幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス

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第六章 決戦…八魔将戦!

第二話 こちらから嵌めます・前編(相手の思い通りになんかさせません!)

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 「とりあえず、猶予は12日間以上あるので…有意義に使わせて貰おう。」
 「12日間…以上?」
 
 僕は皆に対してそう言うと、皆は首を傾げながら何だか納得していない顔をしていた。
 八魔将のリッチから指定された日時は、12日後なのに…
 猶予が12日以上あるという言葉に疑問を抱いている状態だった。

 「まぁ、とりあえずは…あのぬいぐるみ戦の後なんだし、明日は休みにしよう。」
 「いやいや…12日後に決戦だろ? 休息が大事なのも分かるが、準備を怠らない様にするのは当然じゃないのか?」

 僕の言葉の後に、賢斗がそう言い出してきた。
 仲間達には詳細を話しても別に構わないんだけど、それが逆にプレッシャーになって日を追う毎に緊張感でガチガチになられても困る。
 まぁ、決戦の3日前位に話しておけば問題は無いだろう。
 リッチ対策には、1日の…数時間も事があれば足りるからだ。
 …なんだけど、やはり何も聞かされない事で不安を感じていたみたいだったので、僕は皆に話をする事にした。
 先に聞いておいた方が、決戦の日まで安心して休めるという話だったからだ。

 「まずリッチ戦だけど、メンバー構成は僕と賢斗と翔也に華奈とレイリアの5人で、他のメンバーはいざという時の為に護衛をしてもらう。」
 「今言ったメンバーだと魔法を使える者達と…って、クリアベールさんが抜けていないか?」
 「ベルは無属性魔法の使い手だから、今回の作戦には向かないんだよ。」
 「だとすると、属性魔法を取得している者達という訳か…それで、この5人で何をするんだ?」

 賢斗は不思議そうに声を上げた。
 これから話す事は、賢斗なら恐らく知っているかもしれないが…?

 「賢斗、聖王・五十封印術って知っているか?」
 「テレシア王国のアルカディア王女様が言っていた、属性魔法の使い手が5人揃って相手を封印するというアレか?たしか、魔王サズンデスをその方法で封印したんだよね?」
 「賢斗は知っていたか…」
 「かなり強力な封印術という話だったけど、僕のパーティーには4人しかいないし。」
 「僕の方も魔法が使えるのが2人しかいないから、使う事は無いとは思っていたんだけど…賢斗達が居れば可能なんじゃないかと思ってね。」
 「それで、リッチを封印するのか…」
 「封印ではなく、弱体化を図ろうと思っていてね。楽に葬れる為にね。」

 聖王・五十封印術というのは本来…属性魔法の使い手が5人揃ってという話なんだけど、魔王サズンデスを封印した時は国民の魔法力を利用してだったので強力なものが出来たという話だった。
 今回の僕等は、先程言ったメンバー以外にベルとクライシスはいるけど…ベルは無属性魔法の使い手だし、クライシスは魔法を込めた玉からならその属性を放出出来るけど、魔力や魔法力の放出は出来ない。
 なので、この作戦は先程言っていた5人でしか不可能だった。

 「問題は、リッチが八魔将のどの位置にいるかなんだよね。」
 「どの位置?」
 「僕達が八魔将と戦ったのは、ガルムとぬいぐるみのみで…ガルムより強いのが2匹控えているという話だったけど、あのリッチがガルム程の強さだという感じはしなかったので、2匹控えているどっちか…と言うのは考えにくい。そして先程戦ったぬいぐるみも、八魔将の中で最弱だとは思うんだけど…?」
 「あれで最弱だったのか⁉そういえばダンは、十六鬼影衆の中でピンクのぬいぐるみと戦ったという話だったけど、そいつはどの位置にいる奴だったんだ?」
 「わからん!…まぁ、攻撃力という意味では十六鬼影衆の中で最弱だったんだろうな。殴られても痛くは無かったし…攻撃が全く当たらないのと、回避力は凄まじかったから…戦い難さと言えば茶色のぬいぐるみより素早かったかもね。」
 「あれより素早いって…よく勝てたな。」

 茶色いくまのぬいぐるみと戦った後の皆だと、僕の話には信ぴょう性が帯びて来る。
 だけど、ピンクのくまが十六鬼影衆の中でどの位置にいる奴かと言われると…8匹のゲームの駒みたいな奴より下だったとしか言えないな。
 実際の経験値は、ゲームの駒を抜かせばピンクのくまがダントツに高かったし。

 「それで、リッチ相手にどうやって五十封印術をやるんだ?」
 「僕が覚醒を使ってからリッチに魔法陣を展開して、それから翔也と華奈と賢斗とレイリアが聖と光属性を叩きこむという感じなんだけど…賢斗、今更だけど光属性が使えないとか抜かさないよな?」
 「それは何とか克服をしたので大丈夫だよ。でも、ダンの覚醒のリキャストタイムって…12日くらいじゃ足りないんじゃないのか?」
 「全く持って足りん。…という訳で、リッチの構える屋敷に罠の完成の邪魔を送り込もうと思っている。」
 「何を送り込むつもりだ?」
 「金の無い貴族とか、後が無い貧乏人盗賊団とかね。リッチが構える屋敷は元は侯爵家という話だったし、魔物には莫大な宝は無縁だから…侯爵家の莫大な財宝は未だ手付かずだから、誰が一番に手に入れられるか?…と、焚きつけようと思っていてね。」
 「相変わらず…やり方というかセコイ考えが浮かぶなぁ?」
 「まじめに勉強に向かっているのを邪魔されるのは、何よりも腹が立つ…というか、この考えは賢斗のお陰でもあるんだけどね。」
 「どういう意味?」
 「僕が何度も賢斗に嗾けていて…君が怒って逆上する姿を見ていたからか、これならリッチにも同じ手が使えるんじゃないかとw」
 
 賢斗は僕の言葉に憤りを感じていた。
 だけど賢斗は冷静になって考えてい見ると、賢斗が大体激怒する理由はダンに勉強の邪魔をされた時だった。

 「そういう訳で、決戦の日になったら合図をするのでそれまでは各自やる事をやろう。明日は完全オフという事でね。僕は午前中は休むけど、午後からは色々動く予定だから。」
 「ダンは休まなくて良いのか?」
 「僕は慣れているからね、数時間休めば問題は無いけど、皆はそういう訳には行かないだろう?」

 僕の言葉に翔也がムッとした表情で反論してきた。
 
 「ダンは随分と余裕があるんだな、あの戦いも手を抜いていたんじゃねぇか?」
 「手を抜く…?僕は十六鬼影衆や八魔将戦では一切手を抜いていないけど?」
 「なら、半日休めば充分だなんて…」
 「それは翔也達よりも厳しい戦いをして来た証拠だよ。そのお陰か、短時間でも疲れを取る方法が出来る様になっただけさ。」
 「何だと?ならば俺達が今迄に楽な戦いばかりをして来たとでも言いたげだな!」
 「喧嘩をするという気はないけど、これだけは1つだけ言っておく。棘のある言い方をしたのは申し訳ないけど、それ位に僕と皆とでは実力に差の開きがあるんだよ。」
 「な!」

 その言葉に対して、皆は悔しそうな顔をしていた。
 僕の言葉に対して誰も反論出来る者はいなかった。
 
 「まぁ、僕は決戦の日までの間は色々忙しく動く事になるんだけど、皆がどうしたいかは各々に任せるよ。」
 
 僕はそう言い終わると同時に、シルフィンダーに乗ってサーディリアン聖王国を目指して行った。
 この侯爵領からサーディリアン聖王国迄は、それほど離れた距離では無いのだが?
 これからやる事に対して、時間を無駄にする訳にはいかないからだった。

 「さて…あの者達の情報は、やはり冒険者ギルドで入手した方が早いかな?」
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