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第五章 動き出す…?
第三話 お店に出すメニュー(いざとなると難しいです。)
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ガイウス達は、ロックバードの卵とミルクを回収してきてくれた。
結構ボロボロな姿になっていたので、クリーン魔法と回復魔法をしてあげた。
当然、これらの回収費用は払うと言ったのだが、断られた。
食事で手を打つ事になった…のだが?
「考えた結果、資金調達は国民の支援金ではなく、料理に金を出すという形にすれば心が痛まないという事になった…のだが、正直なんの料理屋を開こうか迷っている…」
「ラーメン屋を開く!」
「それも考えたのだが、箸が使えないとあの料理では麺を食べるのに苦労する。 フォークでも喰えない事は無いけど、箸と違って食器類で金が掛かるのにフォークの大量発注は元が取れない。」
「惣菜パンの店を開くというのは?」
「以前、この街にいた時に…パン職人に惣菜パンのレシピを渡したおかげで、今まで以上の売り上げで喜んでいるのに、それを阻害するような真似は出来ない。」
「スィーツのお店は?」
「クレープとかは考えた事はあるけど、卵は良いとしてミルク関連が圧倒的に足りない。」
皆の意見を全うから否定する訳じゃないが、食事で腹にたまる物と考えるとすれば?
「丼物か…」
「丼物って、この世界に米は無いだろ?」
「ウ…ウン、コメナンカナイヨー。」
「ダン、何でカタコトなの?」
「まさか、この世界に米があるのか⁉」
やばい、知られたくない奴等に知られてしまった…
絶対に次に出る言葉は…
「「「「米が喰いたい‼」」」」
こうなるんだよね…。
仕方ない喰わせてやるか!
それに料理屋に関してはこいつ等にも手伝って…いや、手伝わせるんだしな!
僕は周りを見ながら小声で言った。
「米は喰わせてやるから静かにしろ! 今からこっそりと街から離れるから、ガイウス達にはバレない様にするんだ!」
4人は頷くと、僕等はこっそりと宿から出た。
そして、街から出た場所の草原の中で準備をした。
「まず飛鳥は、ここら辺の草を刈って開けてくれ。 賢斗は魔法で椅子とテーブルを作ってくれ。 華奈は守護結界を、翔也は周囲の警戒を頼む!」
「ダンだけじゃ心配だから、私も手伝おうか?」
「いや、その為に華奈には守護結界を使って欲しいんだ。 調理中に邪魔されたら食材が勿体ないから!」
「うん、分かったわ! 守護結界発動!」
「「「「助かった…」」」」
さてと、色々と工程が面倒だがやるか!
まず、キッチンを解除する。
コンロに火をつけて、生活魔法の水魔法で鍋に水を満たしてからコンブで出汁を取る。
その間に玄米を風魔法で殻を取って白米にしてから、鍋に入れて水を浸す。
糠漬けを玉から解除して、ニンジンとダイコンときゅうりの漬物を水魔法で洗う。
水を浸していた白米を炊く。
出汁を取り終えたコンブを出してから、味噌を溶かしてワカメと豆腐を入れて…
「あ、ネギがなかったな。 樹魔法・ネギの芽…植物成長!」
地面から芽が出たネギを植物成長で一気に成長させる。
そのネギを刻んでみそ汁の中に入れる。
「あ、器もなかったな。 賢斗、この丸太で箸を5人分と茶碗と御椀5個ずつ作ってくれ。」
「あぁ、了解!」
賢斗が風魔法で丸太を削っている間に、白米の様子をみる。
そろそろ出来上がると思い、火を消してから少し蒸らす。
この辺りに、米の炊ける匂いとみそ汁の香りが漂っている。
「こんな感じで良いか?」
「どれどれ…って、もう少しうまく作れないか?」
僕は風魔法で丸太を削り、箸と御椀と茶碗を作って賢斗に見せた。
「僕にはここまでの完成は無理だ!」
「魔力操作と魔力調整が雑なんだよ、分かったかい賢者様!」
賢斗は悔しそうな顔をした。
まぁ、それはさておき…茶碗に米を装ってお椀にみそ汁を入れた。
そしてテーブルの中心に糠漬けを用意した。
「今はこんな物だが、ここ何日かは肉ばっかで飽きていただろうから、シンプルな物で良いよね?」
「充分だ!」
皆はみそ汁を口に入れてから、白米を口入れて糠漬けをつまんだ。
召喚後から既に何か月経っていただろうか?
久々に食べる米に皆は涙を浮かべてた。
そしてお替りを強請られ、白米もみそ汁も全て無くなった。
皆は満足そうな顔をしていた。
「ところでさぁ、何でガイウスさんには内緒なんだ?」
「以前米を喰わせたら、その後もしつこく催促してくるんだよ。」
「ちなみに、この米はどこで採れるんだ?」
「テルシア領内のアーベント草原に生えていた。 こっちの世界の人間は、米を家畜の餌として用いるので食べる習慣は無いんだと。」
「この味噌はどうしたんだ?」
「作った。」
「このコンブとワカメは?」
「海のモンスターでトコブシェーターという奴から倒したら手に入った。 この世界ではコンブもワカメも食べないらしい。」
「この豆腐も作ったのか?」
「味噌や醤油などと一緒にね。 他にも、みりんや酢や砂糖や塩も作ったよ。」
「そういえばダンは、元いた世界でも調味料は自作していたよな…」
「海鮮丼でも…と考えたんだけど、この世界の人達って生魚を喰う習慣が無いから、海鮮丼は作っても売れる気がしないしな…」
まぁ、手っ取り早く丼物にするなら、肉丼なんだけど。
この世界の人達の食生活がほぼ肉とパンだからな。
「鰻丼でも作ってみるかねぇ…?」
「この世界ってウナギいるのか?」
「川に大量にいる。 地方とかでは食べる習慣はあるらしいけど、この地方では食べる事が無いから大量に繁殖している。」
「食べた事あるの?」
「あるよ、調理してね。 ただ…」
「ただ?」
「ベルは食べたけど、ガイウスや魚好きのクリスは敬遠していたな。 調理を見せたのがいけなかったのかな?」
「なら、別な物にすれば良いじゃないか! 別にウナギだけじゃなく、豚丼とか…」
「そうなると、米が大量に必要だな。 まぁ、これは何とかなるから…賢斗はレストランか屋台の商業申請を商業ギルドで許可貰って来てくれないか?」
「任せろ! 得意分野だ。」
「翔也と飛鳥は、ベルも一緒に連れて川でウナギの捕獲を頼む。 華奈は、賢斗のサポートに回ってくれ」
「「「わかった。」」」
「2日間くらい留守にするぞ、米の当てはあるんだけど、少し遠いのと交渉を早くする為にガイウス達を連れて行くから。」
それぞれの役割が決まったところで、僕等はそこで解散して持ち場に着いた。
僕は宿に戻ってからガイウスとレイリアとクリスを連れて、シルフィンダーに乗せた。
「ダン、俺達をどこに連れて行く気だ? 店の食材集めで狩りに行くのか?」
「半分正解で半分外れ。 エルヴの集落に行くので、久々の里帰りだ。」
「久々に母様に会えるのね! でも、なんでクリスも一緒なの?」
「ガイウスの将来の嫁さんなんだろ? クリスって…なら紹介しておかないと。」
「にゃにゃにゃ…にゃんですって⁉」
「馬鹿野郎! 俺達はまだそんな…」
「二人とも顔を赤くして否定しても説得力ないぞ! 飛ぶぞ!」
シルフィンダーのフライトモードで全速力でエルヴの集落に向かった。
だが、その集落で一悶着ある事をこの時の僕等は考えもしなかった。
結構ボロボロな姿になっていたので、クリーン魔法と回復魔法をしてあげた。
当然、これらの回収費用は払うと言ったのだが、断られた。
食事で手を打つ事になった…のだが?
「考えた結果、資金調達は国民の支援金ではなく、料理に金を出すという形にすれば心が痛まないという事になった…のだが、正直なんの料理屋を開こうか迷っている…」
「ラーメン屋を開く!」
「それも考えたのだが、箸が使えないとあの料理では麺を食べるのに苦労する。 フォークでも喰えない事は無いけど、箸と違って食器類で金が掛かるのにフォークの大量発注は元が取れない。」
「惣菜パンの店を開くというのは?」
「以前、この街にいた時に…パン職人に惣菜パンのレシピを渡したおかげで、今まで以上の売り上げで喜んでいるのに、それを阻害するような真似は出来ない。」
「スィーツのお店は?」
「クレープとかは考えた事はあるけど、卵は良いとしてミルク関連が圧倒的に足りない。」
皆の意見を全うから否定する訳じゃないが、食事で腹にたまる物と考えるとすれば?
「丼物か…」
「丼物って、この世界に米は無いだろ?」
「ウ…ウン、コメナンカナイヨー。」
「ダン、何でカタコトなの?」
「まさか、この世界に米があるのか⁉」
やばい、知られたくない奴等に知られてしまった…
絶対に次に出る言葉は…
「「「「米が喰いたい‼」」」」
こうなるんだよね…。
仕方ない喰わせてやるか!
それに料理屋に関してはこいつ等にも手伝って…いや、手伝わせるんだしな!
僕は周りを見ながら小声で言った。
「米は喰わせてやるから静かにしろ! 今からこっそりと街から離れるから、ガイウス達にはバレない様にするんだ!」
4人は頷くと、僕等はこっそりと宿から出た。
そして、街から出た場所の草原の中で準備をした。
「まず飛鳥は、ここら辺の草を刈って開けてくれ。 賢斗は魔法で椅子とテーブルを作ってくれ。 華奈は守護結界を、翔也は周囲の警戒を頼む!」
「ダンだけじゃ心配だから、私も手伝おうか?」
「いや、その為に華奈には守護結界を使って欲しいんだ。 調理中に邪魔されたら食材が勿体ないから!」
「うん、分かったわ! 守護結界発動!」
「「「「助かった…」」」」
さてと、色々と工程が面倒だがやるか!
まず、キッチンを解除する。
コンロに火をつけて、生活魔法の水魔法で鍋に水を満たしてからコンブで出汁を取る。
その間に玄米を風魔法で殻を取って白米にしてから、鍋に入れて水を浸す。
糠漬けを玉から解除して、ニンジンとダイコンときゅうりの漬物を水魔法で洗う。
水を浸していた白米を炊く。
出汁を取り終えたコンブを出してから、味噌を溶かしてワカメと豆腐を入れて…
「あ、ネギがなかったな。 樹魔法・ネギの芽…植物成長!」
地面から芽が出たネギを植物成長で一気に成長させる。
そのネギを刻んでみそ汁の中に入れる。
「あ、器もなかったな。 賢斗、この丸太で箸を5人分と茶碗と御椀5個ずつ作ってくれ。」
「あぁ、了解!」
賢斗が風魔法で丸太を削っている間に、白米の様子をみる。
そろそろ出来上がると思い、火を消してから少し蒸らす。
この辺りに、米の炊ける匂いとみそ汁の香りが漂っている。
「こんな感じで良いか?」
「どれどれ…って、もう少しうまく作れないか?」
僕は風魔法で丸太を削り、箸と御椀と茶碗を作って賢斗に見せた。
「僕にはここまでの完成は無理だ!」
「魔力操作と魔力調整が雑なんだよ、分かったかい賢者様!」
賢斗は悔しそうな顔をした。
まぁ、それはさておき…茶碗に米を装ってお椀にみそ汁を入れた。
そしてテーブルの中心に糠漬けを用意した。
「今はこんな物だが、ここ何日かは肉ばっかで飽きていただろうから、シンプルな物で良いよね?」
「充分だ!」
皆はみそ汁を口に入れてから、白米を口入れて糠漬けをつまんだ。
召喚後から既に何か月経っていただろうか?
久々に食べる米に皆は涙を浮かべてた。
そしてお替りを強請られ、白米もみそ汁も全て無くなった。
皆は満足そうな顔をしていた。
「ところでさぁ、何でガイウスさんには内緒なんだ?」
「以前米を喰わせたら、その後もしつこく催促してくるんだよ。」
「ちなみに、この米はどこで採れるんだ?」
「テルシア領内のアーベント草原に生えていた。 こっちの世界の人間は、米を家畜の餌として用いるので食べる習慣は無いんだと。」
「この味噌はどうしたんだ?」
「作った。」
「このコンブとワカメは?」
「海のモンスターでトコブシェーターという奴から倒したら手に入った。 この世界ではコンブもワカメも食べないらしい。」
「この豆腐も作ったのか?」
「味噌や醤油などと一緒にね。 他にも、みりんや酢や砂糖や塩も作ったよ。」
「そういえばダンは、元いた世界でも調味料は自作していたよな…」
「海鮮丼でも…と考えたんだけど、この世界の人達って生魚を喰う習慣が無いから、海鮮丼は作っても売れる気がしないしな…」
まぁ、手っ取り早く丼物にするなら、肉丼なんだけど。
この世界の人達の食生活がほぼ肉とパンだからな。
「鰻丼でも作ってみるかねぇ…?」
「この世界ってウナギいるのか?」
「川に大量にいる。 地方とかでは食べる習慣はあるらしいけど、この地方では食べる事が無いから大量に繁殖している。」
「食べた事あるの?」
「あるよ、調理してね。 ただ…」
「ただ?」
「ベルは食べたけど、ガイウスや魚好きのクリスは敬遠していたな。 調理を見せたのがいけなかったのかな?」
「なら、別な物にすれば良いじゃないか! 別にウナギだけじゃなく、豚丼とか…」
「そうなると、米が大量に必要だな。 まぁ、これは何とかなるから…賢斗はレストランか屋台の商業申請を商業ギルドで許可貰って来てくれないか?」
「任せろ! 得意分野だ。」
「翔也と飛鳥は、ベルも一緒に連れて川でウナギの捕獲を頼む。 華奈は、賢斗のサポートに回ってくれ」
「「「わかった。」」」
「2日間くらい留守にするぞ、米の当てはあるんだけど、少し遠いのと交渉を早くする為にガイウス達を連れて行くから。」
それぞれの役割が決まったところで、僕等はそこで解散して持ち場に着いた。
僕は宿に戻ってからガイウスとレイリアとクリスを連れて、シルフィンダーに乗せた。
「ダン、俺達をどこに連れて行く気だ? 店の食材集めで狩りに行くのか?」
「半分正解で半分外れ。 エルヴの集落に行くので、久々の里帰りだ。」
「久々に母様に会えるのね! でも、なんでクリスも一緒なの?」
「ガイウスの将来の嫁さんなんだろ? クリスって…なら紹介しておかないと。」
「にゃにゃにゃ…にゃんですって⁉」
「馬鹿野郎! 俺達はまだそんな…」
「二人とも顔を赤くして否定しても説得力ないぞ! 飛ぶぞ!」
シルフィンダーのフライトモードで全速力でエルヴの集落に向かった。
だが、その集落で一悶着ある事をこの時の僕等は考えもしなかった。
応援ありがとうございます!
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