幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス

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第五章 動き出す…?

第六話 聖剣シャンゼリオンと魔剣アトランティカの会話(久々の再会です。)

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 ダンが魔王サズンデスとの対談が終わってから少し後…。
 勇者翔也は、ダンと合流してから食堂で皆と食事をしている間に聖剣シャンゼリオンと魔剣アトランティカは宿屋に置かれていた。
 ダンが気を利かせて、兄妹水入らずに会話が出来る様に、2人…2本きりにしてくれたのだ。

 《まさか…兄さんに会えるとは思わなかったわ!》
 《久しぶりだな…何世紀ぶりだ?》
 《兄さんが戦いが終わった後に、ノブナガ・オダがどこかに兄さんを封印したと聞いて、それ以来リンクが切れたから、何世紀…いえ、何十世紀ぶり位だね。》
 《お前の方は、先代の勇者にも使われたのだろう?》
 《えぇ、孝也ね。 彼も中々の使い手だったわ!》
 《その前は…転移者だっけ? 名前は確か…ジャンヌと言ったか?》
 《彼女は国で焼き殺される所をこの世界で肉体を得たと言っていたわね。》
 
 召喚者以外に転移者もいたというのは、この世界ではあまりない事だった。
 その当時の救世主召喚は、豊富な魔力のお陰で世界の年代別から呼び寄せる事が出来たのだ。
 ただし、命を落とす瞬間の者限定という条件で呼び出される為に、その世界の歴史には全く影響ない者達なのである。

 《話は変わるけど、兄さん…えらく強くなってない? 下手すれば全盛期と同等近くの力を手に入れているよね?》
 《現在のダンという少年と旅をしていると、経験値に事欠かないんだよ。》
 《英雄と呼ばれている子だっけ? その子が十六鬼影衆を全部倒しちゃったんでしょ?》
 《仲間と協力した時もあったが、7匹は一人で倒していたな。》
 《どんなジョブなの? 本当に英雄というジョブとか?》
 《いや、器用貧乏というジョブで、レベルが1より上がらないという物だ。 代わりにスキルレベルが最高値になっている。》
 《正直に言うけど…私と契約している勇者より遥かに強いわよ、兄さんの契約者。 とてもレベル1とは思えないわ。》
 
 正直に言うと、ダンの事は枠に嵌らないから説明が非常に面倒だ。
 魔剣アトランティカは、妹にどう説明しようか悩んでいた。

 《具体的に兄さんの契約者ってどんな感じなの?》
 《一言で言えば、面白い奴だ。 見ていて飽きない。》
 《そこまで兄さんが言わせる契約者って、一体⁉ 兄さんって、良くも悪くも気難しい性格だったから、ノブナガ・オダとも良く衝突していたしね。》
 《あいつの場合は、自己主張が激しかったからな。 最後の方ではオレが折れたくらいだが、ダンに関してはそういうのが全くない。》
 《私の契約者の翔也も色々と性格に問題がありそうだから、上手く誘導していかないとね。》
 《翔也とやらも悪い性格ではないのだが、少々硬いという部分もあると感じたな。 ダンが緩すぎるという感じもするが…?》
 
 妹も色々問題がある契約者と契約する事が多いな…?
 ダンはそういう点では全く気苦労が無いから楽ではあるのだがな。

 《ただ、ダンには良く解らない力が存在する。 潜在能力が桁違いなんだよなぁ…》
 《どんな能力なの?》
 《まず、スキルが30個近くあって…そのスキルを上手く使いこなす頭もある。》
 《召喚者のスキルって、せいぜい2つでしょ?》
 《それに…これはお前の契約者には内緒にしてくれ! ダンの中にはもう1人の慱という少年が存在していて、その子もかなりの力を秘めている。》
 《兄さんの言っている事が良く解らない……》
 《説明がし難いのだが、そうだな…? ダンの体の中には、太古の昔に暗躍したルキシフェルが体内で封印されている。》
 《ルキシフェルって、災厄の悪神の?》
 《あぁ、ダンは本来もう1人の慱と融合する筈だったのだが、それをルキシフェルに邪魔されたらしい。》
 《じゃあ、仮に邪魔されていないで本来の力を持っていたとしたら?》
 《勇者を超越した能力に賢者と同等かそれ以上の魔力、聖女以上の法術、剣聖以上の武技を持った存在になるだろうな…》

 正直…ダンの能力は、ほんの一端しか見た事ないからそれ以上は想像でしかない。
 全ての能力が開放された日には、ダンに勝てる生物は【魔王】ですら敵わないだろう。

 《兄さんもとんでもない人と契約したわね。》
 《契約に関して言うとオレの寿命も尽き掛けていたから、ダンしかいなかったという訳だ。》
 《そういえば兄さん、魔剣になっていたものね。 それに、自分の名前も忘れちゃったでしょ?》
 《そうなんだよな…あまりも長い時を1人で過ごしてきたから、名前を呼ばれる事が無くてな。》
 《聖剣時代の名前は、エグゼンリオン。 今のアトランティカというのも良い名前だと思うよ。》
 《最初はな、猫や犬の名前を付けられそうになったんだよ。 さすがに怒ったがな。》
 《その時に立ち会ってみたかったわ! そういえば、あの子はどこに行ったんだろ?》
 《確か軍師の人間が使っていたんだっけか? 名前は紅蘭だったか?》
 《孔明よ、確か諸葛孔明と言ってたわよね? あの戦いの後に散り散りになったから、旅をしていれば何処かで会えるとは思うんだけど…?》

 オレ達には、もう1人妹がいた。
 オレとシャンゼリオンが剣の形で、下の妹…クルシェスラーファは杖だったのだが、今は所在を確認しようもない。
 あの戦い以降、会っては無いからな。

 《おっと、ダンが帰って来たな…》
 《そうね、話をすると言ったけど、結局現状確認になってしまったわね。》
 《まぁ、良いさ。 また話す機会もあるだろうし、ダンと翔也はしばらくに間は一緒に行動すると言っていたしな。》
 《これからは翔也にも経験値を稼いで貰わないとね。 私も本来の力を取り戻したいから!》
 
 こうして、聖剣シャンゼリオンと魔剣アトランティカの会話は終わった。 
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