣が襲って来たのだった。
ズィガンは安全な道を選ぶ為に、主に街道を進んでいた。
…とはいえ、街道の全てが安全という訳ではないが…?
たまに魔物が出現しても、ロンデル達がいち早く魔物を倒してくれたので、問題は無かった。
「クラーゴン戦の時もロンデル達はいたが、活躍はあまり見れなかったが…結構強いんだな?」
「オレとロンデルは、一応Aランクですからね。バンザとデリックスはBランクですが…」
「何だ、それだと俺と一緒か。」
「兄貴は明らかに、ランク詐欺という感じですかね。」
俺達は、そんな話をしながら進んで行くと…途中の山道で、崖崩れが発生して道が塞がれて、立ち往生をしている者達が足止めを喰らっていた。
幾らか復旧作業をしている…護衛の冒険者がいるのだが、馬車並みに大きな岩が道を邪魔しており、それの所為で復旧の工事に遅れが出ていた。
「兄貴、オレ達は復旧作業を手伝って来ますので、兄貴達は待っていて下さい。」
「俺も手伝った方が良いんじゃないか?」
「いえ、オレ達に任せて下さい。」
ズィガンのパーティー達は、とりあえず大岩を何とかしようと、他の冒険者と共に大岩をどかそうとしていた。
だが、数十名何協力をしても、大岩はびくともしなかった。
「おかしい…たかが大岩如きで十数人いて動かせられない事は無いんだが?」
「なぁ、ズィガン…もしかして…と思うんだが、この大岩ってゴーレムの可能性は無いか?」
「ゴーレムっすか?…なるほど、確かに大岩にしては重過ぎるとは思いましたが…?」
俺はブルーボから、掘削用のツルハシを2本出して貰い…それをバンザとデリックスに渡した。
2人は大岩の亀裂がある部分に、ツルハシを振り下ろしたのだった。
これでただの大岩なら、ツボを突いて崩れる筈なんだが…?
ツルハシは、突き刺さったというだけで、大岩を砕く事はできなかった。
「やはり、ただの岩では無いですね。ゴーレムの可能性もあるかも知れません。」
「仮にゴーレムとして、ここまで攻撃を加えられて…目覚めないものなのか?」
「生物と違って、神経が通っている訳では無いですからね。それに、ゴーレムは痛みに鈍感な魔物なんすよ。」
俺は鑑定魔法を使ってみた。
すると、確かにロックゴーレムと表示されていた。
…あれから何度か使用をしているんだが、いまだにランクアップしないので、名前しか表示されなかったが、やはり…ゴーレムには違いがなかった。
では、何故に動かないのか…?
鑑定魔法のランクが上がれば、その詳細が記載されると思うんだが?
それに達成するまでに、あと何回使用をすれば良いんだろうか?
「ズィガン、やはりロックゴーレムには違いが無いみたいだ。」
「兄貴、どうして分かったんですか?」
「俺には鑑定魔法があるからな。ただ、あまりにも効果がしょぼくて…言うのが恥ずかしかったんだよ。俺の鑑定魔法では、その物の名前が表示されるだけだからな。」
「それでも、鑑定魔法はレアな稀少魔法ですよ。オレの周りにも、鑑定魔法が使えると言う話は聞いた事がありません。」
鑑定魔法って、レアな魔法なのか。
名前しか表示されないのにか…?
「ただ、何で動かないのかが分からないんだ。休眠中とか、活動休止中とか表示されたら良いんだがな。」
「そうですね、普通ならここまで攻撃をされたら何かしらの動きがあると思うんですが…」
「ねぇ、もしかして……このゴーレムって、上下逆様になって土に埋まっているんじゃ無いかな?」
ルーミィがそう言って、その理由を話してくれた。
ゴーレムの重心は主に尻の部分だと言う。
尻の部分から重心を取りながら手足を伸ばして立ち上がると言うもので、頭が下だと身動きが取れないと言う。
俺は付近で待機している冒険者に声を掛けた。
「この中で、水魔法を使える人はいないか?水魔法で水を回転させる事が出来る魔法だと、尚良いのだが…?」
「あ、それなら…ウォータークランブルという魔法を使えます。」
先程、大岩を退かす時に手伝ってくれた、魔術師の女性が手を上げて言った。
俺はその女性に、水魔法を大岩全体に掛けて…洗う様な感じと説明をすると、魔術師の女性は水魔法で大岩全体を洗浄する様に魔法を放った。
そして大岩を洗い終わると、先程亀裂のあった部分は、実は足の間の隙間という事が判明した。
…そう、このゴーレムは、体育座りをする様な感じで地面に頭から埋まっていたのだった。
「これって、先程大岩を動かそうとした時に…上下が逆転しなくて良かったな。」
「そうですね、重心側がしたになっていたら動き出した筈でしょうから…」
「ズィガン、ロックゴーレムの討伐ランクは幾つだ?」
「ロックゴーレムは、討伐ランクCですね。防御力は高いですが、動きは遅いし、足を破壊すれば殆ど身動きが取れなくなります。」
俺はブルーボに言って商業ギルドで購入した、ツルハシをその場にいる冒険者達に行き渡る様に渡した。
そして全員で振り被ってから、ゴーレムに向かって攻撃を先導した。
「まずは腕を無効化するぞ、両腕の付け根を狙って攻撃をしろ!」
冒険者達はまずは腕の付け根部分を攻撃した。
冒険者達は何度も同じ所を狙ってツルハシを振り下ろして行くと、ゴーレムの腕が外れて地面に落ちたのだった。
「ズィガン、ロックゴーレムの核は頭か?胸の中か?」
「胸の中に核がありますね。」
「なら次は、胸元にツルハシを振り下ろせ!」
冒険者達は一斉に頷くと、胸元めがけて一斉に振り下ろして行った。
すると、外殻が少しずつ剥がれて行って……赤い宝石の様な核が露わになった。
そしてズィガン達のパーティーが、赤い宝石の様な核にツルハシを振り下ろして砕くと、ロックゴーレムは各箇所に亀裂が入って砕けて行った。
「良し!これで、楽にどかせる様になったな。」
「そうですね、そこから積んで道を戻しましょう。」
それからは冒険者達が一丸となって、バケツリレー方式でゴーレムの破片を道の脇に積んでいくと…?
邪魔なゴーレムがなくなった事で、道が戻ったのだった。
「これで先に進む事が出来るが………空が赤く染まって来ているしな、この付近で野営が出来る場所があるなら、今夜は休む事にしよう。」
「ならばオレ達は、この場で野営をすることにしましょう。この付近は、野営には適していませんが…この場所なら問題は無いですから。他のパーティーもそのつもりの者もいるみたいですし。」
ズィガン達は他の冒険者達に声を掛けて、協力して見張りをしようと提案した。
他の冒険者達は、Aランクのズィガンからの申し出にはさかわらず、引き受けたのだった。
なので、せめてもの…という事で、ブルーボから食糧と調味料を出してから、料理を始める事にした。
料理を作るのは、人数が多いので俺とルーミィだ。
俺は独り身が長いので……一通りの家事は出来るのだった。
俺はゴーレム問題を手伝って貰った見返りとして、皆に食事を振る舞った。
俺が作った料理は結構好評で、冒険者達からは賛辞が送られたのだった。
~~~~~翌日~~~~~
俺が目覚めると、昨日に一緒に飯を喰って騒いでいた連中は、早々に旅を再開したという話でいなかった。
だけど、全てがいなくなったわけではなく、俺の行き先と被った者達もいた。
ズィガンの話によると、冒険者ギルドの管理する場所の……これから向かう山の手前にはラドンの村という村があり、そこに商品を配達する行商人と護衛の冒険者達は、目的地が近いという事で途中まで一緒に行く事になったのだった。
「起きるのを待たせてしまったか?」
「いや、大丈夫っすよ。兄貴が起きるのが遅かったお陰で、他の冒険者達がゆっくり出来たと言っている者も居ましたし。」
それは、嫌味か何かか?
まぁ、村に着く迄の間だけは…飯位は出してやるか。
そう思って、ブルーボに残りの食材を聞いてみると?
目的地に到着する前には、尽きるかも知れないという位にギリギリだという話だった。
途中で、何か食糧になる魔物でも捕まえられたら良いが…?
…なんて考えたのが不味かったのか、目的地の到着する前に食糧が困る事はなくなるくらいに、大きな食糧を手に入れる事が出来る訳なのだが…?
それはズィガンのパーティーメンバーですら、恐れる最悪な魔獣が襲って来たのだった。
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