11 / 30
第二章
第九話 船旅
しおりを挟む
俺は過剰なスキンシップをして来たテディールベアーから、上手く逃げれたと思っていた。
所が…腕にいっぱいの果物を持ったテディールベアーが俺を見つけると同時に、果物を投げ捨てて追い掛けて来たのだった。
テディールベアー曰く、過剰なスキンシップをしている時に、ぐったりとして動かなくなった俺に元気になってもらう為に、果物を集めるのにその場を離れていたみたいだった。
そういう気遣いが出来るなら、あの過剰なスキンシップも、もう少し手加減をして欲しい。
そんな事を思いながら走っていると、テディールベアーが急に立ち止まった。
そしてテディールベアーは、Uターンしてその場から離れる様に走り去って行ったのだった。
「一体…どうしたんだ⁉︎」
テディールベアーは水が苦手という。
この付近には、川や沼がある訳ではないので…雨が降って来るのだろうか?
そう思って空を見上げると、曇ってはいたが…雨が降る様な黒雲ではなかった。
すると、俺の頭上をカモメらしき鳥が通り過ぎて行った。
…という事は、近くに海があると思って、高台の方を走って行くと…?
そこから見下ろすと、大海原が広がっていた。
「そうか、テディールベアーはこの下に大海原があるから、警戒して去って行ったのか。」
これで俺はやっと、テディールベアーから開放をされたのだった。
そして高台から下に向かう道を見つけて歩いていると、前方に大きな帆船がどこかに向かうのが見えた。
俺は船の行き先を見ると、そこには大きな港街が見えたのだった。
「これで、追われる生活から開放されて…久々に宿に泊まれる‼︎」
俺は港街を見つけたと同時に、足取りが軽くなって…港町に向かって走り出していた。
そして暫く走っていると、俺は港街に辿り着いたのだった。
「そう言えば、ここも入る時に通行税とかを取られるんだろうか?」
俺はそう思いながら門を通過しようとして歩いていたが、特に何も言われる事はなかった。
そう言えば…ヒュベリウスがいた街も、特に金を請求されなかったな?
あの街は、城が近くではなかったから…税金は取る事はないのか。
…と、勝手な想像をしていたが、実際はテディールベアーが門の所で居座っていた為に、通行税どころの話ではなかっただけだった。
そしてこの港街で何故徴収されないのかというと、この港街は船代が税金の徴収にかっているという事で、街に入るのに金を取られる事はなかったのだった。
「流石にここまで海に近いと、潮の匂いが漂って来るな。それと美味しそうな焼き物の匂いも…」
おぉ、美味そうな香ばしい匂いだ。
屋台で買うのも良いが、この街の宿泊施設で料理で出されないかな?
そう思って俺は、宿屋に入ってチェックインを済ませてから、飯の時間に料理が出るのかを尋ねた。
すると飯の時間には、新鮮な魚介類を使用した料理が並ぶという事で、夕飯まで楽しみに部屋で待つ事にした。
「さ~て、久々のアレをやってみよう!」
久々のアレとは?
ロザリアの街以降、色々と忙しくて出来なかった…スキルの回数を増やすアレだった。
ここ最近は、そんな事をしている余裕が全くなかった。
ヒュベリウスといた時の街でも、散々テディールベアーに追いかけ回されて、とてもじゃないが疲れ果てて…アレをやる余裕が全く無かった。
そして、成長促進数○倍を成長促進数○倍で使い続けた結果…数万倍の効果が発動して、遂にランクアップを果たした。
1万分の1から、半分の5千分の1になった訳だが…まぁ、確率は上がったと言えば上がったかも知れない。
だけど、それでも気休め程度の確率にしかならなかった。
「他のスキルもランクアップさせたいが、確率がまだまだ低いからなぁ?」
ここでおさらいすると、俺の与えられたスキルは…今現在では名前しか分からない鑑定魔法、手を握ると1滴の水が滴り落ちる水魔法、10cm四方しか容量の無い収納魔法に目的の物があるか否かを判断するだけの探査魔法。
どれもランクアップするには、使用回数が1000回を越えるという物で、最高まで極める事が出来れば…勇者が使える能力に匹敵するらしい。
だが、地道に使って行くだけでは、1000回の使用回数なんて1年経ってもランクアップされているかが分からない。
なので成長促進数○倍を併用して、回数をアップさせたいと努力をしているのだった。
これで成長促進数○倍の能力が、2分の1にでもなれば…使用回数のカウントが稼ぎまくれる!
…と思うんだが、これも2分の1になるまでは、途方もない時間が掛かるだろう。
そんな事を思っていると、宿の従業員が俺の部屋の扉をノックして、食事が出来たので食堂に来て下さいと言って来た。
俺は食堂に赴くと、食堂内には料理の匂いが漂っていた。
「では、今日の料理の説明を致しますね。アジングの塩焼きに鉄砲貝のスープ、ウミウシングの塩ダレ焼きに黒パンとなっております。」
予想はしていたが、異世界には刺身は無いんだな。
まぁ、危険を犯して生魚を食う文化はないか。
使っている材料は、アジングという魚は鯵の事らしく、鉄砲貝はジャックナイフの事らしい。
ウミウシングは、もろにウミウシなんだが…これって喰えるのか?
黒パンは、至って普通のパンという感じだった。
「刺身がない事は残念だったが、それにしても海産物は久しぶりだ!」
俺は焼き魚やスープを堪能した。
贅沢を言えば、米が食いたいところだったが…そもそも、この世界に米ってあるのかな…?
まぁ、この地方では食べられてないというだけで、他の土地に行けば食べている場所があるかも知れない。
過去に来た勇者が、米を食いたいあまり…米文化を広めているかも知れないしな。
そこで俺は考えた。
ここは港だし、船に乗って別大陸に行くとするか…と考えたのには理由があった。
このまま来た道を戻ると、テディールベアーが何処かで待ち構えている可能性があるかも知れないからだ。
アイツには、出来ればもう2度と関わり合いたくない。
「別大陸か、ここは港だし…他の大陸に詳しい人はいるかな?」
宿に入る前に思ったが、この港街には結構な数の船が停泊していた。
だとすると、色んな大陸から来た者達もいるだろう。
それにこの場所なら、情報も集めやすそうだしな。
…と考えている時に、ふと考えが閃いた。
極められる程に高まっていなくても、現状では使用出来るのではないかと思ったんだ。
「探査魔法、穀物・米!」
すると、場所が何処なのかは分からないが…?
確かにこの世界には、米が存在している事が分かった。
「なるほど、こうする事により…場所は指定される事はないが、あるか否かを確認することが出来るのか。」
恐らくは、以前に異世界召喚された勇者が、その文化を根付かせたのだろう。
だとすると、他の食材も?
「探査魔法、味噌!」
調べてみたが、味噌は存在していなかった。
「ならば続いて…探査魔法、醤油!」
これもヒットはしなかった。
更に続けて、大豆を探査した所…大豆は存在しているという事だった。
ただ、場所が何処なのかが特定出来なかった。
「まぁ、これも極めれば…場所が特定出来る様になるんだろうか?」
ステータスボードを確認すると、探査魔法の使用回数は3だった。
一応、成長促進数○倍を使用していたのに、たった数回ではその効果は発動しなかった。
~~~~~翌日~~~~~
宿で出された朝食が終わった後、俺は屋台を覗く事にした。
目的は、海藻類が手に入るかどうかだった。
これからの旅に必要な物をあげるとすると、長期間保存が効く食材なのだが…?
一夜干しの魚介類を探すと、アジングの開きと、イカ…らしき物の乾燥物があったのでこうにゅうしておいた。
後はワカメや昆布などの海藻類を探したのだが、屋台には売られていなかった。
屋台の大将にワカメや昆布の話を聞くと、海藻類は網に掛かる厄介物的な存在で、海に捨てられてしまうという話だった。
「何とか、海藻類を確保してくれないか?」
「あんな厄介物をどうするんだ?」
「あれは乾燥してからお湯に戻すと、良い出汁が出るんだよ。」
「ダシって何だ?」
屋台の大将は、貝焼きや焼き魚、鉄砲貝のスープを作ったりするが…出汁という存在を知らなかったみたいだった。
そう、出汁というのは…あくまでも日本の言葉であり、こちらの異世界では、旨味と表現されていたのだが、海藻を入れて出汁を作るという事はなかった。
俺は海藻類が引っ掛かったら、保管をしてくれないかと頼んでみた。
すると、今日はもう漁が終わりなので、明日用意してくれると約束をした。
「これで、他大陸の出発は少し遅くなるが…日本で買えば、数千円する物がタダで手に入るなら、遅れるくらい大した事ではないか。」
俺は他の店も回ってみると、珍しい物が沢山あった。
特に珍しいのは、海鉱石という物だった。
海鉱石の使用用途は、海鉱石を削ってから粒子状にして、料理の調味料として使う物だと説明された。
俺はそれを考えていると、岩塩と同じ物ではないかと思って、1kg分を購入した。
…が、重過ぎて布製の底が破けてしまったので、俺は革製品屋に赴き、大きなバッグを購入した。
その革バッグは、話を聞くと…鯨の革で出来ているという話だった。
「鯨の革か、アレって使い道があったんだな。」
かなり丈夫で、柔軟性があった。
これは、下手な牛革よりも使い易いと思った。
そして俺は、その日は宿に帰って明日に備える事にした。
もちろん、寝る前には成長促進数○倍を限界まで使用した。
だが、確率が半分になったのに、数○倍の効果は発動されなかった。
まぁ、こういう時もあるだろう。
~~~~~更に翌日~~~~~
俺は昨日の屋台に行くと、朝の漁で手に入った…大量のワカメや昆布を手に入れた。
大将はタダでも良いと言ってくれたのだが、重量や運んで来た苦労を考えると、さすがにタダは気が引けたので…銀貨2枚で買い取らせて貰った。
しかも、既に乾燥済みだったのが嬉しかった。
乾燥はこちらでするかも知れなかったし、今日はその所為で船には乗れないと思っていたからだ。
だが、折角のご厚意だったので…俺は別大陸に行く船を探して乗り込んだ。
「次の行き先は、南東のレクシアード大陸だ‼︎」
俺はワクワクしながら船旅を楽しむつもりだった。
だが、海流が激しい上に、大いに揺られるだなんて…夢にも思わなかった。
所が…腕にいっぱいの果物を持ったテディールベアーが俺を見つけると同時に、果物を投げ捨てて追い掛けて来たのだった。
テディールベアー曰く、過剰なスキンシップをしている時に、ぐったりとして動かなくなった俺に元気になってもらう為に、果物を集めるのにその場を離れていたみたいだった。
そういう気遣いが出来るなら、あの過剰なスキンシップも、もう少し手加減をして欲しい。
そんな事を思いながら走っていると、テディールベアーが急に立ち止まった。
そしてテディールベアーは、Uターンしてその場から離れる様に走り去って行ったのだった。
「一体…どうしたんだ⁉︎」
テディールベアーは水が苦手という。
この付近には、川や沼がある訳ではないので…雨が降って来るのだろうか?
そう思って空を見上げると、曇ってはいたが…雨が降る様な黒雲ではなかった。
すると、俺の頭上をカモメらしき鳥が通り過ぎて行った。
…という事は、近くに海があると思って、高台の方を走って行くと…?
そこから見下ろすと、大海原が広がっていた。
「そうか、テディールベアーはこの下に大海原があるから、警戒して去って行ったのか。」
これで俺はやっと、テディールベアーから開放をされたのだった。
そして高台から下に向かう道を見つけて歩いていると、前方に大きな帆船がどこかに向かうのが見えた。
俺は船の行き先を見ると、そこには大きな港街が見えたのだった。
「これで、追われる生活から開放されて…久々に宿に泊まれる‼︎」
俺は港街を見つけたと同時に、足取りが軽くなって…港町に向かって走り出していた。
そして暫く走っていると、俺は港街に辿り着いたのだった。
「そう言えば、ここも入る時に通行税とかを取られるんだろうか?」
俺はそう思いながら門を通過しようとして歩いていたが、特に何も言われる事はなかった。
そう言えば…ヒュベリウスがいた街も、特に金を請求されなかったな?
あの街は、城が近くではなかったから…税金は取る事はないのか。
…と、勝手な想像をしていたが、実際はテディールベアーが門の所で居座っていた為に、通行税どころの話ではなかっただけだった。
そしてこの港街で何故徴収されないのかというと、この港街は船代が税金の徴収にかっているという事で、街に入るのに金を取られる事はなかったのだった。
「流石にここまで海に近いと、潮の匂いが漂って来るな。それと美味しそうな焼き物の匂いも…」
おぉ、美味そうな香ばしい匂いだ。
屋台で買うのも良いが、この街の宿泊施設で料理で出されないかな?
そう思って俺は、宿屋に入ってチェックインを済ませてから、飯の時間に料理が出るのかを尋ねた。
すると飯の時間には、新鮮な魚介類を使用した料理が並ぶという事で、夕飯まで楽しみに部屋で待つ事にした。
「さ~て、久々のアレをやってみよう!」
久々のアレとは?
ロザリアの街以降、色々と忙しくて出来なかった…スキルの回数を増やすアレだった。
ここ最近は、そんな事をしている余裕が全くなかった。
ヒュベリウスといた時の街でも、散々テディールベアーに追いかけ回されて、とてもじゃないが疲れ果てて…アレをやる余裕が全く無かった。
そして、成長促進数○倍を成長促進数○倍で使い続けた結果…数万倍の効果が発動して、遂にランクアップを果たした。
1万分の1から、半分の5千分の1になった訳だが…まぁ、確率は上がったと言えば上がったかも知れない。
だけど、それでも気休め程度の確率にしかならなかった。
「他のスキルもランクアップさせたいが、確率がまだまだ低いからなぁ?」
ここでおさらいすると、俺の与えられたスキルは…今現在では名前しか分からない鑑定魔法、手を握ると1滴の水が滴り落ちる水魔法、10cm四方しか容量の無い収納魔法に目的の物があるか否かを判断するだけの探査魔法。
どれもランクアップするには、使用回数が1000回を越えるという物で、最高まで極める事が出来れば…勇者が使える能力に匹敵するらしい。
だが、地道に使って行くだけでは、1000回の使用回数なんて1年経ってもランクアップされているかが分からない。
なので成長促進数○倍を併用して、回数をアップさせたいと努力をしているのだった。
これで成長促進数○倍の能力が、2分の1にでもなれば…使用回数のカウントが稼ぎまくれる!
…と思うんだが、これも2分の1になるまでは、途方もない時間が掛かるだろう。
そんな事を思っていると、宿の従業員が俺の部屋の扉をノックして、食事が出来たので食堂に来て下さいと言って来た。
俺は食堂に赴くと、食堂内には料理の匂いが漂っていた。
「では、今日の料理の説明を致しますね。アジングの塩焼きに鉄砲貝のスープ、ウミウシングの塩ダレ焼きに黒パンとなっております。」
予想はしていたが、異世界には刺身は無いんだな。
まぁ、危険を犯して生魚を食う文化はないか。
使っている材料は、アジングという魚は鯵の事らしく、鉄砲貝はジャックナイフの事らしい。
ウミウシングは、もろにウミウシなんだが…これって喰えるのか?
黒パンは、至って普通のパンという感じだった。
「刺身がない事は残念だったが、それにしても海産物は久しぶりだ!」
俺は焼き魚やスープを堪能した。
贅沢を言えば、米が食いたいところだったが…そもそも、この世界に米ってあるのかな…?
まぁ、この地方では食べられてないというだけで、他の土地に行けば食べている場所があるかも知れない。
過去に来た勇者が、米を食いたいあまり…米文化を広めているかも知れないしな。
そこで俺は考えた。
ここは港だし、船に乗って別大陸に行くとするか…と考えたのには理由があった。
このまま来た道を戻ると、テディールベアーが何処かで待ち構えている可能性があるかも知れないからだ。
アイツには、出来ればもう2度と関わり合いたくない。
「別大陸か、ここは港だし…他の大陸に詳しい人はいるかな?」
宿に入る前に思ったが、この港街には結構な数の船が停泊していた。
だとすると、色んな大陸から来た者達もいるだろう。
それにこの場所なら、情報も集めやすそうだしな。
…と考えている時に、ふと考えが閃いた。
極められる程に高まっていなくても、現状では使用出来るのではないかと思ったんだ。
「探査魔法、穀物・米!」
すると、場所が何処なのかは分からないが…?
確かにこの世界には、米が存在している事が分かった。
「なるほど、こうする事により…場所は指定される事はないが、あるか否かを確認することが出来るのか。」
恐らくは、以前に異世界召喚された勇者が、その文化を根付かせたのだろう。
だとすると、他の食材も?
「探査魔法、味噌!」
調べてみたが、味噌は存在していなかった。
「ならば続いて…探査魔法、醤油!」
これもヒットはしなかった。
更に続けて、大豆を探査した所…大豆は存在しているという事だった。
ただ、場所が何処なのかが特定出来なかった。
「まぁ、これも極めれば…場所が特定出来る様になるんだろうか?」
ステータスボードを確認すると、探査魔法の使用回数は3だった。
一応、成長促進数○倍を使用していたのに、たった数回ではその効果は発動しなかった。
~~~~~翌日~~~~~
宿で出された朝食が終わった後、俺は屋台を覗く事にした。
目的は、海藻類が手に入るかどうかだった。
これからの旅に必要な物をあげるとすると、長期間保存が効く食材なのだが…?
一夜干しの魚介類を探すと、アジングの開きと、イカ…らしき物の乾燥物があったのでこうにゅうしておいた。
後はワカメや昆布などの海藻類を探したのだが、屋台には売られていなかった。
屋台の大将にワカメや昆布の話を聞くと、海藻類は網に掛かる厄介物的な存在で、海に捨てられてしまうという話だった。
「何とか、海藻類を確保してくれないか?」
「あんな厄介物をどうするんだ?」
「あれは乾燥してからお湯に戻すと、良い出汁が出るんだよ。」
「ダシって何だ?」
屋台の大将は、貝焼きや焼き魚、鉄砲貝のスープを作ったりするが…出汁という存在を知らなかったみたいだった。
そう、出汁というのは…あくまでも日本の言葉であり、こちらの異世界では、旨味と表現されていたのだが、海藻を入れて出汁を作るという事はなかった。
俺は海藻類が引っ掛かったら、保管をしてくれないかと頼んでみた。
すると、今日はもう漁が終わりなので、明日用意してくれると約束をした。
「これで、他大陸の出発は少し遅くなるが…日本で買えば、数千円する物がタダで手に入るなら、遅れるくらい大した事ではないか。」
俺は他の店も回ってみると、珍しい物が沢山あった。
特に珍しいのは、海鉱石という物だった。
海鉱石の使用用途は、海鉱石を削ってから粒子状にして、料理の調味料として使う物だと説明された。
俺はそれを考えていると、岩塩と同じ物ではないかと思って、1kg分を購入した。
…が、重過ぎて布製の底が破けてしまったので、俺は革製品屋に赴き、大きなバッグを購入した。
その革バッグは、話を聞くと…鯨の革で出来ているという話だった。
「鯨の革か、アレって使い道があったんだな。」
かなり丈夫で、柔軟性があった。
これは、下手な牛革よりも使い易いと思った。
そして俺は、その日は宿に帰って明日に備える事にした。
もちろん、寝る前には成長促進数○倍を限界まで使用した。
だが、確率が半分になったのに、数○倍の効果は発動されなかった。
まぁ、こういう時もあるだろう。
~~~~~更に翌日~~~~~
俺は昨日の屋台に行くと、朝の漁で手に入った…大量のワカメや昆布を手に入れた。
大将はタダでも良いと言ってくれたのだが、重量や運んで来た苦労を考えると、さすがにタダは気が引けたので…銀貨2枚で買い取らせて貰った。
しかも、既に乾燥済みだったのが嬉しかった。
乾燥はこちらでするかも知れなかったし、今日はその所為で船には乗れないと思っていたからだ。
だが、折角のご厚意だったので…俺は別大陸に行く船を探して乗り込んだ。
「次の行き先は、南東のレクシアード大陸だ‼︎」
俺はワクワクしながら船旅を楽しむつもりだった。
だが、海流が激しい上に、大いに揺られるだなんて…夢にも思わなかった。
31
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる