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第二章
第十五話 古典落語をヒントに討伐・中編
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俺は現在、沢山のワーウルフとコボルドに囲まれていた。
ラノベとかでは、コボルドってワーウルフと同じ、犬型の二本足だが…物凄い雑魚だと言われているらしいが、結構迫力があるぞ。
俺にはシベリアンハスキーが二本足で立っていて、手には武器を持っている。
それにワーウルフは、確かに狼だが…シベリアンハスキーと何が違うか分からん。
…と思って、鑑定魔法を使用すると…?
ワーウルフでは無くて、キングコボルトと表示されていた。
誰だ、ワーウルフと吹いた奴は…?
「それにしても、この状況は…あの時のあの子もこんな感じだったのか?」
俺の実家の近くに、複数の狼の群れに小学生が襲われている痛ましい事件が起きた。
小学生の名前は、洲河慱君…当時10歳。
彼は友達を救う為に、複数の群れの中に突っ込んでいったが…身体中の皮膚が無くなるくらいに食い破られたそうだ。
何故、俺がその当時の話を知っているのかというと…?
俺はその当時、紅蓮院流の古武術道場に通っていた。
すると、ある時に館長である師範から事情を聞かされて、俺は居合刀では無く刀を渡されて、同門だった喬介達と共に助けに向かった。
俺達が着いた時は、その子は無惨な姿になっていて、辺りが血の海となっていた。
とても生きているとは思えなかったが、師範はタオルでその子を包んで救急車に連れて行った。
残る俺達は、残りの狼の始末を言い渡されたのだが、喬介があそこまで激情している所を初めて見たよ。
…とまぁ、話が少し逸れたが…この状況は当時の小学生の彼と良く似ていた。
1つ違うのは、俺はガキでは無いという事だな。
※この話は、「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」の第一章の第七話「7年前の事件」に詳細がされております。
『ほほぉ…こんな状況に陥っているというのに、震え出さないという事は…中々肝が据わっているでは無いか!』
キングコボルトの背後から、大型の獣が姿を見せた。
その姿は、九本の狐の様な尻尾を持つ………犬?
それと、その傍にいる…キャミソールっぽい服を着た、色っぽ……いや、顔が髑髏になったな。
しかも背後に骸骨の頭が…?
「なるほど、この女がアンデットという事か。こんな犬達の中に、何でこんな女が?」
『このレティはな、コボルド達を見ても怯まない冒険者も居るから…そうした時に、レティの魅了で骨抜きにさせる為に……』
「確かに、骸骨の本性……が見える前だったら、魅了も意味があったかもしれんが…本性見えたら、逆に萎えるぞ。」
『萎える…萎えるとは何ぞ?』
「本性が見えたら、魅了も効かないという事だ。」
『だからか、いつも我が出なければならない理由が…』
ボス犬と周囲の犬っころは、見かけ通りに頭が悪そうだな。
所詮は犬畜生と言ったところか。
それにあの女も早くに本性を出し過ぎ…と思ったが、日の光に弱いアンデットが昼間に出ると、本性を隠していられる事が出来なくて見せちまうんだろうな。
どうせ見せるなら、服の下を……いや、顔と一緒で身体も骨か。
俺は呆れながら刀を鞘から引き抜いて構えた。
『この絶望的な状況で武器を構えるとは、貴様は相当な鍛錬を積んでいるのだな?』
「いや、全く絶望だなんて思ってはいないからな。数だけで、多少の苦戦は強いられるかもしれないが…」
『それは、我の術の前でも同じ事がほざけるか?今迄の者達は、我の術になす術もなく震え上がったというのに……』
「何度も登場している所為で、お前用の対抗策が施されているんだぞ。その術の対抗策をな…」
こう発言したという事は、これから相手が恐怖する姿に変化するのだろう。
ならば俺は、まんじゅうを怖いと思う事にしよう。
俺は必死にまんじゅうが怖いと念じた。
「まんじゅう怖い、まんじゅう怖い、まんじゅう怖い……」
『何を考えているのかは知らんが、それが対抗策か……見くびられた物だな、その程度で我の術が防げる物か!』
「まんじゅう怖い、まんじゅう怖い、まんじゅう怖い……」
『だから無駄だ!それに貴様の深層意識に、貴様が恐怖するものが見えたわ‼︎』
「⁉︎」
俺の怖い物って……何だ?
自慢じゃ無いが、俺に怖い物ってあまり無い。
俺は昔から霊感があるので、幽霊とかが目の前に現れたぐらいでは驚きもしない。
親父に何度も怒られたりしたが、別に親父は怖く無いし…?
お袋はいつも優しいか……だとすると怖いものと言うと?
姉貴のパンツを同級生に売って、マジギレした時の顔か?
確かにあの時は怖かったが、予想以上の値で売れたので…その後の恐怖には続かなかったんだよな。
『恐怖して慄くが良い!これが貴様の恐怖する物だ……変化‼︎』
九尾の狼が光だし、俺の恐怖する物へと変化した……訳なのだが、何故か目の前には……大きな皿の上に乗っかっている、巨大な漫画肉があった。
鼻腔をくすぐるスパイスの香り、食欲を掻き立てる肉の焼ける香ばしい香り、匂いを嗅いでいるだけで涎が出そうな、にんにくソースの香り………って、これの何処が俺の恐怖する物なんだ⁉︎
俺は深く考えたが、何故こんなのが怖いと思ったのかが分からなかった。
「………あ、もしかして……そういう事か!」
確かに、目の前の巨大肉は俺がもっとも恐怖する物だった。
これを読んでいる読者様方も共感すると思うが、学生時代は運動をしている為に、幾ら食べても太る事がないと自慢をしている者達も多かっただろう。
だが、就職して社会人になると、食ったら食った分だけ太る事になる。
運動で消費されていたカロリーが消費されなくなってしまうからだ。
20代中盤までは、何かと体型を気にする年齢でもある。
学生時代から彼女のいる奴には無縁な話だが、学生時代にモテなかった者達は、社会人……特に会社内恋愛を求めようとする傾向がある。
…が、それが太っていると避けられる。
なので、好き勝手に喰っていると太るという事から、俺は目の前にある様な巨大肉というカロリーの塊を怖がる様になっていた。
『グッフッフッフ………この姿を見て、震え上がれ‼︎』
「確かに、当時にその姿を見ていたら……震え上がっていたかもしれないが、今となっては、別に……怖くも何ともない。」
『な、何だと⁉︎』
「そんな事よりも…だ。」
俺は周囲を見渡すと、コボルド達は…目の前に俺を恐怖させる為に変化した巨大肉を凝視していた。
細部の作りから、匂いまで再現するとは言ったもので…焼き肉屋飯場番の一番人気の調味料である、食欲を掻き立てるニンニクソースの匂いまで再現されている。
その匂いを嗅いだコボルド達は、口からダラダラと涎を垂らしていた。
「まぁ、こんな匂いが周囲に充満していたら…俺でも唾液が溜まっているからな。ただ、目の前の肉が本物では無くて、犬の変化したものだからな。」
『おい…本当に畏怖してないのか⁉︎』
「だから、怖くねぇって言っているだろ。そんな事よりも、早く元の姿にもどらねぇと……喰われるぞ。」
『この変化は、一度変化すると当分戻れないのだ‼︎』
…となると、此奴の未来が見えたな。
俺がコボルド達にある合図をすると、コボルド達は一斉に変化した肉に齧り付いて行った。
『お前等、喰って良いのは我では無い‼︎辞めろ、辞めろ~~~‼︎』
コボルド達に喰われて行ったボス犬畜生は、骨になって行った。
そして、変化したボスを喰い終わったコボルド達はというと…?
満足そうな顔をして、座ったまま欠伸をしていたり、毛繕いをしている奴もいた。
俺はそんなコボルド達を、次々に首を刎ねて行って始末をした。
「残るは、お前だけだな。」
「ヒイッ!」
味方は誰もいなくて1人な上に、俺には魅力が通じない…となると、此奴はどういうアクションを起こして来るだろうか?
もう手はないと思っていたが、レティと呼ばれていたアンデットは、意外な攻撃を仕掛けて来るのだった。
ラノベとかでは、コボルドってワーウルフと同じ、犬型の二本足だが…物凄い雑魚だと言われているらしいが、結構迫力があるぞ。
俺にはシベリアンハスキーが二本足で立っていて、手には武器を持っている。
それにワーウルフは、確かに狼だが…シベリアンハスキーと何が違うか分からん。
…と思って、鑑定魔法を使用すると…?
ワーウルフでは無くて、キングコボルトと表示されていた。
誰だ、ワーウルフと吹いた奴は…?
「それにしても、この状況は…あの時のあの子もこんな感じだったのか?」
俺の実家の近くに、複数の狼の群れに小学生が襲われている痛ましい事件が起きた。
小学生の名前は、洲河慱君…当時10歳。
彼は友達を救う為に、複数の群れの中に突っ込んでいったが…身体中の皮膚が無くなるくらいに食い破られたそうだ。
何故、俺がその当時の話を知っているのかというと…?
俺はその当時、紅蓮院流の古武術道場に通っていた。
すると、ある時に館長である師範から事情を聞かされて、俺は居合刀では無く刀を渡されて、同門だった喬介達と共に助けに向かった。
俺達が着いた時は、その子は無惨な姿になっていて、辺りが血の海となっていた。
とても生きているとは思えなかったが、師範はタオルでその子を包んで救急車に連れて行った。
残る俺達は、残りの狼の始末を言い渡されたのだが、喬介があそこまで激情している所を初めて見たよ。
…とまぁ、話が少し逸れたが…この状況は当時の小学生の彼と良く似ていた。
1つ違うのは、俺はガキでは無いという事だな。
※この話は、「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」の第一章の第七話「7年前の事件」に詳細がされております。
『ほほぉ…こんな状況に陥っているというのに、震え出さないという事は…中々肝が据わっているでは無いか!』
キングコボルトの背後から、大型の獣が姿を見せた。
その姿は、九本の狐の様な尻尾を持つ………犬?
それと、その傍にいる…キャミソールっぽい服を着た、色っぽ……いや、顔が髑髏になったな。
しかも背後に骸骨の頭が…?
「なるほど、この女がアンデットという事か。こんな犬達の中に、何でこんな女が?」
『このレティはな、コボルド達を見ても怯まない冒険者も居るから…そうした時に、レティの魅了で骨抜きにさせる為に……』
「確かに、骸骨の本性……が見える前だったら、魅了も意味があったかもしれんが…本性見えたら、逆に萎えるぞ。」
『萎える…萎えるとは何ぞ?』
「本性が見えたら、魅了も効かないという事だ。」
『だからか、いつも我が出なければならない理由が…』
ボス犬と周囲の犬っころは、見かけ通りに頭が悪そうだな。
所詮は犬畜生と言ったところか。
それにあの女も早くに本性を出し過ぎ…と思ったが、日の光に弱いアンデットが昼間に出ると、本性を隠していられる事が出来なくて見せちまうんだろうな。
どうせ見せるなら、服の下を……いや、顔と一緒で身体も骨か。
俺は呆れながら刀を鞘から引き抜いて構えた。
『この絶望的な状況で武器を構えるとは、貴様は相当な鍛錬を積んでいるのだな?』
「いや、全く絶望だなんて思ってはいないからな。数だけで、多少の苦戦は強いられるかもしれないが…」
『それは、我の術の前でも同じ事がほざけるか?今迄の者達は、我の術になす術もなく震え上がったというのに……』
「何度も登場している所為で、お前用の対抗策が施されているんだぞ。その術の対抗策をな…」
こう発言したという事は、これから相手が恐怖する姿に変化するのだろう。
ならば俺は、まんじゅうを怖いと思う事にしよう。
俺は必死にまんじゅうが怖いと念じた。
「まんじゅう怖い、まんじゅう怖い、まんじゅう怖い……」
『何を考えているのかは知らんが、それが対抗策か……見くびられた物だな、その程度で我の術が防げる物か!』
「まんじゅう怖い、まんじゅう怖い、まんじゅう怖い……」
『だから無駄だ!それに貴様の深層意識に、貴様が恐怖するものが見えたわ‼︎』
「⁉︎」
俺の怖い物って……何だ?
自慢じゃ無いが、俺に怖い物ってあまり無い。
俺は昔から霊感があるので、幽霊とかが目の前に現れたぐらいでは驚きもしない。
親父に何度も怒られたりしたが、別に親父は怖く無いし…?
お袋はいつも優しいか……だとすると怖いものと言うと?
姉貴のパンツを同級生に売って、マジギレした時の顔か?
確かにあの時は怖かったが、予想以上の値で売れたので…その後の恐怖には続かなかったんだよな。
『恐怖して慄くが良い!これが貴様の恐怖する物だ……変化‼︎』
九尾の狼が光だし、俺の恐怖する物へと変化した……訳なのだが、何故か目の前には……大きな皿の上に乗っかっている、巨大な漫画肉があった。
鼻腔をくすぐるスパイスの香り、食欲を掻き立てる肉の焼ける香ばしい香り、匂いを嗅いでいるだけで涎が出そうな、にんにくソースの香り………って、これの何処が俺の恐怖する物なんだ⁉︎
俺は深く考えたが、何故こんなのが怖いと思ったのかが分からなかった。
「………あ、もしかして……そういう事か!」
確かに、目の前の巨大肉は俺がもっとも恐怖する物だった。
これを読んでいる読者様方も共感すると思うが、学生時代は運動をしている為に、幾ら食べても太る事がないと自慢をしている者達も多かっただろう。
だが、就職して社会人になると、食ったら食った分だけ太る事になる。
運動で消費されていたカロリーが消費されなくなってしまうからだ。
20代中盤までは、何かと体型を気にする年齢でもある。
学生時代から彼女のいる奴には無縁な話だが、学生時代にモテなかった者達は、社会人……特に会社内恋愛を求めようとする傾向がある。
…が、それが太っていると避けられる。
なので、好き勝手に喰っていると太るという事から、俺は目の前にある様な巨大肉というカロリーの塊を怖がる様になっていた。
『グッフッフッフ………この姿を見て、震え上がれ‼︎』
「確かに、当時にその姿を見ていたら……震え上がっていたかもしれないが、今となっては、別に……怖くも何ともない。」
『な、何だと⁉︎』
「そんな事よりも…だ。」
俺は周囲を見渡すと、コボルド達は…目の前に俺を恐怖させる為に変化した巨大肉を凝視していた。
細部の作りから、匂いまで再現するとは言ったもので…焼き肉屋飯場番の一番人気の調味料である、食欲を掻き立てるニンニクソースの匂いまで再現されている。
その匂いを嗅いだコボルド達は、口からダラダラと涎を垂らしていた。
「まぁ、こんな匂いが周囲に充満していたら…俺でも唾液が溜まっているからな。ただ、目の前の肉が本物では無くて、犬の変化したものだからな。」
『おい…本当に畏怖してないのか⁉︎』
「だから、怖くねぇって言っているだろ。そんな事よりも、早く元の姿にもどらねぇと……喰われるぞ。」
『この変化は、一度変化すると当分戻れないのだ‼︎』
…となると、此奴の未来が見えたな。
俺がコボルド達にある合図をすると、コボルド達は一斉に変化した肉に齧り付いて行った。
『お前等、喰って良いのは我では無い‼︎辞めろ、辞めろ~~~‼︎』
コボルド達に喰われて行ったボス犬畜生は、骨になって行った。
そして、変化したボスを喰い終わったコボルド達はというと…?
満足そうな顔をして、座ったまま欠伸をしていたり、毛繕いをしている奴もいた。
俺はそんなコボルド達を、次々に首を刎ねて行って始末をした。
「残るは、お前だけだな。」
「ヒイッ!」
味方は誰もいなくて1人な上に、俺には魅力が通じない…となると、此奴はどういうアクションを起こして来るだろうか?
もう手はないと思っていたが、レティと呼ばれていたアンデットは、意外な攻撃を仕掛けて来るのだった。
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